結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2010−300183(T2010−300183/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4686643号商標(以下「本件商標」という。)は、「ボング」の片仮名と「BONG」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成14年4月15日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ,ずきん,帽子,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として同15年6月27日に設定登録されたものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中の「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)、草履類」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由、答弁に対する弁駁及び口頭審理における陳述を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中の「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),草履類」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人が提出した乙第4号証を検討すると、同号証の75頁には、草履類の商品及びその品番「9011−957」が表示されている。
しかしながら、同頁に記載されている商標は「Billabong」と一連に欧文字にて横書きされた商標であって、本件商標とは社会通念上同一の範囲内にある商標ではない。
同様に、乙第5号証の44頁には、草履類の商品及びその品番「9013−969」が表示されているが、右足用の草履のみが写されている草履には「BILLABONG」と表示されており、一対で写されている草履の右足用の草履には「BILLA」とあり、左足用の草履には「BONG」と表示されている。しかし、右足用の草履のみが写されている草履に「BILLABONG」と表記されていることからみれば、草履は左右一対で常に用いられるものであるから、右足用の草履と左足用の草履にそれぞれ記載されている「BILLA」と「BONG」の文字とは一連に認識されるべきであり、乙第5号証の44頁に記載されている商標は、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標ではない。
乙第8号証及び乙第9号証には、乙第4号証に記載の草履が掲載されており、下げ札には、一部の文字が明瞭に写っていないものの、「BONG」という文字が記載されているものと推察される。また、乙第10号証ないし乙第13号証には、乙第5号証に記載の草履が掲載されており、下げ札には、「BONG」の文字が記載されている。
ところで、本件商標は、「ボング」と「BONG」とを二段に書してなる構成であるところ、「BONG」の語は、「(マリファナ吸引用の)水キセル」及び「(大鐘の)ゴーンという音」を表し、その読みも米国式の発音では「バーング」と、英国式の発音では「ボング」と称呼されるものであるから(甲第1号証)、本件商標は、欧文字「BONG」に片仮名「ボング」を併記することによって欧文字「BONG」の称呼を特定しているものと判断するのが妥当である。
そうとすれば、本件商標の構成中の「BONG」のみを使用しただけでは、本件商標を使用したことにはならず、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標を使用したということはできない。
以上のとおり、被請求人が使用する商標は、「BILLABONG」及び「BONG」であって、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標を使用したものとはいえない。
したがって、被請求人及び通常使用権者は、本件商標を取消請求に係る商品について継続して3年以上日本国内において使用していない。
(3)口頭審理における陳述
甲第2号証にも示したとおり、「衣料」及び「衣類」中の「衣」とは、「キヌ。衣服。着物。うわぎ。腰から上をおおうもの。」等の意味を有しており、狭義には「上着などの上半身を覆うもの」を意味しているところからしても、「衣料品」には「履物(草履類)」は含まれないとするのが妥当であると思料するところであり、請求人は、平成22年9月13日付け通知書の合議体の暫定的な見解について異存はない。
