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Trademark Appeal Case

不使用取消審判の証拠認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−300380(T2010−300380/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4825758号商標(以下「本件商標」という。)は、「ダイキ」の片仮名文字と「DAIKI」の欧文字とを太字をもって二段に横書きしてなり、平成16年4月1日に登録出願、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,芝刈機の貸与」を指定役務として同年12月17日に設定登録されたものであり、現に、有効に存続しているものである。

2 請求人の主張(要旨)

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定役務中の「医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定役務中、「医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

(ア)乙第4号証(ダイキ新宮店の写真)は、日付が客観的に示されておらず、使用事実を示す証拠として認められるべきではない。当該写真に示されている看板の取り付け作業は、他企業の取り付け業者によって施工されたものと考えられるから、その取り付け業者からの報告書を提出できるはずであるが、これが提出されていない。また、乙第4号証の写真5に写し出されている貼り紙は、そのデザイン性を考えると極めて不自然である。そして、これらについて証言しているダイキ新宮店の店長の報告書(乙第10号証)は、被請求人と極めて強い利害関係がある社員によるものであるから、証拠としての信頼性及び客観性に欠けるものである。

(イ)乙第5証のホームページについても、ホームページ更新業者からの報告書を提出できるはずであるが、これが提出されていない。また、乙第11号証のメールの内容は、ホームページに示された内容との関係が全く不明であり、被請求人による本件商標の使用事実を示す証拠とはなり得ない。このような使用事実があるのであれば、当該メールの相手先である(株)日広工房映像美術部による報告書を提出できるはずであるが、これが提出されていない。

(ウ)乙第12号証(ダイキ新宮店のちらし)については、客観的な日付の立証がなされていない。このようなちらしは、被請求人がプリンタを用いていつでも簡単に作成できるものであり、このようなちらしに記載されている日付は信頼性・客観性に欠ける。また、このようなちらしの作成は、他企業であるちらし作製業者に依頼しているものと思われ、当該業者からの報告書を提出できるはずであるが、これが提出されていない。

また、このちらしは、「医薬品販売」についてのものであり、本件商標の使用事実を示すものではない。

(エ)その他、乙第6号証(ダイキ新宮店のちらし)は、本件審判請求の予告登録以前の使用を示すものではない。乙第2号証の薬事開設許可証は、本件商標の使用事実とは無関係である。乙第8号証(ダイキ新宮店の店舗図面)は、日付が客観的に立証されておらず、本件商標の使用事実を示す証拠とはならない。また、店内の図面であり、本件商標の使用事実を示すものではない。乙第9号証は、医薬品の仕入れ伝票であり、これを基に調剤を行っていたとすることはできない。また、この仕入れ伝票には、本件商標は使用されていない。

(オ)上述したように、被請求人が提出した全ての証拠は、信頼性及び客観性がなく、本件商標の使用事実を示す証拠として認められるべきものではない。

したがって、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定役務中の「医業、医療情報の提供、健康診断、歯科医業、調剤」についての登録は取り消されるべきものである。

3 被請求人の主張(要旨)

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。

本件商標は、取消請求に係る指定役務中の「調剤」について、取消請求以前より使用されているものであるから、本件審判請求には理由がない。

(1)被請求人の概要

被請求人は、愛媛県松山市に本社を有し、1963年12月設立、DIY商品の販売、増改築、造園工事のほか広範な事業を営んでおり、中国、四国から近畿エリアの瀬戸内海沿岸各県に、平成22年4月現在、167店舗出店し、同社の基本商標「ダイキ/DAIKI」は、上記地域を中心に、周知・著名なものとなっている。そして、平成21年3月に、ドラッグ・調剤を中心とする事業を営んでいた株式会社オージョイフルを吸収合併し、以来、ダイキとして引き続きその事業を展開し現在に至っている(乙第3号証)。

(2)本件商標の使用の概要

被請求人は、平成21年3月1日に、調剤部門を開設し、以来、取消請求に係る指定役務中の「調剤」について、本件商標を電磁的方法によりその映像面に表示し、さらに、当該役務に関する広告に使用して現在も継続して使用している(商標法第2条第3項第7号、第8号)。

