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Trademark Appeal Case

不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−300530(T2010−300530/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4805700号商標(以下「本件商標」という。)は、「FFC」の文字を標準文字で表してなり、平成13年3月14日に登録出願、第37類「電子応用機械器具設置工事,電気工事,電気通信工事,建築一式工事,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守,電気通信機械器具(電話機械器具・放送用機械器具を除く。)の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守」を含む、第9類、第35類、第37類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年9月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標は、その指定役務第37類中『電子応用機械器具設置工事,電気工事,電気通信工事,建築一式工事』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。

商標権者は、本件商標をその指定役務第37類中「電子応用機械器具設置工事,電気工事,電気通信工事,建築一式工事」について継続して3年以上日本国内において使用しておらず、また、本件商標については専用使用権及び通常使用権のいずれもが登録されておらず、これら登録された使用権者が本件商標を前記各指定役務について使用しているとも認められない。

したがって、本件商標は、その指定役務中、前記指定役務についての登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第10号証を提出した。

1 本件審判請求が成り立たない旨の理由

(1)本件商標の取消請求に係る指定役務の提供

被請求人は、平成17年11月20日に「建築工事業、大工工事業、屋根工事業、電気工事業、鋼構造物工事業、内装仕上事業、電気通信工事業」について許可を受け、同18年5月1日に「機械器具設置工事業」について許可を得て今日に至っている(乙第1号証)。

被請求人は、その業務の一つの柱として、エンジニアリング・サービスを行なっている(乙第2号証)。このエンジニアリングとは「資機材、設備、機械、貯蔵器機、電機・制御・IT等のハードウェアやソフトウェア、そしてそれらを実際に稼動運転させる人的資源(要員)などを統合Integrationして構築されたシステムを対象にして、その設計、要素調達、工事、運用を行う場合に、目的に最も適った機能を実現するように行う一連の活動」を意味する(乙第3号証)。すなわち、被請求人の行なうエンジニアリングサービスには「工事」が含まれている。

そして、被請求人が行なう工事はいわゆるIT等のハードウェアやソフトウェアを含んだものであるから、当然電子応用機械器具設置工事、電気通信工事、電気工事を含んだものであることは明らかである。

さらに、被請求人はロジスティックスソリューションとして物流センターの構築を行なってきた。被請求人は「物流センターの企画段階から稼働後のサポートにいたるまで、ワンストップソリューションを提供します。」「物流設備 物量/要件にそった運用設計のもと、最適な設備をエンジニアリングいたします。」「建物 運用に基づいた理想の物流センターを設計・監理・施工いたします。」と機械器具設置工事、電気工事、電気通信工事、建築一式工事等を行なっていることをうたっている(乙第2号証)。

現に、共用LAN拡張工事を2008年3月31日に請け負い2008年5月16日までの間当該工事を行なった(乙第4号証ないし同第6号証)。この工事の詳細な内容は見積書(乙第5号証)から明らかなように、光ネットワーク敷設工事、環境BOX設置工事、HUB取り付け工事等であって、電気工事、電気通信工事、電子応用機械器具設置工事にあたる。同じく、ネットワーク環境整備工事(生産系)を2008年3月25日に請け負い2008年5月16日までの間当該工事を行なった(乙第7号証ないし同第9号証)。この工事の詳細な内容は見積書(乙第8号証)から明らかなように、ネットワーク敷設工事、プリンタ設置工事等であって、電気工事、電気通信工事、電子応用機械器具設置工事にあたる。

これら実際の工事の内容からして、乙第2号証の被請求人のパンフレットにいう「エンジニアリング・サービス」「物流センターの企画段階から稼働後のサポートにいたるまで、ワンストップソリューションを提供します。」「物流設備 物量/要件にそった運用設計のもと、最適な設備をエンジニアリングいたします。」「建物 運用に基づいた理想の物流センターを設計・監理・施工いたします。」には機械器具設置工事、電気工事、電気通信工事、建築一式工事等の様々な工事が含まれることが裏付けられた。

