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Trademark Appeal Case

Scheinとシャインの称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−685007(T2009−685007/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際商標登録第902575号商標の指定商品中、第17類「Plastics (as semi−manufactured products,or partially processed),especially foamed material for the padding of footwear;sheets made of expanded plastic as semi−finished products and pad−shaped semi−manufactured products made of expanded plastic that are also to be used,respectively,for the production of orthopedic articles;fillers for padding made of rubber and/or synthetic materials;epoxy resins and synthetic resins (semi−finished products);footprint foam made of synthetic material for the production of plaster positives;plastic films (except for packing purposes),especially hard PVC films.」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第902575号商標(以下「本件商標」という。)は、「Schein」の文字を書してなり、2005年11月22日ドイツ国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2006年(平成18年)5月18日を国際商標登録出願され、第10類「Orthopedic articles,especially orthopedic shoes,soles of shoes,insoles,shoe inserts and arch supports,also in the form of blanks;implants made of synthetic materials;orthopedic belts,electric and non−electric belts for medical purposes;stockings for medical and orthopedic purposes;harnesses and bandage splints for orthopedic purposes;amputation,peroneus and joint springs for installation in orthopedic shoes;synthetic bandages and plaster bandages for orthopedic purposes;covering materials for covering orthopedic insoles;ear protection devices;footprint boxes for orthopedic purposes,consisting of an ink roller and footprint sheets;parts,components,as well as replacement parts of all aforementioned goods.」及び第17類「Plastics (as semi−manufactured products,or partially processed),especially foamed material for the padding of footwear;sheets made of expanded plastic as semi−finished products and pad−shaped semi−manufactured products made of expanded plastic that are also to be used,respectively,for the production of orthopedic articles;fillers for padding made of rubber and/or synthetic materials;epoxy resins and synthetic resins (semi−finished products);footprint foam made of synthetic material for the production of plaster positives;plastic films (except for packing purposes),especially hard PVC films.」を指定商品として、平成20年3月5日に登録査定、平成21年4月3日に設定登録されたものである。

2 引用商標

(1)登録第4148364号商標(以下「引用商標1」という。)

別掲のとおりの構成よりなり、第10類「医療用機械器具,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,デンタルフロス,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),医療用手袋」を指定商品として、平成8年5月29日に登録出願され、平成10年5月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第4800948号商標(以下「引用商標2」という。)

「P−シャイン」の文字を標準文字で表してなり、第17類「プラスチック基礎製品」及び第20類「プラスチック製包装用容器」を指定商品として、平成16年1月16日に登録出願され、平成16年9月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由

本件商標は、引用商標1及び2と類似のものであり、また、指定商品も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 当審が通知した本件商標の取消理由

本件商標は、「Schein」の文字を書してなるものであるから、該構成文字より「シャイン」の称呼を生じ、特定の観念を有しないものと認められる。

一方、引用商標2(以下これを「引用商標」という。)は、ローマ文字「P」と片仮名「シャイン」をハイフンで結合してなるものであり、視覚上ハイフンの前後で「P」と「シャイン」に分離して看取されるものである。そして、引用商標は、構成全体をもって、親しまれた観念を有するものとは認められない。また、「P」は、ローマ文字の一字にすぎず、それのみでは、極めて簡単でありふれたものといえ、かつ、ローマ文字の1字若しくは2字が商品の型式・規格・品番等を表示するための記号・符号等として取引上普通に使用されている実情にあるところからすると、引用商標中の前半部分の「P」の文字部分は、自他商品の識別力がきわめて弱い部分であるといえるのに対し、「シャイン」の文字部分は、商品の品質等を表すというような事情も認められず、識別力が高いと認められる。

そうとすると、引用商標に接する取引者、需要者は、これを分離して把握し、認識し、称呼することが十分にあり得るというべきであって、引用商標は、構成全体に相応する「ピーシャイン」の称呼を生ずるほか、「シャイン」の文字部分に相応して「シャイン」の称呼を生ずると認められる。

そうすると、本件商標は「シャイン」の称呼を生じ、引用商標は、「ピーシャイン」及び「シャイン」の称呼を生ずるものであるから、「シャイン」の称呼を共通にするものである。

