sokuhyo

Trademark Appeal Case

誇称表示結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−19401(T2009−19401/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ローヤルゴールド」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成20年2月26日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、当審における同21年11月5日付け手続補正書により、第5類「滋養強壮剤」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ローヤルゴールド』の片仮名文字を標準文字で書してなるが、その構成中の『ローヤル』の文字は、『国王の、王の』を意味する英語および外来語として親しまれているばかりでなく、かかる意味合いから転じて、『素晴らしい、この上ない』等の商品の品質等の等級、品位を表わすための誇称表示として普通に使用されている語と認められる。また、『ゴールド』の文字は、『金、黄金』の意味合いを有する語で、商品の品質等が高級あるいは優秀であることなどの等級、品位を表わすための誇称表示として普通に使用されている語と認められる。そうとすれば、本願商標は、単に商品の品質等の等級、品位を表わす誇称表示的な語の組み合わせであると理解するにすぎないものであって、これをその指定商品に使用しても、自他商品識別標識としての機能を果たすものとは認識できず、単に商品の品質を表示するにとどまるものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知(要旨)

当審において、平成22年8月24日付で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、「ローヤルゴールド」の文字について、別掲(4)に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

第4 証拠調べ通知に対する請求人(出願人)の意見(要旨)

1 「ローヤル」は多義語であり特定のひとつの意味合いをただちに想起させるものではないことから、「ゴールド」が有する「貴重なもの、高貴なもの」といった意味合いと相俟って、本願商標全体として漠然とした高級感を間接的に暗示させるにとどまる。

2 本願商標「ローヤルゴールド」は一体不可分の一種の造語として認識されると考えるのが相当であり、「ローヤル/ロイヤル」あるいは「ゴールド」が「ビタミン含有保健薬」等に使用されている事実は、本件商標「ローヤルゴールド」の識別力を否定する直接的な証拠となるものではない。

3 「ローヤル(ロイヤル)ゴールド」の文字が「滋養強壮ドリンク剤」に使用されている事実が存在するものの、いずれも「特に素晴らしい商品」の意味合いをもって使用されているとまでは言えない。

4 結語

上述のとおり、本件証拠調べにより発見された事実は、いずれも本願商標の識別力を否定するに足るものではない。本願商標は、一体不可分の一種の造語と認識されるべきものであって、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。

第5 当審の判断

本願商標は、前記第1のとおり、「ローヤルゴールド」の文字を標準文字として表してなるが、構成中前半の「ローヤル」の語は、「王の、王室の、また高貴な」(大辞泉)、「(質などが)並外れた」(小学館ランダムハウス英和大辞典)などの意を表す語であり、「ゴールド」の語は、「金、黄金」(広辞苑)、「(金のように)貴重なもの、高貴なもの、素晴らしいもの」(小学館ランダムハウス英和大辞典)等の意味を有する語として、よく知られた語と認められる。

してみれば、本願商標は、「ローヤル」と「ゴールド」の文字を組み合わせてなること明らかであるから、全体として「特に素晴らしい商品」の意味合いを想起させることがあるものと認められる。

ところで、本願の指定商品「滋養強壮剤」の分野では、別掲(4)の「2」ないし「4」のとおり、その効果・効能(滋養強壮、肉体疲労、食欲不振など)に対応して、ローヤルゼリー、生薬、各種ビタミン等を配合したものが取引されているところ、各メーカーではその種類、成分の配分、配合量が違う商品を販売しており、その商品の効果、効能が優れている有効成分の種類や量が多いほど、価格が高くなる傾向にある(別掲(1))。

そして、この分野では「ローヤル」、「ゴールド」の語は、別掲(4)の「3」のとおり、「滋養強壮剤」の成分の種類、配分、配合量の多少、価格等によって、その違いを明確にするための語として、各メーカー毎にその主たる商品名(例えば、ユンケル、リポビタン、チオビタ等)に付加して使用されている実情にあるということができる。

そうとすれば、「ローヤルゴールド」(ロイヤルゴールド)の語は、別掲(1)ないし(3)及び(4)の「2」ないし「3」のとおり、商品名に付加して使用されており、「ローヤル」、「ゴールド」の語を単独で商品名に付加して使用されている事例程多くはないとしても、本願の指定商品の分野の取引の実情を総合的に考慮すれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、各メーカーの滋養強壮剤の品質(等級、品位)を表す「ローヤル」と「ゴールド」とを組み合わせた(配合した)商品であって、上記意味合いを容易に看取させるものであるから、単にその商品の品質、原材料等の等級、品位、誇称を表示するものとして認識されるものであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないものと認められる。

なお、請求人(出願人)は、「『ローヤル/ロイヤル』あるいは『ゴールド』が『ビタミン含有保健薬』等に使用されている事実は、本件商標『ローヤルゴールド』の識別力を否定する直接的な証拠となるものではない。『ローヤル(ロイヤル)ゴールド』の文字が『滋養強壮ドリンク剤』に使用されている事実が存在するものの、いずれも『特に素晴らしい商品』の意味合いをもって使用されているとまでは言えない。」旨主張しているが、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日 判決言渡参照)から、たとえ、一連一体で表された「ローヤルゴールド」の文字が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質、原材料等の品位・等級・誇称を表示するものとして使用されている事実が存在しなくとも、本願商標が商品の品質、原材料等の等級・品位・誇称を表示するものであるとすることの妨げにはならない。

また、請求人(出願人)は、「『ローヤルゴールド』印商品は、相当の売上を記録しており、需要者・取引者間において、出願人が製造販売する滋養強壮剤の出所標識として広く認識されている。」旨主張しているが、平成21年11月9日付け手続補足書の第2号証の1及び第4号証の2によれば、「本願商標の使用例」の図形のロゴマーク、「TOKIWA」、「常盤薬品」等の表示とともに使用されていること、同第4号証の1によれば、「D」のロゴマーク、中井薬品株式会社等の表示とともに本願商標が使用されていること、から「ローヤルゴールド」の表示のみによって、滋養強壮剤の出所標識としての機能を果たしていたとはいえない。したがって、提出された証拠によっては、「ローヤルゴールド」が広く認識されていたことを証明したことにはならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。