Trademark Appeal Case
結合商標の分離と記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−21799(T2009−21799/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Smart−CBプラン」の文字を標準文字により書してなり、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」を指定役務として、平成20年7月4日に登録出願されたものである。
2 引用商標
(1)原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願商標の拒絶の理由に引用された登録第4240172号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SMART」の欧文字を書してなり、1995年(平成7年)3月31日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張して平成7年9月28日に登録出願され、第36類「保険の代理又は媒介」を指定役務として、平成11年2月12日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)同じく、登録第4374891号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成10年12月11日に登録出願され、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」を指定役務として、平成12年4月7日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「Smart」及び「CBプラン」の文字を、「−」(ハイフン)を介して「Smart−CBプラン」と書してなるところ、その構成中、前半の「Smart」の文字部分と、後半の「CBプラン」の文字部分とは、視覚上、分離して看取されるばかりでなく、観念上も、全体として特定の意味合いを有するものとはいい難く、かつ、これら両文字を常に一体のものとして、把握しなければならない格別の事情が存するとも認め得ないものである。
(2)ところで、前半の「Smart」の文字部分が、「頭の良い、賢明な、気のきいた」等を意味する英語(甲第3号証)として親しまれているのに対し、後半の「CBプラン」の文字については、インターネットの検索エンジン「グーグル」で、該文字をキーワードとして検索したところ、例えば、以下のような意味合いを有する用語であることが確認できた。
ア 「マネジメント用語Weblio辞書」(http://www.weblio.jp/content/CB%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3)
「キャッシュ・バランス・プラン」の見出しの下、
「別名:CBプラン」、「【英】:Cash Balance Plan」、「キャッシュ・バランス・プランとは、国債利回りなどの指標利率に応じて目標運用利回りを設定し年金原資を積み立てる方式で、『確定給付型年金』の一種である。2002年4月から、金利連動型の新型の企業年金として可能となった。」との記載。
イ 「日本生命保険相互会社」(http://www.nissay.co.jp/words/ka/013.html)
「用語集」の見出しの下、
「キャッシュバランスプラン(キャッシュバランスプラン)平成14年5月より厚生年金基金(加算部分)および確定給付企業年金の給付設計において認められた、『確定給付型』と『確定拠出型』の両方の特長を併せ持つ給付設計のこと。加入者ごとに仮想個人勘定を設け、毎月の基準給与に一定割合を乗じた額(拠出クレジット)と、市場金利等の客観的な「指標」に基づく利率(再評価率)による利息額(利息クレジット)の累積額に基づいて給付額を算定する。」との記載。
ウ 「よくあるご質問−退職金の相談室−」(http://www.sepia.dti.ne.jp/sr.taisyokukin.com/qa.cashbalance.html)
「キャッシュバランスプランとは?」の見出しの下、
「Q キャッシュバランスプランとは?」、「A 確定給付型の年金制度ですが、確定拠出型の特徴も持っています。ハイブリッド型年金制度の中のひとつです。・・・」との記載。
エ 「モーニングスター[年金]」(http://www.morningstar.co.jp/moneyschool/pension/cp/cp02.html)
「企業年金講座」の見出しの下、
「キャッシュバランスプラン」、「企業側と従業員側の両者にメリットのある制度」、「キャッシュバランスプラン(CB)は、確定給付型と確定拠出型の両面の特徴を併せ持った企業年金制度であることから、ハイブリッド型(混合型)とも呼ばれています。長引く不況で積立金の運用が悪化したため、利息分を一定のルールのもとで変動させるキャッシュバランスプランの導入が増えてきています。」との記載。
(3)上記(2)のとおり、「CBプラン」の文字が、確定給付型の年金制度の一種を意味する用語であることが認められるところ、例えば、第一生命、三井生命、大同生命等の大手の生命保険各社が、確定給付型の企業年金を取り扱っていることからして、本願商標の指定役務との関係では、該語が、役務の提供の用に供するものを表していると容易に認識されるものであるから、「CBプラン」の文字は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、本願商標に接する取引者・需要者は、「CBプラン」の文字部分を省略し、「Smart」の文字部分のみを捉えて、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないものというべきである。
そうすると、本願商標は、その構成中の「Smart」の文字部分より、単に「スマート」の称呼をも生じ、「頭の良い、賢明な」等の観念を生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標1は、「SMART」の文字からなり、また、引用商標2は、別掲のとおり、ややデザイン化されているものの、容易に「smart」の文字からなるものと理解、認識できるものであるから、引用商標1及び2からは、いずれも「スマート」の称呼を生じ、「頭の良い、賢明な」程の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標1及び2とは、「スマート」の称呼及び「頭の良い、賢明な」の観念を共通にする類似の商標というべきであって、かつ、その指定役務も同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、ハイフン「−」を介在させた商標が、ハイフン「−」の前又は後の商標と非類似の商標と判断されていること、また、本願商標の全体より生ずる「スマートシービープラン」の称呼は11文字であるが、11文字以上の称呼を有する商標が多数登録されており本願商標だけが冗長であるとの判断は理由がない旨主張している。
しかしながら、商標の類否判断は個別になされるべきものであり、本願商標については前記の認定を相当とするものであるから、これらの請求人の主張は採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。