Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−4868(T2010−4868/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「GINZA EVE」の欧文字を標準文字で表してなり、第44類「エステティック美容,脱毛・美顔・痩身に関する美容,脱毛その他の美容に関する情報の提供,脱毛その他の美容に関する指導及び助言,その他の美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,栄養の指導,美容院用の機械器具の貸与,美容院その他への美容機器又は脱毛機の貸与」を指定役務として、平成20年10月30日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原審において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、それらの商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3356001号商標は、別掲のとおりの構成からなり、平成4年9月29日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供(アルコール飲料を主とする飲食物の提供,および茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供を除く),入浴施設の提供」を指定役務として、平成9年10月31日に設定登録されたものである。
(2)登録第4164138号商標は、「EVE」の欧文字を横書きしてなり、平成8年9月26日に登録出願、第42類「美容,理容」を指定役務として、平成10年7月10日に設定登録されたものである。
(3)登録第5201415号商標は、「イヴ」の片仮名文字と「EVE」の欧文字を上下二段に書してなり、平成20年1月9日に登録出願、第44類「美容,理容」を指定役務として、平成21年1月30日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本願商標は、前記1のとおり「GINZA EVE」の欧文字よりなるところ、その構成中の「GINZA」の文字と「EVE」の文字には、1文字分程度の間隔を有し、視覚的に分離した構成よりなるものである。
また、本願商標の構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等「GINZA」及び「EVE」の各文字を、常に不可分一体として観察しなくてはならない格段の理由は存在しないとみるのが相当である。
そして、その構成中「GINZA」の文字部分は、「東京都中央区にある繁華街」(広辞苑第六版)を意味する「銀座」をローマ字で表したものと容易に認識されるものであり、また、「EVE」の文字部分は、「祝祭日の前夜または前日,Adamの妻、 神が創造した最初の女性」(新グローバル英和辞典)等の意味を有する語である。
ところで、「GINZA」の文字は、本願の指定役務との関係においては、役務の提供場所、店舗の所在地であることを容易に認識させるものであることから、独立して自他役務の識別標識として機能しないか、あるいは自他役務の識別標識としての機能を有するものであるとしても、その機能は極めて弱いものであるといえる。
さらに、当審において、請求人の本願商標の使用について、職権調査をしたところ、請求人のインターネットホームページ(http://www.ki-esthe.co.jp/salon/omotesando/)の店舗紹介の項によれば、銀座において「GINZA EVE」、表参道において「OMOTESANDO EVE」の如く、「GINZA」及び「OMOTESANDO」の語が、それぞれの店舗の所在地を表すものとして使用されている事実が認められるところである。
そうとすると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、独立して、自他役務の識別標識としての機能を果たし得る「EVE」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体から生ずる「ギンザイブ」の一連の称呼のほか、該文字に相応して、単に「イブ」の称呼をも生ずるものであり、また、「祝祭日の前夜または前日, Adamの妻、神が創造した最初の女性」程の観念を生じるとみるのが相当である。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して、「イブ」の称呼、及び「祝祭日の前夜または前日, Adamの妻、神が創造した最初の女性」程の観念を生じるものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において相違するところがあるとしても、それぞれから生じる「イブ」の称呼及び「祝祭日の前夜または前日, Adamの妻、神が創造した最初の女性」程の観念を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定役務も同一又は類似のものである。
(2)請求人の主な主張について
ア 請求人は、本願商標が、標準文字の欧文字にて同書同大等間隔に一連一体であり、その外観・称呼・観念上強く、一種纏まりの認められる熟語的意味合いを有する創造語的商標と認められるものである。又本願指定役務取引界にあって、「GINZA」の文字が、当該指定役務の提供場所、役務を提供する店舗の所在地、本拠地等を表示するものとして一般に多数使用されている事情はなく、本願商標に接した一般取引者需要者が敢えて「EVE」として認識看取される特段の事情も認められない。よって、本願商標は、全体一連として識別力を有するので、その自然的称呼は「ギンザイブ」が唯一の自然的称呼であることは明らかである旨主張している。
確かに、請求人が主張するように、本願商標から生ずる称呼は、5音と比較的短い音構成からなるものではあるが、本願商標構成中の「EVE」の文字が、「前夜、前夜祭」あるいは「人類の祖アダムの妻イブ」等の意味合いを有するとしても、本願商標を構成する「GINZA」及び「EVE」の文字とが結びついて、広く知られた語義を形成するものとは認められず、また、「GINZA」の文字のみで「銀座祭」を表しているとする事実も認められないことからすれば、必ずしも、「銀座の前夜祭、銀座祭の前夜」の如き意味合いを看取させるものとは言い難い。
そして、上記(1)のとおり、「GINZA」の文字は、日本でも有数の繁華街を表すものであり、本願の指定役務を提供する業種、業界も数多く存在するその指定役務との関係においては、「EVE」の銀座店であること、すなわち、本願請求人の取扱いに係る役務の提供場所、店舗の所在地として、理解される場合も決して少なくないものとみるのが相当であって、このことは、請求人のホームページ上での本願商標の使用の事実からも裏づけられるところである。
さらに、本願商標の構成は、「GINZA」及び「EVE」の文字間に、1文字分程度の間隔を有し、視覚的に明らかに分離した構成にあることからすれば、結局、本願商標からは、独立して、自他役務の識別標識としての機能を果たす「EVE」の文字部分を分離・抽出し、そこから生じる称呼、観念をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
そうすると、本願商標が一連一体として、識別力を有することを前提とする請求人の主張は採用することができない。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げて「斯かる先例は『GINZA』『銀座』の文字を接頭語として使用し全体一連一体の構成からなる商標は全体として、自他役務(商品)識別の機能を発揮し取引に供されているものと認められる一証左である」旨主張しているが、いずれの登録例も、商標の構成態様及び指定役務等において、本願とは事案を異にするものであるから、本願商標と引用商標との類否判断において、参考とすることはできない。
よって、請求人の前記主張も採用することができない。
(3)結論
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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