1 本願商標
本願商標は、「夢浮橋」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年3月11日に登録出願されたものである。
その後、指定商品及び指定役務については、当審における平成22年5月21日付け及び同23年2月2日付け手続補正書により、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,ダウンロード可能な家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラム,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,コンピュータゲームソフトウェア」及び第41類「コンピュータネットワークを介したゲームの提供に関する情報の提供,コンピュータネットワークを介したゲームの提供,移動体電話による通信を用いたゲームの提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『夢浮橋』の文字よりなるところ、これは、平安中期に紫式部によって書かれたとされる『源氏物語』の最終巻の巻名として広く知られている。また、文学作品を題材とした映画やドラマ・演劇等の作品が多数制作されているところ、その題号として、その題材とした作品の題号をそのまま用いる場合も多数あり、本願商標を構成する『夢浮橋』も、例えば能の作品名として用いられていることからすれば、本願商標を、その指定商品中、上記著作物に照応した内容からなる家庭用テレビゲームおもちゃ・電子計算機用プログラム、映写フィルム・録画済みビデオディスク及びビデオテープ・電子出版物といった商品、又はその指定役務中、上記著作物に照応した内容からなるゲームや画像等の提供及びこれらの役務に関する情報の提供といった役務について使用した場合には、商品の品質又は役務の質を表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「夢浮橋」の文字よりなるところ、これが「源氏物語」最終巻の名で、能の作品名として使用されている事実があるとしても、補正後の指定商品又は指定役務との関係において、直ちに商品又は役務の内容を表示するものとまではいえないというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、これをその指定商品又は指定役務について使用しても、商品の品質又は役務の質等を表示するものといえず、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれはないものである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の理由は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。