(ア)乙第4号証は、ダイキ新宮店(和歌山県新宮市下田2−2−18)の写真であって、遠方からの全景(写真1)、メイン入り口(写真2、写真3)、薬・調剤の処方せん専用入口(写真4:別掲1)、処方せん受付(写真5)、調剤室(写真6)など各所の写真であり、乙第8号証は、ダイキ新宮店の内部を示す図面である。これらにより、商標「DAIKI」のもとに調剤サービスが提供されている事実が示されている。

(イ)被請求人(商標権者)のホームページには、その展開にかかる全店の詳細に関する記事が掲載されており、乙第5号証は、ダイキ新宮店の記事である。この記事中には、「園芸用品、ペット用品、DIY用品などのほか、ホームセンターの枠を超え医薬品、保険調剤、化粧品、日用品などHBC(ヘルス、ビューティ、ケア)を取り扱っております」と記載されている。このホームページ自体は、本件審判請求を受けた後の平成22年5月31日付でコピーされたものであるが、同店で、調剤を行ってきた平成21年3月以降掲載されているものである。乙第11号証(株式会社日広工房映像美術部との間における電子メールによる通信記録の写し)により、同店のホームページの修正、アップの経過に関するやり取りが示されており、少なくとも、平成21年10月28日には、この内容でホームページに掲載されていた事実が証明されている。

(ウ)乙第12号証は、本件商標権者が展開するダイキ新宮店における平成22年3月4日から8日の売り出しに係るちらしである。このちらしのおもて面左上部には、「ダイキ/DAIKI」の商標が表示されている。裏面の右側端部の2段目には、「医薬品販売しております」なる文章の下に、2点の医薬品の写真、価格が掲載され、同5段目には、おもて面と同様、「ダイキ」「DAIKI」の商標が表示されている。

(エ)乙第6号証は、平成22年6月3日から7日の売り出しについてのちらしである。このちらしのおもて面左上部にも「ダイキ/DAIKI」の商標が表示されており、裏面の右側端部中央には、「医薬品販売しております」の文章の下に、4点の医薬品の写真と価格が掲載されている。このちらし自体は、現時点のものであるが、調剤サービスを含む医薬品について、「ダイキ」「DAIKT」の商標が継続的に使用されていることを示している。

(オ)被請求人(商標権者)がダイキ新宮店において「調剤」を行うことについては、新宮保健所長より、薬事法第4条第1項による薬局開設許可証を受けている(乙第7号証)。

(カ)同店の調剤に関する事業を行っている事実を示す資料の一例として、仕入れ伝票(乙第9号証)を提示する。平成22年3月31日の日付が記載されており、同時点で調剤サービスを行っていたことが示されている。

(キ)上記各証拠の成立、本件商標権者の調剤サービスの概要、同サービスについての本件商標の使用について、ダイキ株式会社新宮店店長舛屋伸男作成の報告書(乙第10号証)を提出する。

(3)使用商標と登録商標の同一性

乙第4号証に示すメイン入り口の巨大な看板や処方せん専用入口の写真に表わされている「DAIKI」の表示は、調剤サービスに関する自他商品・役務識別標識としての商標「DAIKI」の使用を構成することはいうまでもない。そして、該商標の使用は、商標法第50条括弧書きにより、登録商標と同一商標の使用であることも明らかである。

(4)むすび

以上、乙各号証に示される通り、被請求人は、本件取消請求にかかる指定役務中の「調剤」について、本件審判請求の予告登録前3年以内に本件商標を使用している事実が証明されている。

4 当審の判断

被請求人は、本件商標を取消請求に係る指定役務中の「調剤」について使用しているとして、乙第3号証ないし同第12号証を提出している。

ところで、「調剤」なる用語の定義は必ずしも明確ではないが、近年においては、単に、薬剤を調製する行為にとどまらず、患者が誤った薬物の服用をしないように、投薬・服薬指導、情報提供等の行為までをも含む広義の意味合いのもとに理解されているが(例えば、日本薬剤師会編「調剤指針(第十二改訂)」参照)、狭義には「一定の処方に従って1種類以上の薬品を配合し、または1種の薬品を使用して、特定人の特定の疾病に対する薬剤を調製すること」をいうものとみることができる。

