Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−12095(T2010−12095/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「美心MX」の文字を書してなり、第16類、第29類、第30類、第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年2月17日に登録出願され、その指定商品及び指定役務については、原審における同22年1月15日受付の手続補正書により、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フイルム,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,文房具類,印刷物,プラスチック製の包装袋,包装用プラスチックフィルム」、第29類「食肉,保存加工をした肉製品,魚(生きているものを除く。),家禽肉,食用鳥獣肉,肉エキス,加工野菜及び加工果実,食用ゼリー,ジャム,フルーツソース,コンポート,卵,牛乳,その他の乳製品,粉乳(乳幼児用のものを除く。),クリーム,食用油脂,ヨーグルト,牛乳を主原料とするサンドイッチ用のスプレッド,調理済みナッツ,ピクルス,加工水産物,スープのもと」、第30類「コーヒー,代用コーヒー,茶,ココア,ココア製品,パン,ビスケット,ケーキ,スナック菓子,クッキー,クラッカー,中華風の菓子,洋菓子,ぎょうざ,しゅうまい,アーモンド入り菓子,チョコレート,スティック状のパン,パンケーキ,プディング,ペストリー,菓子,マカロニ,スパゲッティのめん,めん類,食用穀粉,穀物の加工品,はちみつ,糖蜜,酵母,ベーキングパウダー,食塩,砂糖,食酢,マスタード,こしょう,香辛料,練りわさび,ソース(調味料),サラダ用ドレッシング,ケチャップソース,カレー粉,氷,米,タピオカ,サゴ,アイスクリーム,マヨネーズソース」、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告,事業の管理,文書又は磁気テープのファイリング,書類の複製,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,郵便による広告物の配布,事業に関する指導及び助言,事業に関する情報の提供,事業の調査,事業の管理に関する助言及び指導,事業の組織に関する助言及び指導,商業又は工業の管理に関する助言,商品の実演による広告,ダイレクトメールによる広告,広告物の配布,試供品の配布,商業又は広告のための展示会の企画・運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,市場調査,市場分析,商業又は広告のための商品見本市の運営,販売促進のための企画及び実行の代理,広告物の更新」及び第43類「持ち帰り可能なレストランにおける飲食物の提供,レストラン・カフェテリアにおける飲食物の提供,ケータリング(飲食物)」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1827784号商標は、「美身」の文字と「ビシン」の文字とを二段に併記した構成よりなり、昭和58年3月29日登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同60年12月25日に設定登録され、その後、平成8年5月30日、同17年10月25日の二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同18年4月19日に第1類「工業用粉類」、第5類「人工受精用精液」、第29類「豆,食用たんぱく」、第30類「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」、第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1851762号商標は、「美身」の文字と「ビシン」の文字とを二段に併記した構成よりなり、昭和59年2月24日登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同61年3月26日に設定登録され、その後、平成8年7月30日、同18年3月7日の二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同年5月10日に第30類「菓子,パン」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第3261779号商標は、「美身」の文字と「BISHIN」の欧文字とを二段に併記した構成よりなり、平成6年4月8日に登録出願、第16類「雑誌」を指定商品として同9年2月24日に設定登録され、その後、同19年2月20日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(4)登録第4920764号商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成17年4月13日登録出願、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」及び第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,はちみつ,その他の調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」を指定商品として同18年1月13日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「美心MX」の文字よりなるところ、「美心」と「MX」の文字とは、漢字と欧文字であるうえ、その文字の太さが異なっているものであるから、視覚上、分離して観察されるものであり、当該文字を常に一体として把握、認識しなければならないという格別の事情も見当たらない。そのうえ、欧文字2文字は、商品・役務の規格、品番等を表すための記号、符号として類型的に使用されているものであるから、簡易、迅速を旨とする取引の実際にあっては、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「美心」の文字部分に着目し、当該文字部分から生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
そうすると、本願商標は、当該文字部分に相応して、「ビシン」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、各引用商標は、その構成に相応して、いずれも「ビシン」の称呼を生ずるものというのが相当である。
してみれば、本願商標と各引用商標とは、「ビシン」の称呼を共通にするものである。
また、本願商標中の漢字部分が、それぞれの漢字の意味からして、「美しい心」程の意味合いを、各引用商標中の漢字部分が、それぞれの漢字の意味からして、「美しい身体」程の意味合いを暗示させる場合があるとしても、そのいずれもが、一般に広く親しまれた成語ということはできないから、本願商標及び各引用商標ともに、明確かつ特定の観念を生ずるものとは、言い難いものである。
そうとすると、本願商標と各引用商標とは、観念において比較することはできない。
したがって、本願商標と各引用商標とは、外観上の差異を有するとしても、観念において比較することはできないものであって、「ビシン」の称呼を共通にする、称呼上、相紛らわしい類似の商標というべきである。
さらに、本願商標の指定商品と各引用商標の指定商品とは、同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、請求人は、本願商標は、同じ大きさで一体的に書されたものである、請求人は、香港最大のケータリング会社であり本願商標はその1ブランドである、インターネットでも、香港のファーストフード店として美心MXと一体的として把握されている等として、本願商標は一体的に捉えることができる旨主張する。
しかしながら、本願商標は、漢字で表された「美心」の部分と欧文字で表された「MX」の部分とに分離して観察され、常にこれらを一体不可分のものとしてみなければならないという格別の事情もないことは、上記のとおりである。また、本願商標の指定商品及び指定役務は、ファーストフード店に係る商品・役務に限られているものではないうえに、我が国ではない香港における取引の実情を、本件の審理において参酌しなければならないという理由も見当たらない。
また、請求人は、本願商標と各引用商標とは、観念上も相紛れるおそれはない旨主張する。
しかしながら、インターネット上で「美身」の語の使用例があるとしても、未だ、我が国において、一般に「美身」という語が請求人の言うような『美しい身体』という単一の意味で広く知られているとはいえず、また、同様に、本願商標中の「美心」が、単一の意味で広く知られているということもできない。してみれば、本願商標及び各引用商標からは、特段の観念は生じないというべきである。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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