よって、ジーエスエム ジャパン株式会社は「草履類(ビーチサンダル)」について通常使用権の許諾を受けていないものと思料する。
被請求人が提出した確認書(乙第15号証)は事後的に作成されたものであり、取消を免れるためのものである。
また、衣料品店において、「履物」が商品として取り扱われているため 、「衣料品」の需要者・取引者は「履物」が「衣料品」に含まれるものと認識されている、との被請求人の主張は認められない。
被請求人は、本件商標を指定商品「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)、草履類」について継続して3年以上日本国内において使用しておらず、通常使用権者が使用した事実もない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁及び口頭審理における陳述において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証を提出した。
(1)答弁の理由
本件商標の通常使用権者であるジーエスエム ジャパン株式会社(以下「ジーエスエム社」という。)は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国において請求に係る指定商品中の「草履類」について本件商標を使用している。
ア 商標の使用者
乙第1号証ないし乙第3号証の「商標使用における契約書」には、被請求人(商標権者)は、ジーエスエム社に本件商標の使用をその全ての指定商品について、2003年6月1日から2012年5月31日の間、継続して許諾した旨記載されている。
イ 使用に係る商品及び商標
乙第4号証(商品力タログ)の75頁には、「草履類」の商品及びその品番「9011−597」(審決注:被請求人は、品番「9011−597」と記載しているが、「9011−957」の誤記と認められるので、以下「9011−957」と記載する。)が表示され、乙第5号証(商品力タログ)の44頁には、「草履類」の商品及びその品番「9013−969」が表示されている。
そして、乙第8号証及び乙第9号証(商品の写真)には、乙第4号証に表示された草履類の商品にその品番「9011−957」が記載された下げ札及び本件商標が表記された下げ札が吊り下げられたものが表示されている。
同様に、乙第10号証ないし乙第13号証(商品の写真)には、乙第5号証に表示された草履類の商品にその品番「9013−969」が記載された下げ札及び本件商標が表記された下げ札が吊り下げられたものが表示されている。
ウ 使用期間
乙第6号証(輸入許可通知書)には、草履類の商品「品番:9011−957」を日本に輸入する許可を2009年3月24日に申告した旨が表示され、乙第7号証(輸入許可通知書)には、草履類の商品「品番:9013−969」を日本に輸入する許可を2009年4月16日に申告した旨が表示されている。
また、乙第14号証(販売実績表)には、2009年3月から2010年4月における、品番「9011−957」の草履類及び2009年4月から2010年2月における、品番「9013−969」の草履類の販売実績が表示されている。
エ むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により取消請求に係る指定商品中の「草履類」について使用されていることが明らかであるから、本件審判の請求は成り立たない。
(2)口頭審理における陳述
ア 通常使用権の範囲について
平成22年9月13日付け通知書の「本件商標に係る通常使用権に関する暫定的な見解」でも示されているとおり、「衣料品」とは「商品としても、衣類やその素材などの総称」であり、「衣類」とは「身に着ける物の総称」である。また、「履物」とは、「足にはくものの総称」であり、「足にはくことによって身に着けるもの」である。
つまり、「衣料品」とは、「履物」が含まれない概念ではない。
仮に、広辞苑等において「衣料品」に「履物」が含まれないとしても、日本国内における多くの衣料品店においては、「履物」が商品として取り扱われており、このため、「衣料品」の需要者や取引者からすれば、「履物」が「衣料品」に含まれるものとして認識されている。
そして、本件商標における通常使用権の許諾に関する契約の際においても、被請求人とジーエスエム社とは、互いに「履物」が「衣料品」に含まれるものと認識して契約している。
具体的には、「商標使用における契約書」(乙第1号証ないし乙第3号証)の「使用対象商品」には、乙第1号証における「使用許諾商標目録」の指定商品の欄に記載された「被服、帽子、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴等」が全て含まれるものとして、被請求人とジーエスエム社とは、本件商標における通常使用権の許諾に関する契約をしている。
