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結論

勝訴(請求認容)

商標「株式会社TATSUMI」と「巽の酒」の商号略称の称呼類似性(第4条第1項第11号|審判不服2010−12974(T2010−12974/J1))

審判番号
不服2010−12974(T2010−12974/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「株式会社TATSUMI」引用商標「巽の酒」
争点(論点)
商号略称の称呼類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2010−12974(T2010−12974/J1)・不服)は、本件商標「株式会社TATSUMI」と引用商標「巽の酒」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「商号略称の称呼類似性」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「株式会社TATSUMI」の文字を標準文字で表してなり、第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務とし、平成19年4月2日に登録出願された商願2007−30731に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成20年8月26日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4990332号商標(以下「引用商標」という。)は、「巽の酒」の文字を標準文字で表してなり、平成18年2月13日に登録出願され、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年9月22日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、前記1のとおり、「株式会社TATSUMI」の文字よりなるところ、その構成中に法人格を表す語である「株式会社」の文字を有することから、全体として商号を表示したものと認識、把握されるものであるが、簡易迅速を尊ぶ商取引の場においては、本願商標から、法人格を表す部分を省略して「TATSUMI」と略称される場合も決して少なくないというべきである。

そうとすれば、本願商標からは「カブシキカイシャタツミ」の一連の称呼のほかに、「TATSUMI」の文字部分から「タツミ」の称呼をも生じ、かつ、該文字は特定の意味合いを有しない造語というべきである。

(2)引用商標

引用商標は、前記2のとおり、「巽の酒」の文字よりなるところ、各文字は同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔により外観上まとまりよく表されているところ、その構成中、たとえ「酒」の文字が、その指定商品との関係において、商品の品質等を表す文字部分であるとしても、引用商標の係る構成においては、その構成文字全体をもって、一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、引用商標からは、その構成文字全体に相応して「タツミノサケ」の称呼のみを生ずるというべきであり、また、「タツミノサケ」の称呼は、6音と決して冗長とはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものである。

さらに、引用商標は、「南東の方角」(広辞苑第六版)等の意味を有する「巽」の文字と「酒」の文字とを、場所等を示す格助詞「の」を介して表されていることから、これより「南東の酒」程の意味合いを暗示させる場合があるものの、造語と認識されるとみるのが自然である。

(3)本願商標と引用商標の類否

本願商標と引用商標との外観については、それぞれ前記(1)及び(2)のとおりであるから、十分に区別できるものである。

また、本願商標から生じる「カブシキカイシャタツミ」又は、「タツミ」の称呼と、引用商標から生じる「タツミノサケ」の称呼とは、音数が異なるうえに、語感、語調も異なることから、称呼においては明らかな差異を有するものである。

さらに、本願商標と引用商標との観念については、それぞれ共に造語であることから比較し得ないものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。

(4)まとめ

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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