また、本件商標と引用商標は、それぞれ前記のとおりの構成であるから、本件商標と引用商標の外観は異なるものの、いずれかの外観が他方のそれに比して両者が別異の商品であることを認識せしめるほどの特段の強い印象を与えるものであるとはいえないものである。

さらに、観念については、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、比較することができない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観において相違し観念において比較できないものであるとしても「シャイン」の称呼を同じくする類似の商標というべきである。

また、本件商標の指定商品中、第17類「Plastics (as semi−manufactured products,or partially processed),especially foamed material for the padding of footwear;sheets made of expanded plastic as semi−finished products and pad−shaped semi−manufactured products made of expanded plastic that are also to be used,respectively,for the production of orthopedic articles;fillers for padding made of rubber and/or synthetic materials;epoxy resins and synthetic resins (semi−finished products);footprint foam made of synthetic material for the production of plaster positives;plastic films (except for packing purposes),especially hard PVC films.」は、引用商標の指定商品中、第17類「プラスチック基礎製品」とは同一又は類似する商品と認められる。

したがって、本件商標は、その指定商品中、上記商品については、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

5 商標権者の意見

商標権者は、前記4の取消理由に対し、以下のように意見を述べた。

(1)引用商標は、「P−シャイン」の文字を標準文字で表してなるところ、ローマ文字「P」と片仮名「シャイン」は、ハイフンを介して外観上まとまりよく書されているだけでなく、これより生ずると認められる「ピーシャイン」の称呼もよどみなく一連に称呼でき、冗長にわたるものでもない。

また、取消理由通知は、「ローマ文字1字若しくは2字が商品の型式・規格・品番等を表示するための記号・符号等として取引上普通に使用されている」とするが、何の根拠も示されておらず、一般論にすぎない。当業者である商標権者においてもそのような認識はない。引用商標の指定商品中、第17類「プラスチック基礎製品」において、引用商標の前半部分の「P」の文字部分が、商品の型式・規格・品番等を表示するための記号・符号等として取引上使用されているとも認められない。引用商標が実際に「P−シャイン」全体で一つの名称として使用されていることも取消理由が適切でないことを裏付けている(乙1〜乙3)。

そして、他に「P」と「シャイン」とを分離し、「シャイン」の文字部分のみを抽出して称呼、観念しなければならない特段の事情は見いだせない。

よって、引用商標からは「ピーシャイン」の一連の称呼のみを生ずるものであって、特定の観念を生じさせない造語よりなるものである。

(2)ローマ文字の1字若しくは2字を分離して把握せず、これを含む一連の称呼のみを生ずるものとして認定されていることは以下の併存登録を見ても明らかである。

・「S−lec」、「S−LEC」、「エスレック/S−LEC」と「§LEC」(乙4の1〜4)

・「U−メディア」、「U−media」と「§MEDIA」(乙5の1〜3)

・「Z−TAC」と「§TAC」(乙6の1及び2)

・「S−lon」と「ロン」(乙7の1及び2)

・「G−MAQ」と「マック/MAC」(乙8の1及び2)

・「ティーフォックス/T−FOX」と「FOX」(乙9の1及び2)

以上は、本件商標及び引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を指定商品に含んでいるにもかかわらず登録されている。さらに、本件商標及び引用商標の指定商品と類似の商品ではないものの、本件と同様に、取引者・需要者が当業者である商品を指定商品とする以下の登録商標も語頭のローマ文字1字を含んだ一連の称呼のみを生ずるものとして認定されている。

・「P−PALETTE/ピーパレット」と「パレット」(乙10の1及び2)

(3)本件商標と引用商標の出所混同の可能性

本件商標の指定商品中、第17類の冒頭に掲げられている「Plastics (as semi−manufactured products,or partially processed)」(参考訳:プラスチック(半加工品又は半製品としてのもの))につき、これらの商品は、その性質からして、取引者・需要者は当該分野における専門的知識を有する者であり、実際の購入に当たっては、商品の性能やメーカーの信用等についての慎重な検討が行われる。そうすると、ドイツ語表記である本件商標「Schein」と引用商標とは外観において著しく相違することや、上述のとおり、称呼も「シャイン」と「ピーシャイン」とで相違することに照らし、取引者・需要者において、出所の混同が生じる可能性はない。

