Trademark Appeal Case
ワイヤーソーイングの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第12082号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「ワイヤーソーイング」の片仮名文字を書してなり、第37類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成6年6月7日に登録出願されたものである。
2.原査定
原査定は、「本願商標は、指定役務との関係では『ワイヤーロープにダイヤモンド砥粒入りの焼結体リングを一定の間隔で装着したものに張力を与えながら走らせ、鉄筋コンクリート製の建造物などを切断・解体する工事』の意味合いを認識させるものであるから、これを本願の指定役務中、前記に照応する役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶した。
3.当審の判断
(1) 本願商標は、上述したとおり「ワイヤーソーイング」の文字よりなるところ、該文字は、例えば次のように用いられている事実がある。
(i)インターネットに掲載されているワイヤーソーイング工法協会(本部事務局:(株)ダイテックコーポレーション内(京都市))のホームページ(http://www.adp.ne.jp/di-tech/WMA/index.html)によれば、「ワイヤーソーイング工法とは、建築構造物の解体工法の一つである切断工法の分野に属し、我が国においては、86年に実用化されたものである。工法の特徴としては、被切断体の形状や厚みに制限されることなく切断ができる上、低振動、低騒音であり、環境特性や作業特性に優れた工法である。また、工法の用途としては、ビル構造物の分割や切断を始め、水中構造物、橋梁、橋脚など建築構造物の解体に用いられている。
そして、この工法は、切断用ビーズをはめ込んだエンドレス状ワイヤーソーを被切断体に巻き付け、駆動機によって張力を与えながら循環走行させることによって被切断体を切断するものであり、このワイヤーソーは、スチールワイヤーに切削用のダイヤモンドビーズを等間隔にはめ込んだものか、または固定し、中間スペーサーとしてスプイングやナイロン、ゴム糸の樹脂等を装着したものである。」旨の記載がある。
(ii)さらに、「ワイヤーソーイング」の語が用いられている業界専門紙新聞の記事は次のとおりである。
(イ)1996年10月21日付「日刊建設通信新聞」の「南大阪湾岸防潮堤撤去など、...」をタイトルとする記事参照。
(ロ)1997年3月27日付「日刊建設通信新聞」の「公示情報・横浜市水道局」をタイトルとする記事参照。
(ハ)1999年11月9日付「日刊建設通信新聞」の「総合評価方式採用・今井1号橋撤去工事実施」をタイトルとする記事参照。
(ニ)1999年9月16日付「日経産業新聞」の「木曽海老屋、ダブルエス、ダイヤモンドカッター、...」をタイトルとする記事参照。
(2) この事情よりすれば、「ワイヤーソーイング」とは、「ワイヤーソーを用いた解体工法」の工法名ということができ、この工法は、ワイヤーソーをコンクリート構造物に環状に巻き付け、高速循環させることによって構造物を切断するものであって、解体の際に生ずる周辺への飛散落下、騒音、振動、粉塵等の発生が少なく、周辺環境への影響も低減されるという特徴を有するものである。
(3) そうとすれば、本願商標は、「ワイヤーソーイング」の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これをその指定役務中「ワイヤーソーイング工法による解体に関する役務」について使用するときは、単に役務の質(内容)を表示したものと認識するにすぎず、自他役務識別標識としての機能を有しないものというべきである。
また、本願商標は、前記役務以外の役務について使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものと言わなければならない。
(4) したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であってこれを取り消すことはできない。
なお、原査定では、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶したが、商標及び指定役務に係る実体的判断については結論に影響を及ぼさないものであるから、上記のとおり判断した。
よって、結論のとおり審決する。
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