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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第10号「周知Polo商標の類似性」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第18240号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第18240号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「by RALPH LAUREN(Ralph Lauren)」
争点(論点)
周知Polo商標の類似性
適用条文
第4条第1項第10号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第18240号・不服)は、本件商標と引用商標「by RALPH LAUREN(Ralph Lauren)」について、商標法第4条第1項第10号への該当性が争われた事例です。主な争点は「周知Polo商標の類似性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成8年11年25日に商標登録出願されたものである。そして、指定商品についてはその後、平成11年9月22日付け手続補正書により「被服」と補正されたものである。

2 当審における拒絶の理由の要旨

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、図形と「Polo」及び「ACTIVE」の欧文字とを配してなるものである。

ところで、馬に乗ったポロ競技プレーヤーの図形及び「POLO」「Polo」「ポロ」等の文字は、アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンが、商品「被服、装身具、香水、眼鏡」等に長年使用し、本願商標の出願前から需要者の間に広く知られている商標と認められる(以下「引用商標」という。)。

本願商標は、その構成中に「Polo」の文字を有し、これはつぎに続く「ACTIVE」の欧文字とはその態様を明らかに異にするものであるから、本願商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「Polo」の文字に注目して、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る商標を連想し、商品の出所の混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、本願商標の指定商品には引用商標に係る前記商品と同一又は類似する商品が含まれるものと認められるから、本願商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。

3 請求人(出願人)の意見の要旨

(1)ラルフ・ローレンのブランドの周知性については、そのブランドが全く紹介されていない新聞・雑誌も多数あることから、出版社の編集意図等によって異なる一部の雑誌等に掲載されたことのみをもって、直ちにそのブランドがわが国において本願商標の出願前、既に周知であったと即断すべきではない。

(2)請求人(出願人)は、本願商標の図形及び「Polo」の文字を有する部分の商標(登録第1447449号商標)を保有するが、これは請求人(出願人)の親会社がラルフ・ローレンの商標が周知となる以前に出願し、登録されたものであるところ、この商標は、ポロ競技から想案したもので、ラルフ・ローレンあるいはポロラルフローレン会社の日本進出に先駆けて使用を開始し、登録したものではなく、純粋な営業動機に基づいて出願・登録したものであって、ラルフ・ローレンの信用にフリーライドする意図のものでも、不正競争の目的をもったものでもない。

すなわち、請求人(出願人)はラルフ・ローレンの商標が周知になる以前から「Polo」の商標を保有するものであるから、前記商標と類似する本願商標は登録されるべきものである。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知性について

株式会社講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、スーツ、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN(Ralph Lauren)」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている(別掲引用商標A及び引用商標B参照)。

そして、株式会社洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報株式会社昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、株式会社スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、株式会社講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、株式会社チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、株式会社講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。

以上によれば、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類に使用する商標として遅くとも昭和55年頃までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)商標および商品の類似について

(ア)本願商標は、別掲のとおり、図形と「l」の文字を筆記体風に表した「Polo」及び「ACTIVE」の文字とを配してなるものである。

そして、該「Polo」の文字は、これが図形部分とまたは図形及び「Polo」に続く「ACTIVE」の文字とが常に一体となって把握されなければならない特別の事情があると認められるわけでなく、文字部分における「Polo」と「ACTIVE」とは一文字分程度の間隔をあけてありその態様も相違することから、視覚上も異なるものである。

したがって、本願商標における「Polo」の文字が独立して自他商品の出所表示機能を有するものと認められる。

一方、前認定のとおり周知商標の一つである別掲引用商標は、馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形及び横長四角形中に記載された「Polo」及び「by RALPH LAUREN(Ralph Lauren)」の文字を有するものであり、「ポロ」の略称でも呼ばれているものである。

そうすると、本願商標と引用商標は、「ポロ」の称呼において、また、「Polo」の綴りも同一であることにおいて共通性があり、類似する商標と認められる。

(イ)また、本願商標の指定商品「被服」は、引用商標を使用している商品「紳士服、婦人服、ネクタイ、シャツ、セーター」を含むものである。

(ウ)すると、本願商標をその指定商品に使用した場合には、前記実情から、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「Polo」の文字に注目し、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る「Polo」の商標を連想、想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

(3)請求人(出願人)は、一出版社の編集意図によるところが大きい雑誌に掲載されたからといって、ラルフ・ローレンの商標が我が国において周知になっているとはいえない旨主張している。

確かに、雑誌において、編集意図によって価値判断が異なることはあり得ることといえる。

しかし、ラルフ・ローレンの商標が有名なものになっているということは、前認定のとおり一雑誌に限ったものではないし、請求人(出願人)においても、ラルフ・ローレンの商標が周知でないとするに足りる証拠を提出しているわけではないから、その主張は採用することができない。

また、請求人(出願人)は、本願商標の図形及び「Polo」の文字を有する商標(登録第1447449号商標)を保有しており、これは請求人(出願人)の親会社がラルフ・ローレンの商標が周知となる以前に出願し、登録されたものであり、純粋な営業動機に基づいて出願・登録したものであって、ラルフ・ローレンの信用にフリーライドする意図のものでも、不正競争の目的をもったものでもないから、前記登録商標と類似する本願商標は登録されるべきものである旨主張している。

しかし、請求人(出願人)が前記登録商標を保有するか否かにかかわらず、出願に係る商標は、その商標ごとに出願時ないしは登録時において登録要件を有するか否かを判断すべきものであるから、本願商標に前記認定のとおりの登録要件を欠く理由が存する以上、その事情を考慮することはできない。請求人(出願人)の主張は採用できない。

(4)以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、本願商標の指定商品は引用商標に係る商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものであり、登録すべきものとすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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