Trademark Appeal Case
同名商標の複数出願と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−25041(T2009−25041/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「FULL HOUSE」の欧文字を書してなり、第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年6月20日に登録出願されたものである。そして、指定役務については、原審における同20年7月10日受付及び当審における同21年12月18日受付の手続補正書によって、最終的に第35類「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
(1)この特例小売商標登録出願は、意匠法等の一部を改正する法律(平成18年6月7日法律第55号)附則第7条第4項の規定によりこの出願と同日に出願したものとみなされる商願2007−58821の特例小売商標登録出願と同一又は類似の商標であり、同一又は類似の指定役務に使用するものと認められるから、出願人が商標法第8条第2項又は第5項(改正法附則第8条第4項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定された商標登録を受けることができる一の商標登録出願人であるとは、認められない。
したがって、本願は、商標法第8条第2項又は第5項の要件を具備しておらず、商標登録を受けることはできない。
(2)原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は、次のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
ア 登録第1935164号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和59年11月5日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年2月25日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、指定商品については、平成19年7月18日に第1類「試験紙」、第2類「謄写版用インキ,絵の具」、第5類「防虫紙」、第8類「パレットナイフ」、第9類「計算尺」、第16類「紙類,文房具類」、第17類「コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー」、第24類「布製ラベル」、第27類「壁紙」、第28類「昆虫採集用具」及び第34類「紙巻きたばこ用紙」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
イ 登録第1945609号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和59年11月5日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年4月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、指定商品については、平成19年9月19日に別掲4に記載の指定商品に書換登録がなされたものである。
ウ 登録第2048811号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和59年11月5日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年5月26日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、指定商品については、平成20年5月7日に第9類「眼鏡」及び第14類「時計」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
エ 登録第3312170号商標(以下「引用商標4」という。)は、「フルハウス」の片仮名を書してなり、平成6年12月27日に登録出願、第28類「スロットマシン,パチンコ器具,その他の遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,麻雀用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形」を指定商品として、同9年5月23日に設定登録され、その後、同18年12月19日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
オ 登録第3344983号商標(以下「引用商標5」という。)は、「FULL HOUSE」の欧文字を書してなり、平成7年8月7日に登録出願、第18類「傘」を指定商品として、同9年9月5日に設定登録され、その後、同19年7月10日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
カ 登録第4356162号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成11年1月21日に登録出願、第16類「雑誌,新聞」を指定商品として、同12年1月28日に設定登録され、その後、同21年8月11日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
キ 登録第4548334号商標(以下「引用商標7」という。)は、「FULL HOUSE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年3月1日に登録出願、第9類「レコード,スロットマシン,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた磁気ディスク・磁気テープ・CD−ROM,その他の家庭用テレビゲームおもちゃ」及び第28類「ぱちんこ器具,その他の遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形」を指定商品として、同14年3月1日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、その指定役務が前記1のとおり補正された結果、引用商標1ないし引用商標5及び引用商標7の指定商品と同一又は類似の役務が削除され、両者の指定商品及び指定役務は類似しない商品及び役務になったと認められるものである。
次に、本願商標と引用商標6との類否について検討する。
本願商標は、別掲1のとおり、「FULL HOUSE」の欧文字よりなるものであるところ、これは、「(トランプ)フルハウス」などを意味する語(グランドセンチュリー英和辞典 第2版:三省堂)であって、トランプの用語として一般によく知られているものであり、その構成文字から、「フルハウス」の称呼及び「フルハウス」の観念を生ずるものである。
一方、引用商標6は、別掲3のとおりの構成よりなり、図案化された文字を含む欧文字様の部分とその右下に小さく「フルハウス」の片仮名を書してなるものであるところ、その欧文字様の部分は、一見して直ちにその称呼を特定することのできない態様といえるものであるから、これに接する取引者、需要者は、その右下に小さく書された「フルハウス」の文字に注目し、その文字より生ずる称呼をもって取引に資するものというのが相当である。
そうすると、引用商標6からは、該「フルハウス」の文字に相応して、「フルハウス」の称呼を生ずるものである。そして、「フルハウス」の語は、「ポーカーの手役の一つ」を意味する語(コンサイスカタカナ語辞典 第3版:三省堂)であって、トランプの用語として一般によく知られているものであるから、「フルハウス」の観念を生ずるものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標6とは、外観において相違するとしても、「FULL HOUSE」と「フルハウス」の語は、同義の欧文字と片仮名であって、「フルハウス」の称呼及び「フルハウス」の観念を共通にする相紛らわしい商標である。
さらに、本願商標の指定役務と引用商標6の指定商品との役務と商品の類否について検討する。
本願商標の指定役務は、「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であり、引用商標6の指定商品は、「雑誌,新聞」であるところ、「雑誌,新聞」は、「印刷物」に含まれるものであって、雑誌、新聞、その他の印刷物は、書店、新聞販売店を始め、その印刷物を製作する発行会社を販売元にするなどして、店頭やインターネットによる通信販売などにより、広く一般の需要者に販売されるものである。
そして、新聞販売店は、新聞の発行会社の系列店というべきものであり、また、雑誌などの印刷物を製作する発行会社は、同時に販売元となって、店頭やインターネットによる通信販売などにより販売することは、ごく普通に行われているところである。
そうすると、「雑誌,新聞」の製造、販売と「印刷物」の小売とは、同一事業者によって行われているのが一般的であるというべきであり、印刷物を頒布するという両者の用途は一致し、書店、新聞販売店など商品の販売場所と役務の提供場所が一致し、需要者の範囲も一致するといえるものである。
してみれば、本願商標の指定役務と引用商標6の指定商品とは、同一又は類似の役務と商品であるというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって結論のとおり審決する。
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