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Trademark Appeal Case

複合語の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−21517(T2009−21517/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「セレモニー散骨葬」の文字を青色で横書きしてなり、第45類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年6月19日に登録出願されたものである。その後、指定役務については、同21年4月8日付けの手続補正書により、第45類「散骨の執行,散骨場の提供」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要点

原査定は、「本願商標は、全体として『遺骨を細かく砕き、これを墓地以外の海や山に撒く葬法を行う儀式』等の意味合いを表わす『セレモニー散骨葬』の文字を、普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを補正後の指定役務に使用した場合、単に役務の質(内容)を表示しているものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について

本願商標は、前記第1のとおり、「セレモニー散骨葬」の文字からなるところ、その構成中の「セレモニー」の文字は、「儀式。式典。」を、「散骨」の文字は、「死者の遺骨を粉にして海や山へまく葬礼。」を、及び「葬」の文字は、「死者をほうむること。」(いずれも広辞苑第六版)を、それぞれ意味する語として知られているものである。

ところで、葬儀関連分野において、「セレモニー」の語は、「葬儀に関する儀式」程の意味として、広く一般に採択・使用されており、また、近年、葬送の方式が、従来の、墓に遺骨を納めるものから、遺灰を山や海にまく散骨など、多様化している実情にあり、そして、遺灰を山や海等にまく散骨を、「樹木葬」、「海洋葬」等、あるいはこれらを総称して、単に「散骨葬」などと称していることは、例えば、別掲の新聞記事及びウェブサイトの記載からも窺えるところである。

そうとすると、上記意味合いの「セレモニー」の文字と「散骨葬」の文字とを結合した本願商標からは、「葬儀に関する儀式としての散骨葬(遺灰を山や海にまく散骨)」程の意味合いを認識させるものである。

してみれば、本願商標をその指定役務「散骨の執行,散骨場の提供」について使用しても、「遺灰を山や海にまく散骨葬の儀式を行う際の散骨の執行・散骨場の提供」程の意味合いを認識させるに止まり、単に役務の内容、質を表示したにすぎないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。

2 請求人の主な主張について

(1)請求人は、「『セレモニー』や『散骨葬』の言葉にそれぞれの意味があったとしても、一連一体の造語で、語頭に『セレモニー』がくる本願商標『セレモニー散骨葬』は、その指定役務を取り扱う業界において、特定の役務の質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実は皆無である。むしろ、取引の実情からすれば、請求人が取り扱う散骨葬を想起させると考える方が、一般的な取引者・需要者をして、より自然である。」旨主張している。

しかしながら、「セレモニー散骨葬」それ自体としては造語であるとしても、それを構成する「セレモニー」及び「散骨葬」の各語の語義から前記1のとおりの意味合いを有する複合語として認識されるものであり、また、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日 判決言渡参照)」(役務についても同様に解される。)から、たとえ、一連一体で表された「セレモニー散骨葬」の文字が、その指定役務を提供する業界において、役務の質等を表示するものとして使用されている事実が存在しなくとも、本願商標が質等を表示するものであるとすることの妨げにはならないものである。

また、確かに、請求人は、創業45年の実績のもと、埼玉県一円を活動の拠点とし、冠婚葬祭役務の提供を主な事業とする会社であって、葬儀分野に関しては、俳優の風間杜夫氏をイメージキャラクターに起用し、各種宣伝広告、テレビCM等を行っていることは認められる。

しかしながら、請求人が、実際にその指定役務に使用しているのは「海洋散骨葬」の文字(資料76)であって、本願商標を使用している事実は、一切見あたらない。そうとすると、取引の実情を考慮しても、本願商標が、請求人が取り扱う散骨葬を想起させるとは言い難い。

したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(2)請求人は、「青色に配色されたHGS明朝E書体8文字で横一連に『セレモニー散骨葬』と構成された本願商標は、当該役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとは言えないから、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。」旨主張している。

しかしながら、近時、レタリング技法の進展により、役務の広告、宣伝等において、文字に彩色を施す手法や文字を装飾的に図案化するなどして表現する手法は広く採用されているところ、本願商標が、たとえ、青色に配色されたHGS明朝E書体で書されているとしても、「セレモニー散骨葬」の文字を表してなるものと容易に認識させるものであって、普通に用いられる態様から構成されているといえるものであるから、かかる配色と書体を根拠としては、特殊な態様とは到底いえず、この請求人の主張も採用することができない。

(3)請求人は、過去の審決例や登録例を挙げて、本願商標は、これらの登録商標における判断と本願商標における判断とを別異に取り扱うべき合理的根拠は見出し難いものであるから、登録されるべき旨主張している。

しかしながら、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定役務に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではなく、本願については前記のとおり判断するのが相当であるから、この点についての請求人の主張も採用することができない。

3 まとめ

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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