Trademark Appeal Case
大統領関連商標の公序良俗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第12098号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示した構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として平成8年2月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、その構成中に『The white House President Collection』の文字を有してなるが、これは『ァメリ力大統領の収集品(好みの商品)』の意を容易に看取させるところ、米国の元首にかかる商品であるかの如く認識させる標章を、出願人の独占に係る商標として登録することは、ァメリ力国民の心情を害するおそれがあり国際信義上、穏当でないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成中に「The white House President Collection」の文字を有してなるところ、「The white House」の語は「米国大統領官邸」を意味するものとして我が国において広く知られており、この語に続く「President」が「大統領」、「Collection」が「収集」という親しまれた意味を有することからすれば、簡易迅速を旨とする商取引の場において、この文字に接する取引者、需要者は、その有する意味を厳密に解釈して把握するというよりも、直感的に「米国大統領の収集品」の如き意味合いを想起するとみるのが相当である。
しかも、上部の図形は西洋の紋章と思しき図形を表してなるものであり、紋章は家柄・家系・団体などを表すものであることから、本願商標は、全体として、米国大統領という職責に関連のある商品を想起させる構成よりなるものというべきである。
しかして、米国大統領は米国政府を代表する職責の地位にある者であり、同国民のシンボルともいうべき存在の者でもある。
このような公的地位にある米国大統領を想起させる本願商標を一個人である出願人が、私的独占使用の目的を以て採択することは、米国大統領の地位に付随する印象にフリーライドするものであって、社会の一般的道徳観念に反し、かつ、これを商標として登録することは、我が国の米国に対する国際信義にも反するものであり、公の秩序を害するおそれがあるというべきである。
なお、請求人は登録例を提示しているが、これらとは異なる判断がされた事例(昭和60年審判第2314号審決、平成3年6月13日 審決公報第3699号)も存在し、本願商標のみが登録を拒絶されているとはいえないものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する商標というべきであるから、この理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当なものであり取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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