また、当該「商標使用における契約書」の「使用対象商品」及び「商標表示物」における「衣料品(Tシャツ、スウェット、パーカー、パンツ等)」の記載は、「履物」を除く意図ではなく、「履物」の記載が省略されたものとして、被請求人とジーエスエム社とは、本件商標における通常使用権の許諾に関する契約をしている。
また、ジーエスエム社はサーファー用品を取り扱っており、サンダルはサーファー用品に含まれるため、被請求人とジーエスエム社は、「履物」が当然に契約に含まれると認識していた。
さらに、被請求人とジーエスエム社とは、乙第15号証の「確認書」において、「商標使用における契約書」(乙第1号証ないし乙第3号証)において記載されている「使用対象商品」の「衣料品(Tシャツ、スウェット、パーカー、パンツ等)」には、「被服(Tシャツ、スウェット、パーカー、パンツ)」の他に「履物」が含まれ、商標登録第4686643号の指定商品中第25類「草履類」が含まれることを確認した。
イ まとめ
以上のとおりであるから、ジーエスエム社はその使用に係る商品「履物(ビーチサンダル)」について、被請求人から通常使用権の許諾を受けていると認められる。
(1)乙各号証について
被請求人は、通常使用権者により、本件商標を取消請求に係る指定商品中の「草履類」について使用しているとして、乙第1号証ないし乙第15号証を提出しているので、以下、被請求人の提出に係る乙各号証について検討する。
乙第1号証ないし乙第3号証は、いずれも「商標使用における契約書」と題する書面であり、乙第1号証は2003年10月2日付け、乙第2号証は2006年7月5日付け、乙第3号証は2009年6月18日付けのものであり、いずれも、帝人ファイバー株式会社(商標権者)を甲として、ジーエスエム社を乙として締結されたものである。そして、各契約書の第1条(通常使用権の許諾)には「甲は本件商標に関し、通常使用権を乙に許諾する。」旨記載されており、第2条(通常使用権の範囲)には「前条に定める通常使用権の範囲は、・・・末尾記載の商品に限るものとする。」旨記載されており、末尾に記載されている使用許諾商標目録の使用対象商品の欄には「衣料品(Tシャツ、スウェット、パーカー、パンツ等)」と記載されている。また、契約の有効期間は第10条において定められており、乙第1号証の契約書においては2003年6月1日から2006年5月31日まで、乙第2号証の契約書においては2006年6月1日から2009年5月31日まで、乙第3号証の契約書においては2009年6月1日から2012年5月31日までとされている。
乙第4号証は、ジーエスエム社の発行に係る「BILLABONG/SPRING 09」と題する商品力タログであり、その75頁には、品番「9011−957」として、いわゆるビーチサンダルが掲載されており、一対で写されているサンダルの左足用のサンダルには「Bill」、右足用のサンダルには「abong」の各文字がいずれも筆記体で表されている。
乙第5号証は、ジーエスエム社の発行に係る「BILLABONG/HI−SUMMER 2009」と題する商品力タログであり、その44頁には、品番「9013−969」として、いわゆるビーチサンダルが掲載されており、一対で写されているサンダルの右足用のサンダルには「BILLA(Aの文字の左斜線部分には、小さく「BILLABONG」の文字が配されている。)」、左足用のサンダルには「BONG」の文字が表されている。また、右足用のサンダルのみが写されているサンダルには「BILLA(Aの文字の左斜線部分には、小さく「BILLABONG」の文字が配されている)」の文字が表されている。
乙第6号証及び乙第7号証は、いずれも「輸入許可通知書」と題する書面であり、ジーエスエム社(GSM JAPAN CO.,LTD.)が「GSM(CENTRAL SOURCING)PTY LTD.」から商品を輸入するためのものであり、乙第6号証では、「9011−957」の「THONGS(サンダル)9530足」等の商品の輸入が2009年3月24日に許可されていたこと、乙第7号証では、「9013−969」の「THONGS(サンダル)3572足」の輸入が2009年4月16日に許可されていたことが認められる。
乙第8号証は、乙第4号証に表示されているサンダルに「9011−957」との品番やサイズ、価格等が表示されている下げ札及び「BONG」の商標が表示されている下げ札が吊り下げられた状態の商品の写真であり、乙第9号証は、その拡大写真である。
乙第10号証及び乙第12号証は、乙第5号証に表示されているサンダルに「9013−969」との品番やサイズ、価格等が表示されている下げ札及び「BONG」の商標が表示されている下げ札が吊り下げられた状態の商品の写真であり、乙第11号証は乙第10号証の拡大写真であり、乙第13号証は乙第12号証の拡大写真である。
