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Trademark Appeal Case

結合商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−12484(T2010−12484/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成21年3月6日に登録出願されたものである。

その後、指定役務については、原審における平成21年10月19日付け及び当審における同22年6月9日付けの手続補正書により、第35類「ごま塩・食塩・すりごま・セロリーソルトの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願指定役務中、小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)は、全く業種が異なり、類似の関係にもないものであるため、出願人が本願商標をこれらの指定した小売等役務のいずれにも使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義があるといわざるを得ないから、本願は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。

(2)本願指定役務中、「写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認めらないから、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。

(3)本願商標は、以下の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

ア 登録第556488号商標(以下「引用商標1」という。)は、「メトローズ」の片仮名文字を書してなり、昭和34年6月9日登録出願、第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和35年9月28日に設定登録されたものである。その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、平成14年7月31日に、第1類、第2類、第3類、第5類、第10類、第16類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする書換登録がされたものである。

イ 登録第660375号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Metolose」の欧文字を書してなり、昭和38年2月5日登録出願、第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和39年12月2日に設定登録されたものである。その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、平成16年12月22日に、第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第8類、第9類、第10類、第16類、第19類、第21類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする書換登録がされたものである。

ウ 登録第4656480号商標(以下「引用商標3」という。)は、「メトローズ」の片仮名文字を標準文字で書してなり、平成13年10月5日登録出願、第1類及び第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年3月20日に設定登録されたものである。

上記、引用商標1ないし3(以下、まとめていうときは、単に「引用商標」という。)は、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項柱書及び同法第6条第1項について

原審における、平成21年10月19日付け意見書及び同時に提出された甲各号証によれば、請求人が、本願で指定する小売等役務について、本願商標を近い将来使用することについての疑義がなくなったものと認められる。

また、当審における平成22年6月9日付け手続補正書により、指定役務が前記1のとおり補正された結果、役務の内容及び範囲が明確なものになったと認められる。

したがって、本願は、商標法第3条第1項柱書及び同法第6条第1項の要件を具備するものとなった。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

本願商標は、別掲のとおり、赤色の色彩を用いてハートをデザインした図形を描き、その右側に「METRO’S」(「O」の文字部分は、その内側に赤色の円図形が描かれている)の欧文字を表した構成からなるところ、かかる構成にあっては、図形部分と「METRO’S」文字部分とが視覚的に分離して看取されるといえるものであり、これらが常に一体不可分のものとして把握されるとすべき特段の事情は、見受けられない。

そして、その構成中、「METRO」の文字部分は、「(パリなどの)地下鉄,メトロ。」の意味を有する英語であり、「’S」の文字部分は、名詞の所有格を示す語尾(いずれもジーニアス英和辞典 大修館書店)であることから、「METRO’S」の文字部分よりは、「地下鉄の,メトロの」程の意味合いを認識させるといえるものである。

ところで、「METRO’S」の文字については、以下の新聞情報及びインターネット情報がある。

ア 「東京情報 東京メトロが女性ターゲットの売店」

東京新聞 2010.11.24 朝刊 21頁 総合首都版

「東京メトロは25日、丸ノ内線銀座駅と有楽町線有楽町駅に女性利用者をターゲットにした売店『メトロスビューティー(METRO’S BEAUTY)』=写真は有楽町店=を、オープンする。」との記載。

イ 「大阪市営地下鉄駅の売店 愛称は『SUBSTA(サブスタ)』に決まる」 読売新聞 1999.04.15 大阪朝刊 26頁

「大阪市営地下鉄の駅構内にある売店の愛称が十四日、「SUBSTA(サブスタ)」に決まった(中略)駅の売店には、ほかにも「METRO’S(メトロス)」(営団地下鉄)、「NASCO(ナスコ)」(南海)、「365」(近鉄)などの愛称がついている」との記載。

ウ 「株式会社メトロコマース」のウェブサイトには、「メトロス/駅構内にあり、通勤・通学の時に気軽に立ち寄れるのがメトロスです。」、「東京メトロ駅構内にある一般売店(菓子・飲料・新聞・雑誌・雑貨などを取り扱っている店)をMETRO'S「メトロス」といいます。」との記載(http://www.metocan.co.jp/shop/metros/)。

エ 「売店(METRO’S)」の見出しのもと、本願商標の表示とともに、「新聞・雑誌・お菓子・飲料・雑貨・たばこと豊富な品揃えが自慢の一般売店。お客様に必要なものがきっと見つかるはず。皆様をお待ちいたしております。METRO'S『メトロス』という名前も是非覚えてください。(「メトロス」は、一般売店の他に、牛乳売店等多種の売店があります。)」との記載、及び、駅名、設置場所等が記載されている(http://www.tokyometro.jp/shop/category/metros/index.html)。

上記実情よりすれば、本願商標は、「東京メトロの売店」であることを容易に理解、認識させ、「METRO’S」の文字部分より、「メトロス」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用商標1及び3は、「メトローズ」の片仮名文字を書してなるものであり、引用商標2は、「Metolose」の文字よりなるものであるから、いずれも「メトローズ」の称呼を生じ、各文字は、特定の観念を生じさせない造語といえるものである。

そこで、本願商標と引用商標の類否について検討するに、本願商標より生ずる「メトロス」の称呼と、引用商標より生ずる「メトローズ」の称呼とは、語尾における「ス」の清音と、長音を伴う濁音「ズ」の差異を有するものであり、該差異音が称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が相違し、十分に聴別し得るものである。

また、本願商標と引用商標とは、構成全体の外観において明確な差異を有しており、観念においては、引用商標が特定の観念を有しない造語であることから、両者を比較することができない。

そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれよりみても、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

(3)まとめ

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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