sokuhyo

Trademark Appeal Case

結合商標の使用識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成8年審判第18459号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、後掲したとおりの構成よりなり、第22類に属する商品を指定商品として平成6年3月28日登録出願、その後、指定商品については、原審における平成8年7月8日付手続補正書をもって「ポリプロピレン樹脂製梱包用ひも」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、包装資材を取り扱う業界において、物品を結束するため用いられる細い織物、合成繊維からできている帯状、ひも状のものを表示する文字として普通に使用されている「バンド」の文字を大きく横書きし、該文字の左横に長方形のありふれた輪郭を描き、その輪郭中に商品の品番、型式、規格等を表示する記号、符号として普通に使用されている「P.P」の欧文字を縦書きしてなるから、これを本願の指定商品に使用しても、自他商品識別機能を果たす部分が見あたらず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」、「出願人は、本願商標は使用による識別機能を保有する旨述べ甲号証を提出しかつ指定商品を補正しているが、それらによっては該主張を客観的に立証するものでなく、また、同業他社においては「PPバンド」又は「P.P.バンド」なる語を梱包用のひもの類に使用している事実もあるから、その主張は採用できない。」として、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標の構成について

本願商標は、その構成後掲したとおり、縦長矩形輪郭線内に欧文字「P」の2字をピリオド記号を介して縦列に反復・配列し、同右側に「バンド」の文字を大きく横書きしてなるものであって、その指定商品を「ポリプロピレン樹脂製梱包用ひも」(以下、「本件商品」という。)とすること前記のとおりである。

しかして、欧文字2文字が商品の記号・符号表示として類型的に用いられるものであり、また、ポリプロピレン(樹脂)が「PP」と表示される場合のあること原審説示のとおりであるとしても、本願商標の如く、欧文字2字を外輪郭図内に規則的かつ整然と収めた構成の全体からは、直ちに特定の商品の品質又は記号等として認識・理解し、又はそれらを表示するための普通一般の用例とみるよりは、むしろ、外輪郭図と内部の文字とが一体となって一種特異に表現されてなるものとの印象を否めず、したがって、該部分の識別性の有無の判断については、進んでその指定商品の分野における取引事情等を総合勘案のうえ決する必要がある。

(2)本願商標の使用状況と使用商品の取引事情について

本願商標の使用状況とその使用に係る本件商品の取引事情について述べる請求人主張の全趣旨並びにその提出に係る甲第1号証乃至甲第9号証(ただし、「甲第2号証」を除く。)及び平成12年3月3日当庁が実施した面接審理に基づき請求人より提出された同4月26日付上申書(「(本願商標の)使用状況写真」、「(本件商品の業界シェアに関する)報告書」、「(本願商標の業界周知に関する)標章使用状況説明書」)を検討するに、以下の各点が認められる。

(ア)本願商標は、元々請求人(登録出願人)がそのその製造・販売に係る本件商品の商標として、「PPバンド」を図案・創案し、昭和40年頃より使用を開始したものであり、請求人は、本件商品について所謂シボズラシ特許と呼ばれる特許権(特許第1118569号,同第1292275号,同第1246888号)を取得し、その実施権者に対して製品への添付を義務づけるために配布した特許認証票に本願商標を表示していたこと。

(イ)請求人会社のみによる本件商品の製品売上高は、昭和50年初頭においてすでに20数億円にのぼり、以後急速に売り上げを伸ばし、同60年において49億円、平成年次に入ってからは、ほぼ50億円乃至60億円の幅で推移しており、市場シェアは約50%であること。また、請求人の特許実施権を得た本件商品に係るポリプロバンド工業協会員(業界任意団体)7社を含む8社による同製品の市場占有率は約9割以上を占めていたこと。

(ウ)本件商品の名称としての「PPバンド」が初期の頃から、業界関係者又は同業者により競合商品である「紙バンド」との対比のし易さ等の理由から同製品の名称の一部に使用されるなどして慣用的名称の様相を呈した点に鑑み、請求人が他社商品との識別を意図して本願商標を採択し、商標管理に当たっていたこと。また、前記状況よりして、当業界において本願商標は、請求人に係る製品の証明標として周知せられていたこと。

(エ)請求人に係る本件商品の市場流通は、大卸(総合商社、専門商社)及び地域卸を経由するものが主で、このほか、梱包資材卸問屋を経由するものも併せ、全国各地の百貨店、スーパー、大口需要者、小売店等に流通しており、その用途特性よりして、包装・梱包資材関連事業者の需要が大きいという特長を有すること。

以上の各点よりして、本願商標は、商標自体の特徴と相俟って、請求人に係る本件商品の商標として、或いは、その実施許諾に係る製品の証明標として、本件商品若しくは包装・梱包資材を取り扱う取引者、需要者間において広く認識せられたものであり、特に、その需要特性、流通事情等を考慮するに、実質的に商品識別の機能を発揮してきたものとみるのが取引の実情に照らし相当である。

そうすると、本願商標は、何人かの業務に係る商品であるのかを認識し得るものというべく商品識別の機能を有するものであるから、これを商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は妥当でなく、その理由をもって本願を拒絶することはできない。

その他、本願を拒絶すべき理由は見出せない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。