乙第14号証は、「BONG BAG,THONGS 販売実績表」と題する16枚からなる一覧表形式の書面であり、品番「9011−957」及び品番「9013−969」の各サンダルについての売上げが記載されているものである。いずれも、その得意先としては、丸井の各店舗やムラサキの各店舗をはじめとする数多くの店舗名称が記載されている。そして、品番「9011−957」のサンダルについては、2009年3月から2010年4月までの期間の数量の総計として「8689」と記載されており(10枚目)、品番「9013−969」のサンダルについては、2009年4月から2010年2月までの期間の数量の総計として「2912」と記載されている(16枚目)。
乙第15号証は、平成22年11月1日付けの商標権者(被請求人)とジーエスエム社の確認書であり、そこには、乙第1号証ないし乙第3号証の「商標使用における契約書」に記載されている使用許諾対象商品の「衣料品(Tシャツ、スウェット、パーカー、パンツ等)」には契約開始当初(2003年6月1日)から、「履物」「草履類」が含まれることを確認する旨記載されている。
(2)「草履類」についての使用の事実について
ア 通常使用権の許諾について
上記において認定した乙第1号証ないし乙第3号証(商標使用における契約書)によれば、商標権者(被請求人)は、2003年6月1日から2012年5月31日までの間、ジーエスエム社に対して、本件商標の商標権について通常使用権を許諾していたことを認めることができる。
そして、当該契約書の第2条(通常使用権の範囲)においては、通常使用権の範囲を末尾記載の商品に限るものとし、末尾の使用対象商品の欄には「衣料品(Tシャツ、スウェット、パーカー、パンツ等)」と記載されているところ、「衣料品」の表示は、該表示に含まれる具体的な商品の範囲が必ずしも明確ではないが、一般的には、身に着る物の総称と理解されるものであって、「サンダル」を含むものと解釈することは不自然といえる。
しかしながら、乙第15号証(確認書)によれば、それが事後的に作成されたものであるとしても、商標権者とジーエスエム社は、当該契約書の使用許諾対象商品「衣料品(Tシャツ、スウェット、パーカー、パンツ等)」には契約開始当初から「履物」「草履類」が含まれると確認していることが認められることからすると、当該契約書に記載の使用対象商品である「衣料品」の表示の中に「サンダル」が含まれていないとみるのは、必ずしも当事者の契約の趣旨に沿うものとはいえない。
また、乙第14号証によれば、通常使用権者であるジーエスエム社は、2009年3月から「サンダル」の販売をしていたことが認められ、これは、乙第2号証の契約に基づく期間中のことであり、商標権者は、ジーエスエム社によるサンダルについての使用の事実を認識のうえ、2009年6月18日に、乙第2号証と同一の内容からなる乙第3号証の契約を締結していたものといえるから、商標権者は、ジーエスエム社に対して、「サンダル」についても本件商標を使用することについて、黙示の許諾を与えていたものとみるのが自然である。
そうとすれば、ジーエスエム社は、「サンダル」についても本件商標の通常使用権者であるというべきである。
イ 「草履類」についての使用について
そこで次に、通常使用権者と認められるジーエスエム社が本件商標を取消請求に係る指定商品中の「草履類」について使用をしていたか否かについて判断する。
上記において認定した乙第14号証によれば、ジーエスエム社は、2009年3月から2010年2月にかけて、丸井の各店舗やムラサキの各店舗をはじめとする数多くの顧客に対して、品番「9011−957」のサンダルを8689足及び品番「9013−969」のサンダルを2912足販売していたものと推認することができる。
そして、ジーエスエム社は、乙第4号証のカタログ(BILLABONG/SPRING 09)に品番「9011−957」のサンダルを掲載しており、乙第5号証のカタログ(BILLABONG/HI−SUMMER 2009)には品番「9013−969」のサンダルを掲載していたことが認められる。また、乙第6号証及び乙第7号証(輸入許可通知書)によれば、ジーエスエム社は、品番「9011−957」の「THONGS(サンダル)9530足」等の輸入について2009年3月24日に許可されており、品番「9013−969」の「THONGS(サンダル)3572足」の輸入については2009年4月16日に許可されていたことが認められる。そしてまた、乙第8号証ないし乙第13号証によれば、ジーエスエム社は、品番「9011−957」及び品番「9013−969」の各サンダルに「BONG」の商標を表示した下げ札を付して取引に供していたものと推認し得るところである。