以上述べた如く、被請求人は本件商標の取消請求に係る指定役務のいくつかを提供していたことは明らかである。

(2)本件商標の予告登録前3年以内の使用

被請求人は、1997年12月にその名称を株式会社FFCに変更し、2008年10月までこの名称であった(乙第10号証)。この間の被請求人のURLは「http://www.ffc.co.JP/」であった(乙第2号証)。

本件商標は、株式会社FFCから株式会社を除いた「FFC」をデザイン化したものである。

これらの事情を勘案すれば、取引の経験則上、本件商標は少なくても1997年12月から2008年10月までは本件商標が使用されていたことは明らかである。

さらに、裏表紙に「FFC000l−3 2008年6月AP」の記述から2008年6月に印刷されたことが明らかな乙第2号証の被請求人のパンフレットの表紙と裏表紙に本件商標が表示されている。したがって、少なくとも、2008年6月頃には本件商標が使用されていたことは明白である。そして、「(1)本件商標の取消請求に係る指定役務の提供」の項で詳述したように、この被請求人のパンフレットで同人が機械器具設置工事、電気工事、電気通信工事、建築一式工事等の様々な工事を行なっていることが述べられていた(商標法的にいえば広告がされていた。)。

以上述べたことから、2008年6月に本件商標が機械器具設置工事、電気工事、電気通信工事、建築一式工事等に使用されていたことは明らかである。

また、上述したように、2008年に実際に機械器具設置工事、電気工事、電気通信工事、建築一式工事等が行なわれていた。

したがって、本件商標が本件審判の予告登録前3年以内に使用されていたことは明らかである。

2 まとめ

以上述べたことからして、本件商標が本件審判の取消請求に係る役務ついて予告登録前3年以内に被請求人によって使用されていたことが客観的に証明された。

したがって、本件審判請求は成り立たないものである。

第4 当審の判断

1 乙各号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第10号証は、被請求人の沿革に係るウェブサイトの写しであり、被請求人(商標権者)は、1977年に設立された富士ファコム制御株式会社を前身とし、その後、1997年12月に株式会社FFCに社名変更し、2008年10月に株式会社FFCシステムズを株式会社FFCに統合し、社名を被請求人の現名称である「株式会社富士通アドバンストエンジニアリング」に社名変更したことが認められる。

(2)乙第1号証は、2010年6月16日付け印刷の被請求人のウェブサイトの写しと認められるところ、特定建設業の「建築工事業、大工工事業、屋根工事業、電気工事業、鋼構造物工事業、内装仕上工事業」及び一般建設業の「電気通信工事業」については、許可年月日にそれぞれ「平成17年11月20日」と記載され、同じく「機械器具設置工事業」については、許可年月日に「平成18年5月1日」と記載され、それぞれ、東京都知事による許可番号が記載されている。

(3)乙第2号証は、2008年6月付け発行の株式会社FFCのパンフレットと認められるところ、表紙の右上角部と裏表紙の中央部に本件商標と同一の商標が表記されている。また、3頁のやや上部の「サービス事業」の項に「エンジニアリング・サービス」が挙げられており、ロジスティクスソリューションの項(6ページ)には、「物流センターの企画段階から稼働後のサポートにいたるまで、ワンストップソリューションを提供します。」「物流設備 物量/要件にそった運用設計のもと、最適な設備をエンジニアリングいたします。」「建物 運用に基づいた理想の物流センターを設計・監理・施工いたします。」と記載され、13ページ下部の「エンジニアリングサービス」の項に「・特殊環境(屋外、工場現場、船舶や航空機)への設置」と記載されている。

