1 本願商標
本願商標は、「神戸吟撰物語」の文字を標準文字で表してなり、第29類「乳製品,食肉,肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと,肉又は肉製品を主材とする惣菜,野菜又は野菜の加工品を主材とする惣菜」を指定商品として、平成21年2月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中に、兵庫県神戸市を想起させる『神戸』の文字を有するから、これを本願指定商品中『兵庫県神戸市産の商品』以外の商品に使用するときは、その商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「神戸吟撰物語」の漢字6文字よりなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ及び同間隔で、まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、本願商標の構成中「神戸」の文字は、例えば、広辞苑第六版(株式会社岩波書店 発行)によれば、「兵庫県の南東部、大阪湾に面する市。県庁所在地。政令指定都市の一つ。日本有数の貿易港で、阪神工業地帯の中核。人口152万5千。」と説明され、広く知られた地名ということができるが、「吟撰物語」の文字と結合された構成である本願商標において、その指定商品との関係を考慮すれば、該商品の産地若しくは販売地又は品質を直接的又は具体的に表示するものとして、一般に理解、認識させるものということはできない。
そうすると、本願商標は、その構成全体をもって一体的に把握される特定の語義を有しない一種の造語であると認識されるとみるのが自然である。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。