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Trademark Appeal Case

称呼の長音有無と類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−10971(T2010−10971/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第10類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年3月31日に登録出願されたものである。

そして、指定商品については、当審における平成22年5月21日付けの手続補正書により、第10類「医療用カテーテル・ステント並びにその部品及び附属品,ガイドワイヤ・血管ガイドワイヤ・経皮的冠動脈形成術(PTCA)用ガイドワイヤ・その他のガイドワイヤ並びにそれらの部品及び附属品」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標(以下、これらを一括していうときは「引用各商標」という。)は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5080028号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:シーオン(標準文字)

登録出願日:平成16年7月27日

設定登録日:平成19年9月28日

指定商品:第10類「医療用機械器具」

(2)登録第5080029号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:シーオンPMMA(標準文字)

登録出願日:平成16年7月27日

設定登録日:平成19年9月28日

指定商品:第10類「医療用機械器具」

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、「SION」の欧文字4字を横書きし、3字目の「O」の中に「紫苑」の漢字を縦書きに表示してなる構成よりなるところ、「紫苑」の文字が、例えば、「広辞苑 第六版」(岩波書店)において、「しおん」の見出し語の下に、「キク科の多年草。シベリア・モンゴルなどアジア北東部の草原と西日本に広く分布。」などと記載されている語であることも考慮すると、本願商標は、その構成全体から、「シオン」の称呼を生じ、「キク科の多年草である紫苑」の観念を生ずるものとみるのが自然である。

他方、前記2のとおり、引用商標1は、「シーオン」の文字よりなるところ、該文字に相応して「シーオン」の称呼を生ずること明らかであり、特定の観念を生じるものでもない。

同じく、引用商標2は、「シーオンPMMA」の文字よりなるところ、その構成中の「シーオン」は片仮名文字、「PMMA」は欧文字よりなるという文字種の差異を有することや、該商標を一連に称呼した場合の「シーオンピーエムエムエー」がやや冗長であることから、「シーオン」と「PMMA」の文字が分離して看取され得るものであり、これよりは、「シーオンピーエムエムエー」のほか、「シーオン」及び「ピーエムエムエー」の称呼が生じ、特定の観念は生じないとみるのが相当である。

そこで、本願商標と引用各商標とを比較すると、両商標はそれぞれ前記のとおりの構成よりなることから、外観においては区別し得るものである。

次に、称呼においてみると、本願商標から生ずる「シオン」の称呼と引用各商標から生ずる「シーオン」の称呼とは、語頭の「シ」の音の次に長音の有無の差異を有するものであるが、共に短い3音と4音の音構成であることからすれば、長音の有無の差異が、両称呼に及ぼす影響が決して小さいものとはいえない。

また、本願商標は、構成音数の短さと相俟って、「シオン」と一息に短く称呼されるのに対し、引用各商標においては、長音の前の音は比較的強く発音されることからすれば、「シーオン」の文字部分が一連に称呼されるとしても、「シー」と「オン」を区切り、それぞれが明確に発音して称呼されるというのが自然である。

そうすると、「シオン」と「シーオン」の称呼をそれぞれ一連に称呼した場合は、その語調、語感が異なり相紛れるおそれはないものというべきである。

そして、本願商標から生ずる「シオン」の称呼と、引用商標2から生じる「シーオンピーエムエムエー」又は「ピーエムエムエー」の称呼とは、明らかに相紛れるおそれはないものである。

さらに、観念においてみると、前記のとおり、引用各商標から特定の観念を生じ得ないものであるから、本願商標との観念上の差異を比較することはできない。

してみれば、本願商標と引用各商標は外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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