(4)乙第3号証の1枚目及び2枚目は、2010年6月16日付け印刷の「三菱化学エンジニアリング株式会社のウェブサイトの写しと認められるところ、「エンジニアリング」若しくは「エンジニアリング産業」について、「資機材、設備、機械、貯蔵器機、電機・制御・IT等のハードウェアやソフトウェア、そしてそれらを実際に稼動運転させる人的資源(要員)などを統合Integrationして構築されたシステムを対象にして、その設計、要素調達、工事、運用を行う場合に、目的に最も適った機能を実現するように行う一連の活動を指します。」と説明されている。

また、同じく3枚目の「SPECの『エンジニアリング』とは」と題するウェブサイトの写しには、「広義的にエンジニアリングとは、人・材料・設備・機械などの統合されたシステムを対象とし、その設計・要素調達・工事運用を行う場合に生ずる結果が、与えられた諸目的に対して最適な形で実現するように行う『一連の活動』を言います。」「プロジェクトを結成し、生産設備の設計/建設」と記載されている。

(5)乙第4号証は、株式会社エフ・エフ・シー(株式会社FFC)のスバルシステム株式会社「矢島旧3ペイント工場」の「共用LAN拡張」に係る「注文書兼物品仮受領書」「検収票」「納品書」の各写しであり、乙第5号証は、上記LAN拡張に係る見積書の写しであり、乙第6号証は、上記LAN拡張に係る納入検収通知書及び物品受領書の各写しと認められるところ、

上記注文書兼物品仮受領書の発注年月日欄には、「2008/03/31」の記載があり、納期欄には「2008/04/30」の記載がある。

そして、乙第5号証の見積書1枚目(御見積書(A))には、「現地据付工事一式」と記載され、同2枚目(御見積書(B))には、当該据付工事に係る「光ネットワーク敷設作業」として「光ケーブル敷設」等の作業の詳細な見積りが記載されている。

(6)乙第7号証は、株式会社エフ・エフ・シー(株式会社FFC)の発注元は黒くマスキングされて明らかではないものの「3ペイント跡地ネットワーク環境整備工事(生産系)」に係る「注文書兼物品仮受領書」「検収票」「納品書」の各写しであり、乙第8号証は、上記整備工事に係る見積書の写しであり、乙第9号証は、上記LAN拡張に係る納入検収通知書及び物品受領書の各写しと認められるところ、上記注文書兼物品仮受領書の発注年月日欄には、「2008/03/25」の記載があり、納期欄には「2008/05/04」の記載がある。

そして、乙第8号証の見積書1枚目(御見積書(A))には、「現地据付工事一式」と記載され、同3枚目(御見積書(B))には、当該据付工事に係る「支線(STP)ネットワーク敷設作業」として「STPケーブル敷設」等の作業の詳細な見積りが記載されている。

2 前記1で認定した事実によれば、商標権者は、本件審判の請求の登録(平成22年6月1日)前3年以内である2008年6月ころ、本件商標と同一の商標を表示したエンジニアリングサービスのカタログを使用したことが認められる。

そして、商標権者の上記行為は、「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布・・する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。

ところで、上記エンジニアリングサービスとは、システムの設計から、工事、運用に至るまでを行うものであり(乙第2号証、同第3号証)、商標権者が、2008(平成20年)2月から5月にかけて行ったことが認められる「光ケーブル敷設工事」及び「STPケーブル敷設工事」はエンジニアリングサービスの範ちゅうといえるものである。

そうとすると、上記カタログは、「光ケーブル敷設工事」及び「STPケーブル敷設工事」を含む「エンジニアリングサービス」に使用するものであると優に推認できるものである。

そして、上記「光ケーブル敷設工事」は、本件審判請求に係る指定役務中の「電子応用機械器具設置工事、電気工事、電気通信工事」に含まれるものと認められる。

3 以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件請求に係る指定役務品中の「電子応用機械器具設置工事,電気工事,電気通信工事」に本件商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。

一方、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。

したがって、本件商標の指定商品及び指定役務中、本件審判請求に係る指定役務についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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