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Trademark Appeal Case

RECONDITION PIANOの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第5954号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「RECONDITION PIANO」の欧文字(標準文字)を書してなり、第15類「ピアノ、電子ピアノ」及び第37類「楽器の修理又は保守」を指定商品、指定役務として、平成9年6月30日に登録出願されたものであるが、指定商品及び指定役務並びに商品及び役務の区分については、平成11年1月20日付手続補正書をもって、第15類「ピアノ、電子ピアノ」と補正されたものである。

2 原審の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『RECONDITION PIANO』と書してなるが、これは、本願指定商品(役務)との関係においては、『新品のように修理されたピアノ』の意を容易に認識させるものであるから、これを、本願指定商品(役務)中、『ピアノ・電子ピアノ』、『ピアノ・電子ピアノの修理又は保守』に使用するときは、単に、商品(役務)の品質、質を表示したにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は前記に示したとおり、「RECONDITION PIANO」の欧文字を書してなるものであるところ、その構成中の「RECONDITION」の文字部分は、「修理する,修繕する;元通りの良い状態に戻す.」等(株式会社研究社、1998年第5版34刷発行「研究社新英和大辞典」(1765頁)を意味する英語と認められ、自動車を取り扱う業界においては、「リコンディションド・エンジン」(reconditioned engine)が「再生エンジン」(株式会社山海堂、平成9年5月25日発行「自動車用語中辞典」526頁)を意味するものとして、また、「リコンディション部品」が「再生部品」(インターネット「PeterWeiisJapan」ホームページより)を意味するものとして使用されている。

さらに、コンピューター関連においては、例えば、1988年11月15日付日刊工業新聞(7頁)には、「リコンディション・サービス」について、「ユーザーが使っているコンピューターに対し、メモリーアップやモデルアップなどの性能向上を図る作業」を意味するものとして使用されていることが認められるところである。

一方、ピアノを取り扱う業界において、不要となったピアノや古くなったピアノなどを買い取り、それらのピアノを修理、部品の取り替え、塗装、調整等をして、再生し、新品同様に仕上げて販売する事例が少なくないことは、例えば、1999年11月20日付朝日新聞(夕刊9頁)の「休眠ピアノ、アンコール・・」の見出しの記事中において、「部屋の片隅で邪魔者扱いされている『休眠ピアノ』の周辺が騒がしくなってきた。ピアノの需要が高い海外に目をつけ、中古ピアノを輸出して急成長を遂げる業者が出現する一方、中古ピアノの見分け方を指南するホームページや中高年向けのピアノ教室に力を入れるメーカーも出てきた。・・名古屋市熱田区の・・は、二十年以上前から、中古ピアノを買い取って自社工場で修理、塗装して新品同様に再生させ、販売してきた。」の記載、1993年5月29日付日本経済新聞(夕刊10頁)の「ピアノに年は取らせぬ?」の見出しの記事中において、「中古のピアノが良く売れている。大手楽器メーカーが、下取りしたピアノを補修し、販売しているもので、新品で六十万円以上するピアノが二十万円台と安い。・・中古といっても弦や金具のサビを落とすだけで、新品と変わらないものもある。」なる記載、あるいは1992年8月28日付日経産業新聞(32頁)の「中古市場侮るなかれ」の見出しの記事中に、「ピアノ業界でもメーカーが中古市場に着目し始めた。・・は、中古ピアノの買い取り、補修、販売を年間五百−六百台の規模で実施している。」なる記載、1996年7月30日付日本経済新聞(地方面/静岡)の「低迷するピアノ産業」の見出しの記事中に、「かつては新品十台あたり中古は一、二台だった。現在、中小販売店では新品と中古が半々となっている。・・最近、中古専門業者の活動が活発になってきた。・・家庭から中古ピアノが流れ始めた。」などの記載より明らかであるし、また、インターネット上のホームページにおける、例えば、「下取りピアノ又は買い取りピアノを、外装のクリーニング・塗装・及び内部の消耗部品取り替え・調整修理をして新品同様に仕上げています。」(有限会社ドレミ楽器)、「当工房スタッフが、外装はもとより、内部の調整も出来るだけ新品の状態に戻し、向こう20年以上は使って頂けるよう行っていますので、自信を持ってお勧めするピアノです。」(コタニピアノ工房)、「再生ピアノとは:程度のよい中古ピアノを選定し浜松のピアノ工場にてバラし、塗装を取り、元の材料に戻し、ペーパーで擦りさらに材料を吟味して新品と同じ様に全塗装、組立、新品の鍵盤に張り替え、ハンマー、弦等のアクション部分を全てオーバーホールした新品ピアノに近い状態のピアノを再生ピアノと称します。」(ピアノ・エレクトーンリサイクル情報/名古屋市民吹奏楽団)などからも明らかである。

してみると、「RECONDITION」の語は、商品「ピアノ」について、その品質等を表示するためのものとして普通に使用されているものではないとしても、上記した今日のピアノ業界における取引の実情よりすれば、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、全体として、「古くなったピアノを修理、調整などして再生された商品」なる意味合いをもって、商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ない場合も決して少なくないものとみるのが相当である。

そしてまた、「RECONDITION」の語自体の持つ意味、該語が自動車業界ではすでに「再生」を意味するものとして使用されている実情、わが国における英語の普及状態等を考慮すると、ピアノを取り扱う業界において、「RECONDITION」(リコンディション)の語が将来的に使用される可能性は否定できず、この点からしても、本願商標は、独占適応性に欠けるものといわざるを得ない。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品中「再生ピアノ、再生電子ピアノ」について使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎず、また、上記商品以外の「ピアノ、電子ピアノ」について使用した場合は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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