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Trademark Appeal Case

普通名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−8918(T2009−8918/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ゆうこう」の文字を標準文字で表してなり、第31類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年2月23日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同19年11月8日受付の手続補正書により、第31類「果実」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、その指定商品である「果実」との関係においては、「長崎県及び佐賀県に自生する香酸柑橘類の一種」である「ゆうこう」を表したものと理解・把握されるとみるのが相当である。

そうすると、「ゆうこう」の文字からなる本願商標は、その指定商品に使用するときには、「ゆうこう」の果実であることを表示したものとして看取させるにとどまり、単に商品の品質等を表示してなるにすぎないものといわなければならない。また、本願商標を「ゆうこう」以外の果実に使用したときは、品質の誤認を生ずるおそれがあるものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するものである。

3 当審における審尋

当審における証拠調べの結果、別掲のとおりの事実を発見したので、請求人に対して、平成22年10月1日付け審尋を通知した。

4 審尋に対する請求人の対応

前記審尋に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人は、所定の期間を経過するも回答書(意見書)を提出していない。

5 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「ゆうこう」の文字を標準文字で表してなるところ、前記3の審尋に記載したとおり、該文字は、新聞記事情報やインターネットのウェブサイト情報によれば、その指定商品である「果実」との関係において、「長崎県及び佐賀県に自生する香酸柑橘類の一種」である「ゆうこう」の名称を表したものとして理解されるというのが相当である。

そうすると、本願商標をその指定商品「果実」に使用するときは、「(果実の)ゆうこう」であることを表示したものとして理解されるにとどまり、単に商品の品質を表示してなるにすぎないものであり、また、本願商標を「(果実の)ゆうこう」以外の果実に使用したときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものであるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲(審尋の内容)

本願商標は、「ゆうこう」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標を構成する「ゆうこう」の文字に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。

1 インターネット情報よれば、「ゆうこう」の文字が指定商品「果実」との関係において、商品の品質を表示する文字として使用されている事実について

(1)東京財団のホームページ(http://www.tkfd.or.jp/research/project/sub1.php?id=52)において、「政策研究 第6弾『ゆうこう』」の見出しのもと、「『ゆうこう』は、最近になって『再発見』された在来香酸カンキツの一つである。・・・『ゆうこう』は、長崎県長崎市の土井首(どいのくび)地区と外海(そとめ)地区などで実生している。2つの地域は、江戸時代、同じ佐賀領だったという共通点があるが、20km近く離れていて、それぞれ独自に発展してきたとされている。その他土井首の周辺地区でも『ゆうこう』の存在が確認されている。また、同じ佐賀領で、現在、佐賀県唐津市馬渡島(まだらじま)にも、野生化した『ゆうこう』が確認されている。」 の記載がある。

(2)「みろくや」のホームページ(http://www.mirokuya.co.jp/mlmag/archive/vol297.html)において、「【長崎の古き良き果実・ゆうこう】(2007/12/26)」の見出しのもと、「『ゆうこう』は、ユズ、カボス、スダチ、レモンといった香酸柑橘類の一種です。見た目はユズや日向夏に似て、冬場の収穫時の色合いはレモンイエローならぬ『ゆうこうイエロー』と表現したくなるような明るくてやさしい黄色です。香りは、ユズよりも甘くまろやか。果肉は瑞々しくやわらかで、苦味がほとんどなく、レモンをかじった時のようなしかめっ面にはなりません。他の香酸柑橘類と同じように、主に肉料理、魚料理、酢の物などの調味料や薬味として使います。」 の記載がある。

(3)「環境goo 美しい味の日本」のホームページ(http://eco.goo.ne.jp/food/nippon/interview/08/01.html)において、「『幻の香酸カンキツ“ゆうこう”』ってなに?」の見出しのもと、「そんな香酸カンキツの中の『ゆうこう』は、身近にあるのが当たり前で人々が気に留めなかったのか、近年になって長崎県長崎市土井首(どいのくび)地区と外海(そとめ)地区に伝わる独自の在来種であると位置づけられたが、その来歴は未だに不詳である。・・・また、同じ佐賀領で佐賀県唐津市馬渡島(まだらじま)にも、野生化した『ゆうこう』が確認されており、これらは隠れキリシタンという共通点があるが、キリシタンが多く住みついた五島に『ゆうこう』の生息が確認されてないことから、決定的な因果関係は確認できていない。この2つの地域は、もともと半農半漁の暮らしが営まれ、地形的に傾斜は急で、耕地は狭小、主としてサツマイモや麦、アワやキビなどが栽培され、『ゆうこう』は、自給的な食材として人々の生活に欠かすことが出来ない存在だったとされている。」 の記載がある。

