Trademark Appeal Case
称呼類似と表記の異体字関係
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−15434(T2009−15434/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「生協」の文字を書してなり、第4類「ろうそく」を指定商品として、平成20年6月2日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5108508号(以下「引用商標1」という。)は、「SEIKYO」の文字を青色で書してなり、平成18年12月12日に登録出願、第4類、第6類、第9類、第14類、第16類、第19類、第20類、第21類、第24類、第25類、第34類及び第41類に属する別掲(1)のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年2月1日に設定登録されたものである。
(2)登録第5108509号(以下「引用商標2」という。)は、「セイキョウ」の文字を青色で書してなり、平成18年12月12日に登録出願、第4類、第6類、第9類、第14類、第16類、第19類、第20類、第21類、第24類、第25類、第34類及び第41類に属する別掲(2)のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年2月1日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、前記1のとおり、「生協」の文字を書してなるところ、その構成文字に相応して、「セイキョウ」の称呼を生じるものである。
そして、該語は、「『生活協同組合』の略称。」(広辞苑第六版:株式会社岩波書店)の意味合いで一般に親しまれている語であることから、これよりは「生活協同組合」の観念が生じるものである。
他方、引用商標1は、「SEIKYO」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「セイキョー」の称呼を生じるものであり、かつ、特定の意味合いを有するものとも言い難いものであるから、これよりは、特定の観念を生じないものである。
そして、引用商標2は、「セイキョウ」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「セイキョウ」の称呼を生じるものであり、かつ、特定の意味合いを有するものとも言い難いものであるから、これよりは、特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標から生じる「セイキョウ」の称呼と引用商標1から生じる「セイキョー」の称呼とを比較すると、両者は、「セイキョ」の音を共通にし、語尾において「ウ」の音と長音「ー」について差異を有しているものである。
しかして、該差異音「ウ」と長音「ー」は、いずれも明確に聴取し難い語尾に位置する語であるばかりでなく、前者の「ウ」の音は、前音「キョ」の母音(o)と二重母音を形成する結果、前音の母音(o)をそのまま延ばす長音の如く発音されるものであり、後者の長音「ー」部分についても前音「キョ」の母音(o)の音をそのまま延ばすものであることからすれば、ほぼ同一の音として聴取される。
そうとすれば、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似したものとなり、称呼上互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。
一方、本願商標と引用商標2とは、「セイキョウ」の称呼を共通にするものである。
また、外観については、本願商標は漢字からなるものであるが、これを欧文字及び片仮名で表記した場合、引用商標と同じ表記となることから、両者は近似した印象を受けるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、両者は、漢字から欧文字及び片仮名に、表記を書き換えられるほぼ同音の異体字の関係ともいうべきものであって、かつ、称呼において互いに相紛れるおそれのある類似の商標といい得るものである。
また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品と認められるものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、商標の類否判断は商標の有する外観、称呼、観念のそれぞれの要素を考慮した上で総合的に判断されるべきであり、称呼のみを抽出し、引用商標と比較するよりは、両者を全体観察した上で外観及び観念からすれば、互いに非類似とすべき商標である旨主張している。
しかしながら、商標法第4条第1項第11号の適用に関して、「商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、観念、称呼を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(東京高裁 平成11年(行ケ)第422号判決 平成12年6月13日言渡)。」との判示がなされているものである。
そうとすると、前記3(1)で述べたように、本願商標と引用商標とは、少なくとも称呼において共通しているものであるから、当該指定商品について商品の出所の混同のおそれはないとするべき特別の事情が存在すると認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあるものと認めるべきであるが、請求人の主張によっては、上記特別の事情を認めることができない。
さらに、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標もこれらと同様に登録されるべきである旨主張しているが、商標の類否判断は、過去の登録例、審決例等の判断に拘束されることなく、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等を考慮し、本件の事案に即して本願商標と引用商標との対比により、個別具体的に判断されるべきものであって、過去の登録例、審決例等の判断に拘束されるものではないから、請求人の主張については採用することができない。
(3)むすび
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。