Trademark Appeal Case
結合商標の称呼・外観類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−22973(T2007−22973/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「NUSTEEL」の欧文字を標準文字で表してなり、第6類「貴金属を除く金属及びその合金(コイル状・帯状・シート状・管状・チューブ状・非電気的ケーブル状及び非電気的ワイヤ状のものを含む。)」を指定商品として、平成18年6月2日に登録出願されたものであるが、その指定商品については、原審における同19年5月12日付けの手続補正書により、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4107315号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成7年12月15日に登録出願され、第6類「鋼,建築用又は構築用のスチール製専用材料,スチール製建具,スチール製金具,スチール製建造物組立てセット,スチール製の滑車、スチール製のばね及びバルブ(機械要素に当たるものを除く),スチール製の可搬式家庭用温室,スチール製の吹付け塗装用ブース,スチール製管継ぎ手,スチール製フランジ,スチール製いかり,スチール製ビット,スチール製ボラード,スチール製締付け金具,スチール製の金網,スチール製のワイヤロープ,スチール製のネームプレート及び標札,スチール製のタオル用ディスペンサー,スチール製帽子掛けかぎ,スチール製郵便受け,スチール製靴ぬぐいマット,スチール製ブラインド,スチール製彫刻,スチール製セメント製品製造用型枠」を指定商品として、同10年1月30日に設定登録され、その後、同20年8月26日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標の類否判断について
本願商標は、前記1のとおり、「NUSTEEL」の欧文字からなるところ、該文字は、我が国において特定の意味を有する語として一般に親しまれた英語とはいえないから、これに接する取引者、需要者に、一種の造語と理解、認識されるとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、我が国において最も親しまれているローマ字読みあるいは英語読みに倣って称呼されるとみるのが相当であるから、その構成文字より「ニュースチール」又は「ナスチール」の称呼が生じ、また、造語であるから、特定の観念を生じさせないものである。
一方、引用商標は、別掲のとおり、上段に山型の細い帯と、下段に横一線の細い帯があり、その間に黒く太い帯を有し、さらに、その黒く太い帯内には、影付きの白抜き欧文字「NU」、「TEEL」とその間に同じく影付き白抜きの「−」(ハイフン)と左下方から右上方に穏やかな曲線を描いた図形を「S」字状に表したもの(以下「S字状図形」という。)を組み合わせた構成からなるところ、その構成中のS字状図形の右側に「TEEL」の文字が配された構成からすれば、S字状図形は、欧文字の「S」の文字を表したものと認識され、その右に表された文字とともに、「STEEL」の欧文字を表したものと容易に理解、把握されるものであり、文字部分全体で「NU−STEEL」の欧文字を表したものと認識されるものである。
しかして、該「NU−STEEL」の文字部分は、他の3本の帯からなる図形部分と常に一体不可分のものとしてみるべき特段の事情を見いだせないものであるから、かかる構成からなる引用商標においては、「NU−STEEL」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうとすれば、引用商標は、その構成中の「NU−STEEL」の文字部分に相応して、「ニュースチール」又は「ナスチール」の称呼が生じ、また、これは、造語であるから特定の観念を生じさせないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において、「NUSTEEL」の綴り字を共通にするものであって、称呼においては、「ニュースチール」又は「ナスチール」の称呼を共通にするものであるから、称呼と外観において相紛らわしい類似の商標といわなければならない。
そして、本願商標の補正後の指定商品中「鋼」と、引用商標に係る指定商品中「鋼」は、同一の商品である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、引用商標は、図形と文字の結合商標であって、図形部分と文字部分とは切り離されることなく合体した一つのマークとして使用されるものであるから、図形部分を無視して文字部分のみの比較によって本願商標との類否判断をすることは許されないし、今日のように、情報媒体が多様化し、情報量が飛躍的に増大した現代社会において、取引者、需要者は個々の情報間の差異に敏感に反応する習性が養われており、しかも、本願の指定商品の分野は、一般消費者ではなく、取引は専門家を相手にしている金属関係の商品分野であることから、外観及び観念も含めた商標全体を総合的に判断すれば、本願商標と引用商標とは、紛れることのない非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、図形の持つ情報伝達力を軽んずるべきではないとしても、情報媒体が多様化した現代社会においても、電話や電子メール等での取引確認など、未だ商標構成中の文字部分による情報伝達力は否定できないものであって、引用商標についても、上段に山型の細い帯と、下段に横一線の細い帯と、その間に黒く太い帯の図形部分を含めた商標全体のみならず、当該商標中の文字部分より生ずる称呼によって取引される場合もあり得るというのが相当であるから、請求人の上記主張は採用することができない。
なお、請求人は、引用商標に対して、不使用取消審判を請求した旨主張しているが、引用商標に対する当該取消審判事件(取消2007−301355)は、平成21年5月14日に、指定商品中「鋼」についての登録を取り消す旨の審決がされ、さらに、その事件に係る審決取消請求事件(平成21年(行ケ)第10171号)が知的財産高等裁判所において、同年12月28日に審決取消の判決がされたものである。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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