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Trademark Appeal Case

「安心弁護士」の識別性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−503(T2010−503/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「安心弁護士」の文字を標準文字により書してなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年8月2日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、平成20年10月10日付け手続補正書により、第45類「法律相談,電話による法律相談,訴訟事件その他に関する法律事務,法律事務に関する助言又は情報の提供,法律に関する助言又は情報の提供」と補正されている。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、指定役務との関係では、『(法律相談などを依頼しても)不安や心配がない弁護士』程の意味合いを認識させるに止まる『安心弁護士』の文字を書してなるから、これを本願指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、前記1のとおり、「安心弁護士」の文字よりなるところ、「広辞苑第6版」によれば、その構成中前半の「安心」の文字は、「心配・不安がなくて、心が安らぐこと。また、安らかなこと。」を意味する語であり、また、同後半「弁護士」の文字は、「当事者その他の関係人の依頼または官公署の委嘱によって、訴訟に関する行為、その他一般の法律事務を行う者。」を意味する語として、いずれも一般に広く知られた語といえるものである。

そして、本願の指定役務を提供する弁護士事務所等において、例えば、債務整理、離婚事件など特定分野の争いに強いことや、弁護士費用が明確で安心なこと、信頼と実績があって安心なこと等をアピールするためなどに、「安心」の文字が誇称的に使用されているところ、それらの実情は、原審における例示だけでなく、当審における以下のインターネット情報においても同様な実情が多数見受けられることからすれば、十分に裏付けられるというべきである。

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ケ 「当事務所の理念と4つの安心」、「当事務所は,もっと多くの多重債務で困っている方の力になりたい,・・この理念を実践するため,当事務所は皆さんの弁護士に対する不安を解消するため『4つの安心』をご用意しています。」(http://www.adire.jp/office/anshin.html)

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上記の実情を総合考慮すれば、本願商標を「法律相談」等の弁護士業務に関連する役務について使用した場合には、単に「安心して法律相談できる弁護士(事務所)」であることを認識、理解させるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当であって、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「安心弁護士」の語が、本願指定役務について我が国市場において一般に広く使用される事実は皆無であり、インターネットで検索しても「(法律相談などを依頼しても)不安や心配がない弁護士」を表現する語として広く普通に使用されている事実は見出せない。したがって、その指定役務の質を直接的かつ具体的に表示するものでない以上、全体をもって造語と認識され、自他役務識別標識としての機能を果たしうるものである。」と主張している。

しかしながら、「安心弁護士」の語が、たとえ、本願指定役務について、一般に広く使用されている事実がないとしても、我が国において親しまれている語を適宜結合させて、一定の意味合いを表す用語として使用することはしばしば見受けられるところであり、本願商標の場合も、その構成文字全体からは、容易に「安心して依頼できる弁護士」程の意味合いを認識させるものであることは前記(1)のとおりであって、自他役務の識別力を有するものとは認め難いから、請求人の主張は採用することができない。

また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標は自他役務の識別力があり、登録されるべきものである旨主張しているところ、請求人が主張する過去の登録例にかかる商標は、本願商標とその構成態様及び指定役務を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであるから、請求人のその主張も採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消す限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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