以上を総合してみれば、通常使用権者であるジーエスエム社は、本件審判の請求の登録(登録日は平成22年3月5日)前3年以内に、品番「9011−957」及び「9013−969」の各ビーチサンダルを輸入して、これらのサンダルを乙第4号証及び乙第5号証のカタログに掲載し、該品番のサンダルに「BONG」の商標を表示した下げ札を付して取引に供するとともに、2009年3月から2010年4月にかけて、これらのサンダルを顧客に販売していたものということができる。そして、上記各ビーチサンダルは、取消請求に係る指定商品中の「草履類」の範ちゅうに属する商品である。
ウ 使用に係る商標について
本件商標は、前記したとおり、「ボング」の片仮名と「BONG」の欧文字とを二段に横書きしてなるところ、乙第8号証ないし乙第13号証のサンダルに付されている下げ札には「BONG」の商標が表示されている。
上記した本件商標と使用に係る商標の構成態様からみれば、使用に係る商標には片仮名部分が併記されていないという点において本件商標とは構成を異にするものではあるが、「ボング」の片仮名は「BONG」の自然な読みを表したと認められるものであり、本件商標の有する識別機能に影響を与えるものとはいえないから、本件商標と社会通念上同一の商標と認めて差し支えないものというべきである。
この点について、請求人は、「BONG」の語は「(マリファナ吸引用の)水キセル」の意味合いを表すとともに「(大鐘の)ゴーンという音」を表す語でもあり、その読みも米国式の発音では「バーング」と読まれ、英国式の発音では「ボング」と読まれるものであるから、本件商標は、欧文字「BONG」に片仮名「ボング」を併記することによって欧文字「BONG」の称呼を特定しているものというべきであり、本件商標構成中の「BONG」のみを使用しただけでは、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標を使用したことにはならない旨主張している。
しかしながら、本件商標構成中の「BONG」の語(文字)に請求人が主張しているような意味合いがあるとしても、該語は我が国において日常一般に知られている語とはいえず、直ちに特定の親しまれた意味合いを理解・認識し得るものではない。また、「BONG」の語の称呼についても、例えば、「bongo」の語が「ボンゴ」(ラテン音楽の演奏に使われる打楽器)と読まれて親しまれており、「gong」及び「song」の語が「ゴング」(ボクシング等で試合の開始・終了の合図に使う鐘)及び「ソング」(歌)と読まれて親しまれている例にならえば、「ボング」と称呼されるものとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標構成中の「ボング」の片仮名は、「BONG」の欧文字の自然な読みを表したと認められるものであり、「ボング」及び「BONG」の語から複数の観念が生ずるものとはいえないから、ジーエスエム社の使用に係る商標「BONG」は、本件商標と社会通念上同一の商標と認めて差し支えないものというべきである。
したがって、この点についての請求人の主張は採用できない。
(3)請求人のその他の反論について
請求人は、乙第4号証及び乙第5号証のカタログに表示されている商標は、「Billabong」であって、これは本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標とはいえない旨主張している。
確かに、乙第4号証及び乙第5号証のカタログに表示されているサンダルには、その全面にデザイン的要素をも含めて「Billabong」や「BILLA BONG」の標章が表示されているが、これらのサンダル面に施されている標章によって、使用に係る商標の態様を認定したのではない。使用に係る商標の態様は、実際の取引における使用の状態を示しているものと推認される乙第8号証ないし乙第13号証によって認定したものであり、乙第4号証及び乙第5号証によって認定したのは、ジーエスエム社の取扱いに係る品番「9011−957」及び「9013−969」なる商品がビーチサンダルであって、本件審判についての要証期間内に、ジーエスエム社の発行に係るカタログに掲載されていた事実である。
したがって、この点についての請求人の主張も採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり、乙各号証を総合してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が取消請求に係る指定商品中の「草履類」の範ちゅうに属する「ビーチサンダル」について本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の指定商品中、本件審判の請求に係る第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)、草履類」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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