Trademark Appeal Case
地模様の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−8044(T2009−8044/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、後掲のとおりの構成よりなり、第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年1月25日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成が散漫かつ不鮮明で、自他商品の識別標識として機能する要部を特定できないとみるのが相当であり、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することはできないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調を行ったところ、別掲1に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成22年5月17日付けで証拠調の結果を通知した。
第4 職権証拠調に対する請求人の意見の要点
請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対して、平成22年7月20日付けの意見書において、「多数の花及び草の模様を特別の規則性を持たせずに配してなるにすぎない」ことをもって、「地模様」と認定することは妥当でなく、本願商標は、全体的に統一感のある図形として特徴を有するものであるから、本願商標は地模様と認識されるに止まると断定されるべきものではない旨、述べ、証拠方法として、甲第4号証ないし甲第7号証の2を提出している。
第5 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、後掲のとおり、形状の異なる多数の花及び草と思しき図形からなる模様を透過色の柳色で特別の規則性を持たせずに配してなり、その構成は散漫なものである。
そして、本願商標からは、特徴的な形態は見いだせず、これよりは何らの特定の称呼及び観念を認識させるものではないから、いわゆる構成散漫な地模様と認識させるものである。
また、本願商標は、構成全体のみならず、自他商品の識別機能を果たすような特徴的な部分を見いだすことはできないものである。
2 本願の指定商品を取り扱う業界における取引の実情について
別掲の「証拠調べ通知の内容」中、1の事実より、本願の指定商品を取り扱う業界においては、例えば「生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,衛生又は生理用パンティライナー,失禁用ナプキン,失禁用パッド,失禁用パンツ,失禁用ライナー」等の商品の一部に、1(1)「プリント付きナプキン」、1(4)「デザイン通気性バックシート」、又は、2(1)「フラワーデザインシート&デザインラップ」と称して、多数の花又は草の模様等を配した図形が表され、あるいは、1(4)「おしゃれなデザイン個装」と称し、その商品の販売用の包装パッケージに、商品名及び会社名等の表示と共に、形状の異なる多数の花又は草の模様等を配して背景図形等として記載されていることが一般的に認められる。
また、前記の各指定商品を取り扱う業界においては、その商品の性質より、芳香成分の香りとともに一般的に可愛い又はさわやかなイメージを想起させる花や草の模様を商品や商品の販売用の包装パッケージ等の背景図形等として普通に採択、使用されている事実が認められるものである。
次に、「証拠調べ通知の内容」中、2の事実より、本願の請求人(出願人)による使用の事実についても、前記のとおり、多数の花又は草の模様等を認識させる図形を背景として、その商品の商品名、商品のイメージ図及び会社名等を表示して使用している事実が認められるところ、当該図形部分のみを表示することによりその商品を取引・流通させ、その結果、当該図形部分が自他商品を識別する標識として機能しているとする事実は認めることができなかった。
3 平成22年7月20日付けの意見書における、請求人の主張について
請求人は、「多数の花及び草の模様を特別の規則性を持たせずに配してなるにすぎない」ことをもって「地模様」と認定することは妥当でなく、本願商標は、全体的に統一感のある図形として特徴を有するものである旨、主張している。
しかしながら、本願商標は、前記1の認定のとおり、形状の異なる多数の花及び草の模様を特別の規則性を持たせずに配してなるにすぎないものであり、これよりは自他商品の識別機能を果たすような特徴を見いだすことはできないものと認められる。
そして、前記2の本願の指定商品を取り扱う業界の取引の実情より、例えば、商品又は商品の販売用の包装パッケージ等に使用されている背景図形と同様に、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、形状の異なる多数の花及び草の模様が特別の規則性を持たない構成散漫な地模様であると認識させるものであると判断するのが相当である。
また、地模様であっても、特徴的な形態を見いだせれば、自他商品の識別機能を有する場合もあり得るが、本願の態様の地模様においては、地模様の形態を超えて自他商品識別機能を果たすことができるような特徴的な部分を見いだすことはできず、これよりは、何らの特定の称呼及び観念を認識させるものでなく、全体的に統一感のある図形と言うべき理由を見いだすことはできない。
よって、請求人の前記の主張は採用することはできない。
4 まとめ
以上の事実を総合勘案すると、本願商標は、その指定商品との関係においては、商品又は商品の販売用の包装パッケージ等に一般的に使用されている背景図形としての地模様、又は商品に付される地模様のみからなるものであると認識されるに止まるものと認められる。
よって、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、前記のとおり構成散漫な背景図形等としての地模様と認識させるに止まるために、商標全体として需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することはできず、結果として、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認められる。
なお、請求人は、地模様に係る過去の登録例を挙げて、本願商標も識別力を有する旨述べるが、請求人が引用する登録例は、本願商標とは、構成態様等が相違するものであって、事案を異にするものであり、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるものであるから、それらの登録例により前記認定が左右されるものでない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
後掲 本願商標(色彩については原本を参照)
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。