そこで、被請求人が少なくとも、狭義における「調剤」なる役務を行っていたか否かについて検討する。

(1)乙各号証について

乙第3号証は、被請求人会社のホームページである(2010年6月6日打ち出し)。会社概要として、被請求人であるダイキ株式会社は、愛媛県松山市に本社を置き、1963年12月に設立され、DIY商品の販売、増改築、造園工事等を営んでおり、2010年4月現在167店舗を有しており(その中には、後述するダイキ新宮店も記載されている。)、平成21年3月には株式会社オージョイフルを吸収合併したものである旨の記載がある。

また、乙第5号証は、被請求人会社のホームページ中のダイキ新宮店について紹介ページである(2010年5月31日打ち出し)。そこには、「園芸用品、ペット用品、DIY用品などのほかホームセンターの枠を越え、医薬品、保健調剤、化粧品、日用品などHBC(ヘルス、ビューティ、ケア)を取り扱っております。」の記載がある。

そして、乙第10号証は、ダイキ株式会社新宮店の店長作成に係る平成22年5月31日付けの「報告書」である。これには、「ダイキ新宮店は、株式会社オーマートの新宮店としてスタートし、平成14年8月21日、株式会社オージョイフル新宮店となり、平成21年3月1日、ダイキ株式会社と合併し、ダイキ新宮店となり、現在に至っているが、その間、同店の薬局では、医薬品の販売のみならず調剤も行ってきた」旨の記載がある。

乙第4号証は、ダイキ新宮店の写真である(撮影者:松坂正則、撮影日:平成22年5月13日)。メイン入り口の写真(写真2、写真3)には、青色の巨大なゲートの上部中央に白抜きで「DAIKI」の文字が大きく表示されている。店舗全景写真及びその部分拡大写真(写真1、写真4)には、左側の側面壁の上部に「DAIKI」の文字と「ドラッグ」の文字が表示されており、その下に、「薬・調剤」の文字と「処方せん受付」の文字が大きく表わされている。また、「ドラッグ」の文字の下部の半円形の軒屋根の側面には、青色の地に白抜き文字で「処方せん専用入口」と表示されており、店内調剤室(写真5、写真6)にも、「DAIKI」の文字と「処方せん受付」の表示があり、調剤室内には、患者のカルテの保存棚、薬品棚、作業机等が写っていることが認められる。

乙第6号証は、ダイキ新宮店等のちらしである。広告の期間として「6/3(木)〜7(月)」の記載があることから、該ちらしは、平成22年6月3日から7日において有効なちらしと認められるものであり、ちらしのおもて面左上部には、「ダイキ」「DAIKI」の商標が表示されており、裏面の右側端部中央には、「医薬品販売しております」とあり、4点の医薬品の写真と価格が掲載されている。

乙第7号証は、平成21年2月16日付けで新宮保健所長が証明した「薬局開設許可証」と題する書面である。ダイキ株式会社のオージョイフル新宮薬局が薬事法第4条第1項の規定により開設の許可を受けた薬局であり、その有効期間は、平成21年3月1日から平成27年2月28日までとなっていることが認められる。

乙第8号証は、ダイキ新宮店の店舗内部を示す図面であり、各種商品の配置図をはじめ調剤室や薬品部門等々の店舗全体の配置が示されている。

乙第9号証は、平成22年3月31日付の「仕入れ伝票」6枚からなるものであり、ダイキ株式会社が株式会社ケーエスケー新宮支店から品名欄に記載の医薬品を仕入れていたものと認められる。仕入れ伝票の品名欄に記載されている医薬品をインターネットの検索エンジンを使い職権により調査したところによれば、例えば、最初の仕入れ伝票の一件目の医薬品である「ヘルベッサー錠 30」は、高血圧や狭心症の治療に用いられる薬であり、また、二件目の医薬品である「タンニン酸アルブミン原末」は、腸の炎症をしずめる薬であって、整腸薬など他の粉薬と混ぜて調合することも多いものであることが認められる(なお、医薬品の用途・効能や作用、特徴、注意点、副作用情報等については、インターネットの検索サイトにより、請求人においても容易に確認し得ることである。)。

乙第11号証は、平成21年10月27日及び同月28日付のダイキ株式会社(今井及び西村)と株式会社日広工房映像美術部(中川及び藤堂)との間における電子メールによる通信記録の写しであり、ダイキ株式会社の店舗数の修正や店舗住所一覧の修正、店舗ページ内の紹介文の修正等を含むダイキ株式会社のホームページを本番環境へアップしたことが記載されている。

