Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−9690(T2009−9690/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「LIMO」の文字を標準文字で表してなり、平成19年7月27日に登録出願された商願2007−83546を原出願とする商標法第10条第1項の規定による分割出願として、第9類「携帯用通信機械器具,携帯用通信機械器具に用いるコンピュータソフトウェア,携帯用通信機械器具に用いる電子計算機用プログラム」を指定商品として、同20年5月16日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年9月3日付け手続補正書により、第9類「携帯用通信機械器具,携帯用通信機械器具に用いる電子計算機用プログラム及びコンピュータソフトウェア」に補正されたものである 。
第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4764344号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成12年12月13日に登録出願、第9類「発光ダイオード,測定用・材料処理用・印刷用・材料試験用・品質管理用の半導体レーザー(医療用のものを除く。),光通信用の半導体レーザー,電子応用静電複写機,レーザー光源用可動式変調装置,微小光学素子,光集積回路,光電子集積回路,光学レンズ,プリズム,補正レンズ,光フィルタ(光学部品),反射鏡,回折格子」、第10類「医療用レーザー」及び第11類「電球類および照明用器具」を指定商品として同16年4月16日に設定登録され、現に有効に存続している。
第3 当審の判断
1 本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、前記第1のとおり、「LIMO」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、特定の意味を有しない造語といえるから、このような場合、我が国において一般に親しまれている英語又はローマ字風の読みに倣って発音するのが一般的である。したがって、本願商標からは、「リモ」の称呼が生じ、また、特定の観念を生じないものとみるのが自然である。
他方、引用商標は、前記第2のとおり、「LIMO」の文字を大きく顕著に表し、その下に、「LIMO」の文字と同じ横幅内に、2本の赤線で上下に挟まれた「Lissotschenko Mikrooptik」の文字を横書きに書してなるものであるところ、「LIMO」の文字と2本の赤線で挟まれた「Lissotschenko Mikrooptik」の部分については、それぞれの大きさが大きく異なることから、視覚上分離して認識し、把握されるものであり、また、その構成文字全体からは、特定の観念を生ずるということはできず、これから生ずる「リモリソチェンコミクロオプティク」の称呼は極めて冗長といえるものである。
そうとすれば、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標に接する取引者・需要者は、本願商標の構成中、上部に大きく書された「LIMO」の文字に印象をとどめ、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も少なくないというべきであるから、引用商標は、「LIMO」の文字に相応した「リモ」の称呼をも生じるというのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念については、比較することができないとしても、「リモ」の称呼を共通にし、外観については、「LIMO」の綴りを同一にし、近似しているものといえるから、両商標は、全体として相紛れる類似の商標とすべきである。
2 本願商標及び引用商標に係る指定商品の類否について
本願商標の指定商品中の「携帯用通信機械器具に用いる電子計算機用プログラム及びコンピュータソフトウェア」と、引用商標の指定商品中の「発光ダイオード,測定用・材料処理用・印刷用・材料試験用・品質管理用の半導体レーザー(医療用のものを除く。),光通信用の半導体レーザー,電子応用静電複写機,レーザー光源用可動式変調装置,微小光学素子,光集積回路,光電子集積回路」は、共に商標法施行規則第6条別表及び「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準に例示された「電子応用機械器具及びその部品」に属する商品であって、同一又は類似する商品とみるのが相当である。
そこで、本願商標の指定商品中の「携帯用通信機械器具に用いる電子計算機用プログラム及びコンピュータソフトウェア」と引用商標の指定商品に含まれる商品、例えば、「光集積回路、光電子集積回路」との具体的な類否関係について検討する。
ところで、「携帯用通信機械器具に用いる電子計算機用プログラム及びコンピュータソフトウェア」は、「電子計算機用プログラム(コンピュータソフトウエア)」の範疇の商品であり、また、「光集積回路、光電子集積回路」は、「集積回路(IC)」の範疇の商品である。
そして、携帯用通信機械器具に用いる電子計算機用プログラム及びコンピュータソフトウェア並びに電子計算機用プログラム(コンピュータソフトウェア)と集積回路(IC)が、同一メーカーにより製造及び販売され、また、集積回路(IC)に電子計算機用プログラム(コンピュータプログラム)を格納した商品が取引されている実情がある。
これらのことは、以下のインターネット情報等により、容易にうかがい知ることができる。