したがって、本件商標と引用商標とは、同一又は類似の商品に使用された場合には、商品の出所に付き誤認混同を生ずるおそれがあるとは認められない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

6 当審の判断

(1)本件商標についてした上記4の取消理由の通知は妥当であって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)商標権者の主張について

商標権者は、引用商標は外観上まとまりよく書されているだけでなく、構成全体より生ずる「ピーシャイン」の称呼もよどみなく一連に称呼でき、冗長にわたるものではない、また、取消理由通知は、「ローマ文字1字若しくは2字が商品の型式・規格・品番等を表示するための記号・符号等として取引上普通に使用されている」とするが、一般論にすぎず、当業者である商標権者においてもそのような認識はない、などと主張し、引用商標は、一連の称呼のみを生ずるものである旨主張している。

しかしながら、引用商標は、前半部の「P」と後半部の「シャイン」が「−」(ハイフン)で連結して成るところ、構成中の「−」(ハイフン)は、言語表記の補助符号であり、英文などで合成度の浅い複合語の連結、1語が行末までに収まりきれず2行にまたがる時のつなぎ、又は、1語内の形態素の区切りを明確にするのに使われるものである(広辞苑第6版)。そうすると、本件商標は、複数の言葉の連結又は1語内の形態素の区切りの明確化というハイフンのなす役割自体からして、「P」と「シャイン」の各文字部分とを分離して看取することは可能であると考えられる。

そして、「P」の文字は、「アルファベットの第16字」にすぎないものであって、それのみでは、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章」(商標法第3条第1項第5号参照)といわざるを得ないものである。

また、ローマ文字1字若しくは2字は、各種商品について、商品の型式・規格・品番等を表示するための記号・符号等として取引上普通に使用されているものであり、本件商標と引用商標とにおいて類似する指定商品に係る分野についても、商標権者が提出する引用商標の商標権者のホームページ(乙1及び乙2)によっても、「ミラマットA」、「バイオミクロンL」、「バイオミクロンE」、「ミラプランク−E」、「エルブロック−E」(以上、片仮名部分の語尾に登録商標を示す記号(○の中にR)が付されている。)、「ロールP−パレ」、「YBチップ」、「Pマット」、「P−ボックス」のようにローマ文字1字ないし2字が使用されていることが認められるところであり、さらに、例えば、住友化学株式会社がポリエチレン等の製品に「スミカセン−L」、「スミカセンE」、「スミカセンEP」、「エクセレンFX」、「エクセレンVL」などと使用し(http://www.sumitomo−chem.co.jp/polyolefin/03pdt_list.html)、信越化学工業株式会社が塩ビ樹脂に「TKシリーズ」、「GRシリーズ」と使用して(http://www.shinetsu.co.jp/j/product/industry_25.shtml)いるところである。

これに対し、「シャイン」の文字は、特定の観念を有するとまではいえないものの、一種の造語として認識し得るものである上、「P−シャイン」の語が取引社会において一連一体の語句として特定の意味合いをもって一般に親しまれていると認めることもできないから、本件商標の構成部分である「P」の文字部分と「シャイン」の文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものということはできない。

また、商標権者は、上記分野の取引者、需要者は専門的知識を有する者であり、実際の商品の購入に当たっては、商品の性能やメーカーの信用等について慎重な検討が行われる、などと主張し、本件商標と引用商標とは、取引者・需要者において、出所の混同が生じる可能性はない、旨主張している。

しかしながら、引用商標から「シャイン」の称呼をも生ずることは前記のとおりであり、また、本件商標と引用商標は、いずれも格別に特異な態様ではなく、本件商標「Schein」の読みの片仮名表記は、「シャイン」であるから、商標権者の主張する取引の実情が認められるとしても、本件商標を結論掲記の商品に使用したときは、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。

なお、商標権者が、その主張の根拠として挙げた登録例及び審決例は、いずれも本件商標とは商標の構成態様を異にするばかりでなく、そもそも、商標の類否判断は、比較する両商標について個別具体的に考察し、検討されるべきものであって、他の登録例の存在によって上記判断が左右されるものではない。

したがって、上記請求人の主張はいずれも理由がない。

(3)したがって、本件商標は、その指定商品中、結論掲記の商品についての登録について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。

また、その余の指定商品については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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