乙第12号証は、ダイキ新宮店等のちらしである。広告の期間として「3月4日(木)〜3月8日(月)」の記載があることから、該ちらしは、平成22年3月4日から8日において有効なちらしと認められるものであり、ちらしのおもて面左上部には、「ダイキ」「DAIKI」の商標が表示されており、裏面の右側端部の2段目には、「医薬品販売しております」とあり、2点の医薬品の写真と価格が掲載されている。

(2)「調剤」の役務についての使用の事実について

(ア)上記において認定したところによれば、被請求人であるダイキ株式会社は、DIY商品の販売、増改築、造園工事等を営む会社であるが、平成21年3月に、医薬品の販売や保健調剤をも行っている株式会社オージョイフル新宮店を含む株式会社オージョイフルを吸収合併したものであることが認められる(乙第3号証及び乙第5号証)。

そして、被請求人のダイキ新宮店(オージョイフル新宮薬局)は、平成21年3月1日から平成27年2月28日までを有効期間として、薬事法第4条第1項の規定により薬局の開設許可を受けていたことが認められる(乙第7号証)。薬局の開設許可が与えられているということは、少なくとも、薬事法第4条の許可の前提である薬事法第5条で定められている許可の基準の一つである「その薬局において医薬品の調剤及び販売又は授与の業務を行う体制が厚生労働省令で定める基準に適合していた」ものと推認し得るところであり、現に、乙第4号証の店舗写真によれば、店舗メイン入り口の左側には、「処方せん専用入口」と表示されており、その入り口の左には「薬・調剤」の文字と「処方せん受付」の文字が大きく表わされており、店舗内の調剤室にも「処方せん受付」の表示があり、調剤室内には、患者のカルテの保存棚、薬品棚、作業机等が写っていることが認められる。

そしてまた、乙第9号証(仕入れ伝票)によれば、被請求人のダイキ新宮店(オージョイフル新宮薬局)は、平成22年3月31日に、株式会社ケーエスケー新宮支店から仕入れ伝票の品名欄に記載の医薬品を仕入れていたことが認められるところ、上記において認定したとおり、最初の仕入れ伝票の一件目の医薬品である「ヘルベッサー錠 30」は、高血圧や狭心症の治療に用いられる薬であり、二件目の医薬品である「タンニン酸アルブミン原末」は、腸の炎症をしずめる薬であって、整腸薬など他の粉薬と混ぜて調合することも多いものであることが認められる。

そして、これらの薬の用途、作用、副作用情報、注意事項等をみれば、これらの薬は、大衆薬(医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品)ではなく、医師(歯科医師)の処方箋もしくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品(医療用医薬品)とみるのが相当であり、薬局における調剤業務に用いられる医薬品と認められるものである。

そうとすれば、被請求人のダイキ新宮店(オージョイフル新宮薬局)は、薬局の開設許可を受けており、本件審判の請求の登録(平成22年4月23日)前3年以内である平成22年3月31日に、調剤業務に用いられるものと認められる「タンニン酸アルブミン原末」等の医薬品を株式会社ケーエスケー新宮支店から仕入れていたことが認められるから、被請求人は、少なくともこの当時、ダイキ新宮店のオージョイフル新宮薬局において、「調剤」の役務を行っていたものとみるのが自然である。

(イ)使用に係る商標について

本件商標は、前記したとおり、「ダイキ」の片仮名文字と「DAIKI」の欧文字とを二段に横書きしてなるところ、被請求人がダイキ新宮店において使用している商標は、別掲1の写真に見えるとおり、「薬・調剤/処方せん受付」の表示の上方に表示されている別掲2のとおりの構成からなる商標である。

しかして、別掲(1)に示した状態において使用されている商標は、商標と「調剤」及び「処方せん受付」の文字とが一体的な関係のもとに表示されているものと認められるから、「調剤」の役務についての商標の使用と認められるものである(商標法第2条第3項第8号)。そして、別掲(2)に示した商標は、「DAIKI」の文字が大きく表されているところ、「DAI」の文字の上部には、小さく「HOME CENTER」の文字が配されており、「KI」の文字の「I」の文字の上部には、小さく赤丸が配されてはいるが、「HOME CENTER」の文字は、同店の全般的な業務内容を示す一般的な用語を付記したものであり、また、赤丸は装飾的なものと認められるから、その要部は、「DAIKI」の文字部分にあるものとみるのが相当である。そして、別掲(2)に示した商標は、片仮名文字部分が併記されていないという点において本件商標とは構成を異にするものではあるが、「ダイキ」の片仮名文字は「DAIKI」なるローマ字の自然な読みを表したと認められるものであって、「ダイキ」の片仮名文字が併記されていなくても、本件商標の有する識別機能に影響を与えるものとはいえないから、被請求人(ダイキ新宮店)の使用に係る別掲(2)に示した商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