(1)(株)朝日新聞社及び(株)ECナビが運営の「kotobank」の「OEIC」の項において、「光電子集積回路のことで、光と電子回路を1枚の基板に融合した集積回路のこと。光ICとも呼ばれる。」の記載がある。
(http://kotobank.jp/word/OEIC)
(2)ウェブリオ株式会社が運営の「Weblio」のウェブサイト内の「OEIC」の項において、「別名:光IC,光電子集積回路 :OEICとは、電子回路上に光信号を処理できる回路が集積された集積回路(IC)のことである。」の記載がある。
(http://www.weblio.jp/content/%E5%85%89%E9%9B%BB%E5%AD%90%E9%9B%86%E7%A9%8D%E5%9B%9E%E8%B7%AF)
(3)(株)朝日新聞社及び(株)ECナビが運営の「kotobank」のウェブサイト内の「光集積回路」の項において、「半導体レーザー、光導波路、光フィルター、光スイッチ、光変調器、光アイソレーターなどの光学素子を単結晶の基板上に集積化した回路。光IC」の記載がある。
(http://kotobank.jp/word/%E5%85%89%E9%9B%86%E7%A9%8D%E5%9B%9E%E8%B7%AF)
(4)株式会社リコーのウェブサイト内において、当該会社の取り扱う商品の紹介として、「製品情報」の項の中に、「ソフトウェア製品」及び「電子デバイス」と記載され、各種IC(集積回路)を含む商品の写真がある。
(http://www.ricoh.co.jp/PRODUCT/)
(5)富士通株式会社のウェブサイト内において、当該会社の取り扱う商品の紹介として、「製品」の見出し中の「電子デバイス」の項に、「組み込みソフトウェア」、「ASSP(特定用途向けIC)」及び「製品ラインナップ」との記載がある。
(http://jp.fujitsu.com/products/)
(6)セイコーエプソン株式会社のウェブサイト内において、当該会社の取り扱う商品の紹介として、「製品情報」の項の中に、「ソフトウェア」及び「電子デバイス」と記載され、各種ICを含む商品の写真がある。
(http://www.epson.jp/products/)
(7)東芝ソリューション株式会社のウェブサイト内において、「採用情報」の項の中の「Job File13」の中に、「私は、携帯電話向けLSI(集積回路)のファームウェア開発を担当しています。」の記載がある。
(http://www.toshiba-sol.co.jp/recruit/job/jobfile13.htm)
(8)Digi-Key社のウェブサイト内において、「組み込み - マイクロコントローラ、MCU - 集積回路(IC)」の項に、「Digi-Key のオンラインで 組み込み - マイクロコントローラ、MCU - 集積回路(IC) を購入する。詳細は下記のリンク組み込み - マイクロコントローラ、MCU - 集積回路(IC) のいずれかをクリックしてください。」の記載がある。
(http://parts.digikey.jp/1/2/%E7%B5%84%E3%81%BF%E8%BE%BC%E3%81%BF-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%B5-%E9%9B%86%E7%A9%8D%E5%9B%9E%E8%B7%AF-ic)
以上のとおり、携帯用通信機械器具に用いる電子計算機用プログラム及びコンピュータソフトウェア並びに電子計算機用プログラム(コンピュータソフトウェア)と同種の商品である集積回路(IC)が、同一メーカーにより製造及び販売され、さらに、電子計算機用プログラム(コンピュータソフトウェア)を格納した集積回路(IC)が、普通に商取引されている。
このことから、携帯用通信機械器具に用いる電子計算機用プログラム及びコンピュータソフトウェアと光集積回路及び光電子集積回路は、その生産部門、販売部門、用途及び需要者の範囲等を同じにするものであり、互いに類似の関係にある商品といい得るものである。
よって、本願商標と引用商標とは、商標において類似するものであり、かつ、その指定商品も同一又は類似する商品が含まれるものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は、本願商標は特定の観念を想起させないのに対して、引用商標は、当該商標権者の商号商標であり、当該法人を表示し、特定するものであるから、両者は観念において大きく異なる旨主張するが、前記1のとおり、本願商標と引用商標は、共に特定の観念が生じないものであるから、観念の相違をもって称呼における類否の判断を左右するものではない。
また、請求人は、引用商標の指定商品は、工業用の光学部品である旨主張するが、前記2のとおり、引用商標の指定商品中の「光集積回路、光電子集積回路」は、「集積回路(IC)」と同種のものであって,電子応用機械器具に含まれるものであり、レンズ等の光学部品ではない。
さらに、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例は、商標の構成及び指定商品において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえない。
以上のとおり、請求人の主張は、いずれも採用できない。
4 むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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