1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類「豚脂,豚肉,豚の内臓,焼豚,豚肉を使用してなるベーコン・ハム・ソーセージ,豚肉の角煮,酢豚,その他の豚肉製品,即席豚汁,豚肉を使用したカレー・シチュー又はスープのもと」、第30類「豚肉を使用したぎょうざ・サンドイッチ・しゅうまい・肉まんじゅう・ハンバーガー・べんとう・ホットドッグ」及び第43類「豚肉料理を主とする飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成20年11月5日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『寒天豚』の文字を縦書きで表してなるところ、ハーブを与えて飼育した豚を『ハーブ豚』、ワインを与えて飼育した豚を『ワイン豚』と称していることから、本願商標よりは『寒天を与えて飼育した豚の豚肉,寒天を与えて飼育した豚の豚肉製品,寒天を与えて飼育した豚の豚肉入りの商品,寒天を与えて飼育した豚の豚肉料理を主とする飲食物の提供』程の意味合いを理解させるにとどまり、本願商標をその指定商品・役務中、上記に照応する商品・役務に使用した場合、単に該商品の品質及び該役務の質(内容)を表示したものと認識する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「寒天豚」の文字を縦書きに書してなるものであるところ、その構成中の、「寒天」の語が、「テングサの粘質物を凍結・乾燥したもの」の意味を有する語として、また、「豚」の語が、「ウシ目の家畜」の意味を有する語として、いずれも一般に知られているとしても、両語を一連に表したその構成全体からは、直ちに原審説示のごとき意味合いを認識するとはいい難い。
また、当審において調査しても、本願商標の指定商品又は指定役務を取り扱う業界において、本願商標が、商品の品質又は役務の質などを表示するものとして、取引上、普通に採択、使用されている事実を発見できなかった。 してみれば、本願商標は、その構成全体をもって一体的に把握される特定の語義を有しない一種の造語であると認識されるとみるのが自然である。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品又は指定役務について使用しても、商品又は役務の特定の品質又は質などを表示するものとはいえず、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。