(3)請求人のその他の反論について

請求人は、乙第4号証の写真及び乙第8号証の配置図の日付が客観的に示されていないこと、乙第5証のホームページについてはホームページ更新業者からの報告書が提出されていないこと、乙第6号証のちらしは本件審判についての要証期間内のものではないこと、乙第10号証は被請求人の社員による報告書であって信頼性及び客観性に欠けること、乙第11号証のメール内容は乙第5号証のホームページに示された内容との関係が不明であること、乙第12号証のちらしは、ちらし作製業者からの報告書もなく、客観的な日付の立証がなされていないこと等を挙げて反論している。

(ア)しかしながら、乙第4号証のダイキ新宮店の写真については、答弁書において、「撮影者が松坂正則であり、撮影日は平成22年5月13日である」旨明記されており、上記において認定判断したとおり、ダイキ新宮店のオージョイフル新宮薬局においては調剤の役務を行っていたものと認められることを併せみれば、乙第4号証の成立に疑問を抱かせるところは見当たらない。そして、乙第4号証自体は、その写真の撮影年月日からみて、本件審判についての要証期間内における使用の事実を示す証拠とはいえないが、少なくとも、被請求人のダイキ新宮店(オージョイフル新宮薬局)が株式会社ケーエスケー新宮支店から「タンニン酸アルブミン原末」等の医薬品を仕入れていた平成22年3月31日当時においても、ダイキ新宮店は、乙第4号証の写真に写し出されている状態にあったものとみるのが自然であり、これに反する証拠は提出されていない。

(イ)乙第3号証及び乙第5号証のホームページについては、株式会社オージョイフルが吸収合併された2009年3月の後である2009年10月28日付けで、店舗数の修正や店舗住所一覧の修正、店舗ページ内の紹介文の修正等を含むダイキ株式会社のホームページを本番環境へアップしたことが乙第11号証により示されていることからみれば、被請求人のホームページは、少なくとも、2009年10月28日以降、該ホームページが打ち出された2010年6月6日当時においては、乙第3号証及び乙第5号証に示されている状態において閲覧可能なものであったとみるのが自然である。

(ウ)乙第6号証のちらしは、本件審判についての要証期間内のものとはいえないが、乙第12号証のちらしについては、広告の期間として「3月4日(木)〜3月8日(月)」の記載があることから、該ちらしは、本件審判についての要証期間内である平成22年3月4日から8日において有効なちらしとして配布されたものとみるのが自然である。そして、該ちらしは、大衆薬(医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品)の販売についての広告であるから、被請求人が「調剤」の役務を行っていたことを直接的に示す証拠とはいえないとしても、乙第4号証の写真に示されているダイキ新宮店の店頭に掲げられている「ドラッグ/薬・調剤」の事業を被請求人(ダイキ新宮店)が現に行っていたことを推認させるものということができる。そして、この点についても、他の乙各号証と併せみれば、その成立に疑問を抱かせるところは見当たらない。

(エ)乙第10号証は、ダイキ株式会社新宮店の店長作成に係る報告書であり、請求人が主張するように、被請求人会社の社員による報告書ではあるが、少なくとも、事実関係についての記述については、他の乙各号証に照らしてみても不自然なところは認められず、これが使用の事実を証明する唯一の証拠であれば別にして、他の乙各号証についての説明的・補強的な証拠としてみることは可能なものということができる。

(オ)そうとすれば、請求人の主張は、いずれも採用できない。

(4)まとめ

以上のとおり、乙第3号証ないし乙第5号証、乙第7号証ないし乙第9号証を基にその他の乙各号証を総合してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る指定役務中の「調剤」の役務について使用していたことを証明したものということができる。

したがって、本件商標の指定役務中の「医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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