Trademark Appeal Case
品質表示と商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−9391(T2010−9391/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「MOUTON FLEECE」の欧文字と「ムートンフリース」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成20年12月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中の『MOUTON』『ムートン』は、『羊の毛皮』を意味し、『FLEECE』『フリース』は、『長いけばで覆われた高級毛織物、毛足の長い柔らかな両面起毛のコート地』を意味し、外来語(『フリース』)としても一般に使用されている語であるから、全体としてみても『羊の毛皮を使ったフリース』の意味合いを認識させるものである。そうすると、本願商標をその指定商品中『羊の毛皮を使用したフリースを原材料とした商品』について使用しても、単に商品の原材料、品質を表示するにとどまるものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「MOUTON FLEECE」の欧文字と「ムートンフリース」の片仮名文字とを上下二段に書してなるところ、その構成中「MOUTON」「ムートン」の文字は、「羊の毛皮のこと。」の意味を有するものとしてよく知られているものである。また、「FLEECE」「フリース」の文字は、「紡毛織物の一種。外観が羊毛のフリース状であるところから名づけられた名称。」の意味を有する(いずれも、「新田中千代服飾事典」同文書院)ものであるが、現在では、「パイル状の両面起毛素材。群を抜く肌触りの良さ、伸縮性、速乾性があり、しかも軽量という特性がスキー、アウトドア・スポーツ向けの適材として人気がある。現在では、極細ポリエステル使いのものが一般的である。」の意味を有する(「新ファッションビジネス基礎用語辞典」チャネラー)ものとして、一般によく知られているところである。
そして、本願の指定商品を取り扱う分野においては、例えば、ムートンを用いたコートやブーツなど、また、フリース製のトレーナーやジャンパー、手袋や帽子など様々な商品が広く流通しているところである。
そうすると、本願商標は、このような商品の品質、原材料を表示する語として知られている「MOUTON」「ムートン」の文字と「FLEECE」「フリース」の文字を並べて「MOUTON FLEECE」、あるいは、結合して「ムートンフリース」と表示したにすぎないものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、「ムートンを用いたフリース素材」という程の意味合いとして理解するものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、例えば、「ムートンを用いたフリース素材の被服」などの「ムートンを用いたフリース素材の商品」について使用するときは、取引者、需要者は、商品の品質、原材料を表したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当である。
また、本願商標を上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人は、本願商標は、「本願商標中の『MOUTON(ムートン)』の文字が『羊の毛皮』等の意味を有し、『FLEECE(フリース)』の文字が『羊の毛、ないしは羊の毛状の両面起毛』等の意味を有する語として、いずれも一般によく知られているとして、これらを組み合わせた『MOUTON FLEECE』の文字より『羊の毛皮を使用したフリース』ほどの意味合いを理解する場合があるとしても、これより、直ちに拒絶理由の如き意味合いを想起し、その商品の品質を直接的、かつ、具体的に表示する商標と認められるものではなく、むしろ構成文字全体をもって一種の造語として認識し把握されるべき商標」である旨、主張する。
しかしながら、本願の指定商品との関係において、本願商標を構成する「MOUTON」「ムートン」の文字と、「FLEECE」「フリース」の文字は、それぞれ一般によく知られている品質、原材料を表す語であるから、たとえ、これらの語を連ねても、「ムートンを用いたフリース素材の商品」であることを表したものと容易に理解されるものであって、商品の品質、原材料を表示したものと認識される商標であることは、前記認定のとおりであるから、請求人の主張を認めることはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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