Trademark Appeal Case
簡単文字と略称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−25386(T2009−25386/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「W広域イーサ」の文字を標準文字で表してなり、第38類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年5月14日に登録出願されたものである。
その後、指定役務については、原審における平成20年5月7日付け手続補正書により、別掲1のとおりに補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、簡単、かつ、ありふれたローマ文字1字「W」の文字と拠点ごとに通信事業者の網に接続するWANサービスの一つである「広域イーサネット」の略称と認められる「広域イーサ」の文字を結合して「W広域イーサ」の文字を標準文字で表してなるにすぎないものであるから、これを本願指定役務について使用しても自他識別標識としての機能を果たし得ないものであって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標ある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号について
本願商標は、「広域イーサ」の文字に「W」の欧文字を冠して一連に「W広域イーサ」と表してなるところ、その構成文字全体をもって特段の意味を有するものではないこと、また、「W」と「広域イーサ」とは欧文字と我が国で一般的に使用されている漢字及び片仮名文字という異なる種類の文字であることから、視覚的に分離して把握される場合も少なくないものである。
そして、通信事業関連の役務における業界において、「広域イーサ」の文字は「通信事業者のネットワークサービスとユーザー宅の間のインターフェースにイーサネットを使用した広域通信サービス」(通信ネットワーク用語事典改訂第5版(株)秀和システム発行)を意味する「広域イーサネット」の略称として使用されていることが、別掲2のインターネット情報からも十分裏付けられるところである。
また、欧文字1字は、多くの産業分野において、商品・役務の規格、等級、型番、型式等を表すための記号、符号として一般的に採択、使用されることが多いものであって、それのみでは「極めて、簡単で、かつ、ありふれた標章」(商標法第3条第1項第5号参照)であるといわざるを得ないものである。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定役務中、通信に関連する役務である第38類「電気通信(放送を除く。),テレビ会議通信,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用したメッセージ・音楽・映像・画像・文書・データ・文字情報の通信及びこれらに関する情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した番組放送スケジュールに関する情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用したデータ通信,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した通信ネットワークへの接続の提供及びこれに関する情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した通信ネットワークへの接続の提供に関するコンサルティング,その他の電気通信に関する助言(放送を除く。),音声・文字データ・画像の伝送交換,通信機能を有するテレビゲーム機(家庭用及び業務用を含む)による通信,オンデマンド方式による映像・音声の伝送交換,電子計算機端末その他の通信機器による通信,電子メール通信,複数宛先に同時に送信する電子メール通信,電子メールの自動転送,電子掲示板通信,電子データの自動転送,データ通信に関する情報の提供,人工衛星による通信,人工衛星を利用した伝送交換,付加価値通信網による通信,付加価値通信網の提供,電子計算機端末その他の通信機器を利用した通信に関する情報の提供,電気通信に関する情報の提供」に使用しても、「Wの規格による広域イーサネットによる通信であること」程の意味合いを認識させるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張
請求人は、本願商標が全体として、具体的且つ直接的な表示として、一般的な記述的表示として普通に使用されている事実がないので、自他役務の識別標識の機能を有しているものであって、また、本願商標が視覚的にも分離して把握される場合があっても、構成文字数が少なく、同書同大で外観上まとまりよく一体的に表されており、又、構成音数も、特に冗長ではないため、分離して判断されるものではない旨主張している。
しかしながら、本願商標が自他役務の識別標識の機能を有するか否かについては、商標の使用の有無に関わらずその指定役務に係る取引者、需要者が、本願商標に接した場合に、これをどのように認識し理解するかが重要なのであって、本願商標の表示自体も格別請求人のみによる特異な表示方法とはいえないものであって、また、本願商標が、分断されて認識されるかどうかは、視覚上による把握、構成文字数及び構成音数等のみによって決せられるものではなく、それぞれの構成態様や取引の実情などを考慮し、個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人の主張は採用することはできない。
さらに、請求人は、過去の審決例及び登録例をあげ本願商標が登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、前記のとおり、登録性の判断については個別具体的に判断されるべきものであることからすれば、請求人の主張している審決例及び登録例の存在をもって本件の判断が拘束されるものでもないから、かかる請求人の主張は採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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