1 本願商標
本願商標は、「ECHIRE」(語頭と語尾の「E」にはアクサン・テギュがある。以下、同じ。)の文字を普通に用いられる方法で書してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成21年3月13日に登録出願され、指定役務については、平成22年1月6日付け及び平成23年1月25日付け手続補正書により、第35類「飲食料品(但し,食用油脂,乳製品,乳幼児用粉乳,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,乳清飲料を除く。)の小売又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ECHIRE』の文字を横書きにしてなるところ、この文字はフランス国の中西部にあるドゥ・セーブル県エシレ村を表す文字と認められるから、これを本願指定役務中『エシレ村において生産される飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供』に使用するときは、取扱商品の産地を表示するにとどまるものであり、役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認められるので、本願商標に自他役務識別標識としての機能を認めることはできない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ECHIRE」の文字を書してなるところ、該文字が、フランスの地名である「エシレ村」を意味するものであるとしても、我が国において、一般に広く認識されている地名とはいい難いものである。
また、当審において、職権を持って調査したところ、新聞記事等において、エシレ村で作られるエシレバターについての記事が散見されるものの、「ECHIRE」又は「エシレ」の文字が本願の指定役務との関係において、その取扱商品の産地を具体的に表すものとして、取引上一般に使用されている事実は発見することができなかった。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、当該役務の取扱商品の品質(産地)を表し、当該役務の質を表示するものとはいえず、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきであり、かつ、役務の質の誤認を生ずるおそれもないというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消を免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。