Trademark Appeal Case
称呼・外観と商品役務の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−141(T2010−141/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年4月2日に登録出願されたものである。
そして、指定商品については、原審における同20年5月9日受付の手続補正書によって、第35類「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食器類その他の台所用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,灰皿の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,キャンドルスタンドの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(1)ないし(4)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2694484号商標(以下「引用商標1」という。)は、「日賀志屋」の漢字と「HIGASHIYA」の欧文字を二段に書してなり、平成4年2月25日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年9月30日に設定登録され、その後、同16年10月26日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、指定商品については、同17年2月16日に第6類「金庫,金属製建具,金属製靴ぬぐいマット,金属製立て看板,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の墓標及び墓碑用銘板」、第11類「火鉢類」、第14類「貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて」、第16類「紙製テーブルクロス」、第17類「農業用プラスチックフィルム」、第19類「建具(金属製のものを除く。),灯ろう,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」、第20類「家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工池,葬祭用具」、第21類「花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴,ガラス製又は磁器製の立て看板,香炉」、第22類「日よけ,雨覆い,天幕,日覆い,よしず」、第24類「織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕」、第26類「造花の花輪」、第27類「畳類,敷物,壁掛け(織物製のものを除く。),人工芝」及び第31類「生花の花輪」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(2)登録第3161249号商標(以下「引用商標2」という。)は、「日賀志屋」の漢字と「HIGASHIYA」の欧文字を二段に書してなり、平成5年3月12日に登録出願、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜き,大根卸し,タルト取分け用へら,なべ敷,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,魚ぐし,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),電気式歯ブラシ,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ,ブラシ用豚毛,洋服ブラシ,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,かいばおけ,家禽用リング,アイロン台,霧吹き,こて台,へら台,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,小鳥かご,小鳥用水盤,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,家庭用燃え殻ふるい,石炭入れ,紙タオル取り出し用金属製箱,靴脱ぎ器,せっけん用ディスペンサー,寝室用簡易便器,トイレットペーパーホルダー,貯金箱(金属製のものを除く。),ねずみ取り器,はえたたき,湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),コッフェル」を指定商品として、同8年5月31日に設定登録され、その後、同18年6月13日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第4013938号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成6年12月20日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品として、同9年6月20日に設定登録され、その後、同19年9月4日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(4)登録第4994644号商標(以下「引用商標4」という。)は、「日賀志屋」の漢字と「HIGASHIYA」の欧文字を二段に書してなり、平成17年12月9日に登録出願、第34類「紙巻きたばこ用紙,たばこ,喫煙用具(貴金属製のものを除く。),マッチ」を指定商品として、同18年10月13日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。
3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、黒色で横長の長方形の中に、白抜きで囲われた図形を配し、その右側に「HIGASHIYA」の白抜き文字を書してなるものである。そして、その構成において、図形部分と文字部分は、一体の構成というほどのものではなく、それぞれが自他役務の識別標識としての機能を有するものと認められるものである。
そうすると、該「HIGASHIYA」の文字部分からは、その構成文字に相応して「ヒガシヤ」の称呼を生ずるものである。また、その構成中の「YA」の部分を「屋」としてみた場合には、これが商号と理解されることがないとはいえないが、該欧文字に該当する漢字の名称が多数あることからすれば、これより直ちに特定の商号などが想起されるものではないから、「HIGASHIYA」の文字よりは、特定の意味合いを生じないものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して「ヒガシヤ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
また、図形部分は、その態様において特定の称呼及び観念を生じないものである。
一方、引用商標1、引用商標2及び引用商標4は、「日賀志屋」の漢字と「HIGASHIYA」の欧文字を二段に書してなるところ、その構成中の「日賀志屋」の文字が「屋」の文字をその末尾に有するとしても、これが一般に屋号として知られているものとはいえないことから、「日賀志屋」及び「HIGASHIYA」の文字よりは、特定の意味合いを生じないものというのが相当である。
してみれば、引用商標1、引用商標2及び引用商標4は、その構成文字に相応して「ヒガシヤ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
引用商標3は、別掲2のとおり、四角い枠線の中に「日」「賀」「志」「屋」の文字を有してなるものであるところ、その構成は、あたかも印章を押印したかのように見えることから、「日賀志屋」の文字を理解させるものである。
そうすると、引用商標3は、「日賀志屋」の文字については上記したとおりであるから、その構成文字に相応して「ヒガシヤ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
してみれば、本願商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標4とは、観念において、両者は、特定の意味合いを有しないものであるから、比較することができないものであるとしても、外観においては、「HIGASHIYA」の欧文字について、その綴り字を同じくするものであって、かつ、称呼においては、共に「ヒガシヤ」の称呼を共通にするものであるから、相紛らわしい類似の商標といわざるを得ない。
また、本願商標と引用商標3とは、外観において相違し、観念において、両者は、特定の意味合いを有しないものであるから、比較することができないものであるとしても、称呼においては、共に「ヒガシヤ」の称呼を共通にするものであるから、相紛らわしい類似の商標といわざるを得ない。
そして、本願商標の指定役務は、引用各商標の指定商品と類似の役務を含むものである。
なお、請求人は、「そもそも『ヒガシヤ』とは、日本では非常になじみ深い言葉であり、商標や屋号として好んで使用されているものである。また、本願商標と同様に『HIGASHIYA』と検索すると、ほぼ全て出願人と関連のあるウェブサイトのみが表示される。その他、『ヒガシヤ』の称呼に相応する漢字としては『東屋』『東谷』『東家』など多数が該当し、多くのホームページが表示される。これらの事実から明らかなように、『ヒガシヤ』の称呼は日本において非常に好んで使用されるものであり、この称呼のみでは商標としての識別力はない、若しくは極めて弱いものである。そのため、本願商標及び引用各商標から『ヒガシヤ』の称呼のみを抽出して、双方類似するとの判断は、取引実情にそぐわず、失当である。すなわち、本願商標は、その図形部分とアルファベットの『HIGASHIYA』の組み合わせに識別力があるのであり、引用各商標はその漢字『日賀志屋』に識別力があるものであり、その外観の相違から、本願商標と引用各商標とは十分に区別される商標である。」旨主張している。
しかしながら、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、各構成部分を分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合したと認められない商標は、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一の商標から複数の称呼、観念が生ずることがあるのは、経験則の教えるところである(最高裁判所 昭和37年(オ)第953号 昭和38年12月5日 第一小法廷判決)。
そして、本願商標についてみれば、図形等を有するその構成を考慮してもなお、その構成中「HIGASHIYA」の文字を分離して観察するのが取引上不自然な程に不可分的とは認められず、これらを要部として、需要者がこれに印象を強く留め記憶して取引に資する場合も決して少なくないというのが取引の経験則に沿い相当というべきである。
さらに、「HIGASHIYA」の文字については、その構成中の「YA」の部分を「屋」としてみた場合には、これが商号と理解されることがないとはいえないが、該欧文字に該当する漢字の名称が多数あることは、請求人の述べるところでもあり、そうとすれば、これより直ちに特定の商号のみが想起されるものではないから、「HIGASHIYA」の文字よりは、特定の意味合いを生じないものというべきである。
してみれば、「HIGASHIYA」の文字がありふれた特定の商号などを表示したものということはできず、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというのが相当であるから、この請求人の主張は採用することができない。
その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって結論のとおり審決する。
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