(4)「長崎市」のホームページ(http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/shoku/foods/dentou.html)において、「ながさきの食トップ > 長崎の食材 > ながさき伝統野菜」の見出しのもと、「ゆうこうの特長 〜歴史が漂う新種の果実〜 土井首地区と外海地区を中心に古木が生息しています。果実の形は、150g程度あり、一見ユズやカボスに似ており、果肉は、やわらかく、酢ミカンらしい味ですが香りはザボンやユズに似て甘い香りです。10月より収穫し、2月まで続きます。飲料・調味酢・マーマレード・ローション・料理への食材など幅広く利用されています。」 の記載がある。

(5)「長崎県JA」のホームページ(http://www.nagasakiken-ja.com/modules/d3blog/details.php?bid=455)において、「伝統柑橘『ゆうこう』使った加工品の開発へ JA長崎せいひ」の見出しのもと、「JA長崎せいひが運営する道の駅『夕陽が丘そとめ』(長崎市東出津町)は、地域の伝統柑橘(かんきつ)『ゆうこう』の販路開拓に力を入れています。新たな『特産品』として知名度を上げつつある『ゆうこう』ですが、特産化のためにはさらに生産量を増やすことと加工品の充実が不可欠。このため、加工品の商品開発に向けた取り組みが本格的に始まりました。『ゆうこう』は同市外海町に古くから自生。日向夏やユズに似ていますが、苦味成分をほとんど含んでおらず、さわやかな香りとまろやかな酸味が特徴。伝統的な食文化を守ろうと、スローフード協会国際本部(イタリア)が進める「味の箱舟」計画の認定品目の一つです。」 の記載がある。

2 新聞記事情報よれば、「ゆうこう」の文字が指定商品「果実」との関係において、商品の品質を表示する文字として使用されている事実について

(1)「(西方見聞録)伝統野菜、復活へ着々 /長崎県」の見出しのもと、「『長崎赤かぶ』や『長崎白菜』など、地域で古くから栽培されている伝統野菜を復活させようという動きが広がっている。まずは地元で消費を増やし、将来は大都市圏への進出を目指す。・・・農家の取り組みを後押ししようと市は昨年秋、伝統野菜の料理法や栄養分を紹介するパンフレットを1万部作成し、市内のホテルや飲食店などに配布。『辻田白菜』『長崎赤かぶ』『長崎白菜(唐人菜)』『紅大根』『長崎たかな』、柑橘(かんきつ)類の『ゆうこう』の6種類を重点的にPRしている。」 の記事がある。(2007.02.16 朝日新聞 西部地方版)

(2)「[焦点深度]復活! 伝統野菜 食の安全性や地産地消ブーム追い風=長崎」の見出しのもと、「◆農業振興の起爆剤に期待 脂質代謝にゆうこう効果/長崎赤かぶ、長崎白菜、紅大根、辻田白菜、長崎たかな、ゆうこう・・・長崎市で、地域の風土にはぐくまれ、独特の風味を誇る『伝統野菜』が復活の声を上げている。長崎赤かぶ、長崎白菜、紅(あか)大根、辻田白菜、長崎たかな、ゆうこう−−。古くから市民に郷土料理の食材としてなじみ深かったが、病害虫に弱く、栽培に手間がかかるなどの理由で生産量は減り、衰退していった。しかし、食の安全性や地産地消への関心が高まるなか、行政の支援を受けて、少しずつ生産量が増えている。」 の記事がある。(2007.06.10 読売新聞 西部朝刊)

(3)「長崎さしすせそ:す)伝統柑橘・ゆうこうに光 /長崎県」の見出しのもと、「・・・長崎市東出津町の道の駅『夕陽(ゆうひ)が丘そとめ』のレストランでは昨年12月、珍しい柑橘類を使った新たなポン酢がデビューした。使われているのは『ゆうこう』の果汁。レモンやゆずに比べて酸味がまろやかで甘く、苦みが少ないのが特徴という。・・・ゆうこうは、長崎では『古くて新しい』柑橘類だ。かつて、ある地域では一家に一本生えているほど身近なものだったという。魚料理に搾り、竹をストローのように刺して果汁を飲むこともあった。」 の記事がある。(2010.01.05 朝日新聞 西部地方版)

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