Trademark Appeal Case
公序良俗と大学名称
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−24147(T2009−24147/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「保険ショップ大学」の文字を書してなり、第35類「保険代理店に対する経営の指導及び助言,店舗の開業・経営に関する指導及び助言」及び第41類「保険に関する知識の教授,保険に関するセミナーの企画・運営又は開催,保険業務知識研修会の企画・運営又は開催,人材育成のための教育訓練」を指定役務として、平成20年12月24日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定において、「本願商標は、『保険ショップ大学』の文字よりなるところ、その構成中に学校教育法に規定する『大学』の文字を有してなるものであるが、その認可を受けているものとは認められない出願人がこれを商標として採択使用することは穏当でなく、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「保険ショップ大学」の文字からなるものである。
そして、その指定役務中、「知識の教授,教育訓練」には、学校教育法で定める学校等が教授し又は教育する役務が含まれるものである。
(2)ところで、商標法第4条第1項第7号は、「『公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標』は,商標登録を受けることができないと規定する。ここでいう『公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標』には,1 その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合,2 当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも,指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反する場合,3 他の法律によって,当該商標の使用等が禁止されている場合,4 特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合,5 当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合,などが含まれるというべきである。」(知財高裁 平成17年(行ケ)第10349号判決)に照らし、判断すべきものである。
そして、本願商標が、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形ではなく、社会の一般的道徳観念に反するものでないことは明らかであるとしても、他の法律によって、その使用等が禁止されているものである場合や、その指定役務について使用することが社会公共の利益に反する場合には、商標登録を受けることができないものといわなければならない。
(3)学校教育法第135条第1項によれば、専修学校、各種学校その他第1条に掲げるもの(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校)以外の教育施設は、同条に掲げる学校の名称又は大学院の名称を用いてはならない旨の規定をしている。
そうとすると、本願商標は、その構成中に「大学」の文字を含むものであり、「大学」の名称は、前記のとおり、学校教育法に基づき文部科学大臣が定める設備、編制その他に関する設置基準に従って設置された教育施設、以外の教育施設は、用いてはならない名称であるから、同法に基づく正規の手続によって「大学」の設置の認可を受けているものとは認め難い請求人が、「大学」の文字を含む本願商標を使用する場合においては、あたかも学校教育法により設置の認可を受けている教育施設であるかの如き印象を抱かせるものであり、一般世人をして誤信せしめ、他の教育施設等の社会的信頼を失わせることにもなり、ひいては社会公共の利益に反するおそれがあるものといわなければならない。
(4)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。