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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−17273(T2009−17273/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ゆきむろ」の文字を標準文字で表してなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成20年6月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4653628号商標(以下「引用商標」という。)は、「雪むろそば」の文字を横書きしてなり、平成14年3月20日登録出願、第43類「そばを主とする飲食物の提供」を指定役務として、同15年3月14日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標との類否について

本願商標は、前記1のとおり、「ゆきむろ」の平仮名文字を標準文字で横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「ユキムロ」の称呼が生ずるものであり、また、これよりは特定の観念を生じさせないものである。

他方、引用商標は、前記2のとおり、「雪」の漢字と「むろそば」の平仮名文字とを一連に「雪むろそば」と横書きしてなるところ、その構成中、「そば」の文字部分は、「蕎麦粉・小麦粉にヤマイモ・卵白などを入れ、こねて細く線状に切った食品。」等(株式会社岩波書店 広辞苑 第六版)を意味するもので、引用商標の指定役務「そばを主とする飲食物の提供」中の「そば」を指す語であって、その役務の提供の用に供する物を容易に認識させるものである。

そうすると、引用商標に接する取引者、需要者は、引用商標の構成中「そば」の文字部分が、その役務の提供の用に供する物それ自体を指称する語であり、当該指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有しない部分であるか極めて弱い部分であると認識することから、引用商標を構成する「雪むろ」の文字部分を、自他役務の識別標識としての機能を果たす部分として認識し、商取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

そうとすれば、引用商標は、その構成中「雪むろ」の文字部分に相応して、単に「ユキムロ」の称呼を生ずるものというのが相当であり、また、これよりは特定の観念を生じさせないものである。

そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両者は、「ユキムロ」の称呼を共通にするものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、称呼において相紛らわしいものであるから、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似のものである。

(2)請求人の主張について

請求人は、引用商標「雪むろそば」は、単に「雪むろ」の文字と「そば」の文字を結合した商標ではなく、「雪むろ」の文字部分は「そば」の文字部分を修飾するために当該「そば」の文字部分と同じ書体で視覚的にまとまり良く結合された一連一体の商標であり、これにより「ユキムロソバ」の称呼や「雪室で貯蔵したそば」の観念が生じるものであり、「雪むろ」と「そば」の二つの文字部分に分離し、自他役務の識別標識として機能する部分を判断する必要が全くない旨主張する。

しかしながら、前記3(1)のとおり、引用商標を構成する「雪むろそば」の文字より、「雪室で貯蔵したそば」の観念を直ちに想起するものとはいい難く、また、引用商標の構成中「そば」の文字部分が、取引上もその役務の提供の用に供する物それ自体を指称する語であるとすることも併せ考慮すると、「そば」の文字部分を省略して「雪むろ」の文字部分のみを称呼する場合があることも否定することはできない。

また、請求人は、過去の登録例、審決例を挙げて、本願商標も引用商標とは非類似である旨主張しているが、請求人が挙げる過去の登録例、審決例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の登録例、審決例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。

したがって、これらの点についての請求人の主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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