Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−19643(T2009−19643/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)に表示するとおりの構成よりなり、第35類「広告,商品の販売に関する情報の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行なわれる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行なわれる顧客に対する便益の提供,キーホルダーの小売又は卸売の業務において行なわれる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行なわれる顧客に対する便益の提供,時計の小売又は卸売の業務において行なわれる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年6月27日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、それぞれ現に有効に存続している。
(1)登録第3244987号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に表示するとおりの構成よりなり、平成6年1月21日登録出願、第35類「広告,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,輸出入に関する事務の代理又は代行,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」を指定役務として、同9年1月31日に設定登録され、その後、同19年2月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4906063号商標(以下「引用商標2」という。)は、「KARAT」の欧文字を横書きしてなり、平成16年5月27日登録出願、第6類「金属製フック,金属製ヒンジ,金属製引出し用取っ手,金属製ドアハンドル,金属製取っ手,金属製掛金,金属製留め金具,金属製パイプ,金属製ドア,金属製扉枠,金属製手すり,金属製ふた,金属製バルブ,金属製ねじ,金属製ボルト,金属製ワッシャー,その他の金属製金具,金属製送水管,金属製送水管バルブ,金属製排水トラップ,金属製窓枠,金属製衣服用フック」、第11類「金属製の浴槽,浴槽内で渦と泡を発生させる装置付きの浴槽,シャワールームユニット用防水パン,シャワーヘッド,シャワー器具,その他の浴槽類,便所ユニット,浴室ユニット,洗面所ユニット,シャワールームユニット,サウナルームユニット,ビデ(医療用機械器具に属するものを除く。),小便器,その他の便器,便座,電球類及び照明器具,浴室用洗面台,赤外線によって作動する水道用蛇口,その他の水道用蛇口,水道用栓,浴槽専用蛇口,タンク用水位制御弁,衛生器具及び衛生装置,赤外線によって作動する洗浄機能付便器」及び第21類「食品用容器,なべ,フライパン,皿,コップ,サラダボール(貴金属製のものを除く。),その他の食器類(貴金属製のものを除く。),洗面台用洗面器,金属製タオル掛け,横棒式タオル掛け(金属製のものを除く。),環状式タオル掛け(金属製のものを除く。),浴槽用手すり,トイレットペーパーホルダー(金属製のものを除く。),トイレットペーパーディスペンサー(金属製のものを除く。),トイレ清掃用ブラシ,トイレコーナー設置用汚物入れ,せっけん皿,せっけん入れ,せっけん用ディスペンサー,歯ブラシホルダー,化粧用箱」を指定商品として、同17年11月4日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1及び2との類否について
本願商標は、別掲(1)に表示するとおり、茶色で表した「THE CARAT」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中、「THE」と「CARAT」との間に1文字分の空白があることから、視覚上、「THE」と「CARAT」との2語からなるものと容易に理解できるものである。
本願商標を構成する前半の「THE」の文字部分は、「その、例の、問題の」等(株式会社研究社 新英和中辞典 第6版)の意味を、また、本願商標を構成する後半の「CARAT」の文字部分は、「【carat;karat】宝石の質量を表す単位」等(前掲書及び株式会社三省堂 大辞林 第三版)の意味を、それぞれ有し、一般に親しまれている英語である。
そして、本願商標を構成する前半の「THE」の文字部分は、「前掲 新英和中辞典」によれば、中学校において学習する程度の基本語と位置づけられ、英語学習の初期に修得する極めて親しみやすい単語であり、国民の間に広く浸透し親しまれているものである。また、上記のとおり、その代表的語義が「その、例の、問題の」等であるとおり、次に続く名詞中の特定のものを限定する機能を有する定冠詞であり、「強いて訳さないでよい場合が多い」(前掲 新英和中辞典)とされているように、自他役務の識別機能を有しないか極めて弱い部分である。
そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を構成する前半の「THE」の文字部分が自他役務の識別機能を有しない部分であるか極めて弱い部分であるとし、本願商標を構成する後半の「CARAT」の文字部分が自他役務の識別機能を果たす要部と認識して、商取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成中後半の「CARAT」の文字部分に相応して、単に「カラット」又は「キャラット」の称呼及び「宝石の質量を表す単位」等の観念をも生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標1は、別掲(2)に表示するとおり、その構成中、顕著に表示された「CARAT」の文字部分は、残余の図形部分とは、常に一体のものとして把握、認識しなければならない特段の事情は見いだせず、視覚的に分離して観察されるとみるのが相当であることから、当該文字部分に相応して、「カラット」又は「キャラット」の称呼及び「宝石の質量を表す単位」等の観念を生ずるものである。
引用商標2は、前記2(2)のとおり、「KARAT」の欧文字を横書きしてなることから、その構成文字に相応して、「カラット」の称呼及び「宝石の質量を表す単位」等(前掲 新英和中辞典及び大辞林)の観念を生ずるものである。
そこで、まず、本願商標と引用商標1とを比較すると、両者は、「カラット」又は「キャラット」の称呼及び「宝石の質量を表す単位」等の観念を共通にするものであり、また、外観についても、本願商標の要部である「CARAT」の文字部分と引用商標1の文字部分とは、その綴り字を共通にすることから、外観上、近似した印象、連想等を生じさせるおそれがあることは否定できない。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、その称呼及び観念において共通し、また、外観についても、近似した印象を与えるものであるから、互いに類似する商標というべきであり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標1に係る指定役務と同一又は類似のものである。
次に、本願商標と引用商標2とを比較すると、両者は、「カラット」の称呼及び「宝石の質量を表す単位」等の観念を共通にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、その外観において相違するとしても、称呼及び観念を共通にするものであるから、互いに類似する商標というべきであり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標2に係る指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は請求人の商号であり「株式会社TheCarat」の役務表示として認識看取し、取引に供されるものと認められ、本願商標に接する一般取引者、需要者にあって、敢えて「THE」(ザ)を省略・略称して取引されることは無い旨主張する。
しかしながら、本願商標に接する取引者、需要者が、本願商標の構成のみを見て、常に請求人の商号を想起すると認めるに足りる証拠はなく、本願商標中の「THE」を省略・略称して取引されることは無いということはできない。
また、請求人は、本願の指定役務は「広告,商品の販売に関する情報,かばんや身の回り品や宝玉や時計の小売・卸売の業務における顧客に対する便益の提供」であり、取引者・需要者にあっては、乳幼児等若年者層が対象ではなく、取引に当たり商標を十分認識看取しての取引が通常であり、斯かる取引の実情を勘案するならば、本願商標は一連一体として特定し、容易に認識看取され取引に供されるものと認められる旨主張する。
しかしながら、今日において、テレビ・ラジオ等による音声を用いた宣伝・広告は広く行われているところ、このような宣伝・広告を受ける一般の需要者が、役務の提供者の正確な名称や商標について、常に細心の注意力を払っているともいえない。
さらに、請求人は、本願商標と同一又は類似と認められる商品・役務(類似群)には、英語の「THE」自体の商標が登録されており、該語自体は自他商品識別機能を有している旨主張するが、請求人の挙げる過去の登録例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりなく、商標の類否判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
したがって、これらの点についての、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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