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結論

勝訴(請求認容)

第3条第1項第3号「略語と一般語の結合の識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2010−8968(T2010−8968/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2010−8968(T2010−8968/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
略語と一般語の結合の識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2010−8968(T2010−8968/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「略語と一般語の結合の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「MSDS NAVI」の欧文字を横書きしてなり、第9類「コンピュータプログラムその他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成21年4月19日に登録出願されたものである。

そして、指定商品については、原審における同21年10月2日付け手続補正書により、第9類「化学物質安全性データシート又は製品安全データシートに関するコンピュータプログラム」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『MSDS NAVI』の文字を書してなるところ、該文字は、指定商品との関係において、『化学物質安全性データシート又は製品安全データシートに関する情報検索のためのコンピュータプログラム』を意味するものと認められるため、これをその指定商品に使用した場合は、単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「MSDS NAVI」の欧文字を同じ書体、同じ大きさをもって外観上まとまりよく一体に表してなる構成からなるところ、その構成中の「MSDS」の文字は、「化学物質等安全性データシート(Material Safety Data Sheet)。化学物質排出把握管理促進法によって、特定の化学物質を含む一定の製品について、添付が義務づけられる。」(「アルファベット略語便利辞典」株式会社小学館 2006年11月10日発行)として知られるものである。

一方、その構成中の「NAVI」の文字は、「経路誘導」及び「航海術。航空術」を意味する「ナビゲーション」の略語及び「航法士。航海士」及び「自動車のラリーで、速度や方向を指示する同乗者」を意味する「ナビゲーター」の略語である「ナビ」(「ネットでよくひくカタカナ新語辞典」株式会社三省堂 2004年4月10日発行)の語を欧文字表記したものとして理解されるものの、該「NAVI」の文字から、原審説示のように「情報検索」の意味合いを生ずるものとはいえず、職権において調査するも、これを認めるに足る事実を発見することができない。

したがって、「MSDS」及び「NAVI」の両文字を組み合わせた「MSDS NAVI」の文字からは、原審説示のように「化学物質安全性データシート又は製品安全データシートに関する情報検索のためのコンピュータプログラム」の意味合いを直ちに認識させるとはいい難く、かつ、「NAVI」の文字を上記の意味合いのうち、より指定商品との関連性が高いと考えられる「経路誘導」を表すものとしてみた場合においても、これと「MSDS」の文字との組み合わせた構成においては、「化学物質安全性データシートの経路誘導」程度の意味合いを看取させるにすぎず、直ちに特定の商品の品質等を表すものともいい難いものであるから、本願商標は、本願の指定商品との関係において、特定の商品の品質等を直接的、かつ、具体的に表示するものとも認められないものである。

そして、当審において調査するも、本願商標を構成する文字が、本願の指定商品である「化学物質安全性データシート又は製品安全データシートに関する情報検索のためのコンピュータプログラム」について、特定の品質等を表示するものとして取引上普通に使用されている事実を発見することはできない。

その一方で、請求人の提出した平成22年7月13日付けの手続補足書中の甲第3号証及び甲第4号証によれば、請求人である日本ケミカルデータベース株式会社と株式会社ホンダヱンジニアリングが生産、販売するコンピュータプログラムの名称として「MSDS NAVI」の欧文字を使用している事実が、パンフレット及び業界紙の広告の掲載から認められることからすれば、「MSDS NAVI」の文字は、本願の指定商品の取引者・需要者において、請求人の業務に係る商品に使用する商標として、一定程度認知されているものと認められる。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質等を表示したにすぎないものとして認識されるのではなく、その全体をもって、請求人の商品の名称を表示したものとして、認識し把握されるとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質を表示するものではなく、自他商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものとはいえず、取り消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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