Trademark Appeal Case
商標「黒龍」の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−16822(T2009−16822/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「黒龍」の文字を縦書してなり、第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年4月13日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第79542号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおり「黒龍」の文字を縦書きし、その背景に家紋のひとつである陰丸に陰隅立て四つ目とみられる図形を配してなり、大正5年3月25日に登録出願、第38類「清酒」を指定商品として、同年5月26日に設定登録されたものである。
その後、昭和10年10月8日、同30年9月12日、同52年5月9日、同61年5月21日、平成8年5月30日、同18年6月13日の6回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同年7月19日に、第33類「清酒」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1のとおり、「黒龍」の文字よりなるところ、該文字からは、「黒い龍」という程の意味合いを認識させるものであって、その構成文字に相応して「コクリュウ」の称呼を生じ、「黒い龍」の観念を生ずるものである。
一方、引用商標は、別掲2のとおり、「黒龍」の文字と家紋の図形よりなるものであるところ、その構成中、「黒龍」の文字は、「黒い龍」という程の意味合いを認識させるものであって、その構成文字に相応して「コクリュウ」の称呼を生ずるものである。
そして、引用商標にあっては、文字部分と図形部分とを常に一体のものとしてのみ把握しなければならない格別の事情も見出せないものであるから、構成中顕著に看者の注意を惹く文字部分をもって、取引に資する場合も決して少なくないものというのが相当である。
そうとすれば、引用商標は、「コクリュウ」の称呼を生じ、「黒い龍」の観念を生ずるものである。
してみると、本願商標と引用商標とは、外観においては、引用商標の背景に図形が配されているという違いがあるとしても、両者は、同じ2字の漢字をいずれも墨書きにて縦書きした「黒龍」の文字を有するものであるから、文字の外観において近似し、かつ、称呼及び観念を共通にするものであるから、両商標は、互いに相紛らわしい類似の商標といわざるを得ない。
また、本願商標の指定役務は、その取り扱う商品が、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であり、その需要者、取引者、取引場所も共通にする場合が多いものであるから、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品とは、類似するものというのが相当である。
(2)請求人の主張について
請求人は、引用商標中にある家紋が有する識別力に言及するが、これをもって「黒龍」の文字の有する識別力が減殺されるものではない。
また、請求人より提出された資料からは、本願商標と引用商標とが区別されて取引がなされているか否かは判断できないし、そもそも、引用商標が現に有効に存在する以上、商標法第4条第1項第11号に該当するというべきであるから、かかる請求人の主張は採用できない。
更に、請求人は、請求人が過去に所有していた商標権と引用商標が併存していたことや請求人の所有する他の登録例を挙げて、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張しているが、これらの登録例は、商標の具体的構成及びその指定商品において、本願商標とは事案を異にするものであって、これらの事例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適当でなく、かつ、商標の類否判断は、比較する両商標について個別・具体的に判断すべきものであり、過去の登録例に拘束されることなく検討されるべきものであるから、本件に関する上述の判断を左右するものではない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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