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Trademark Appeal Case

「くびれ」の識別力と品質表示

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−22645(T2009−22645/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「KUBIRE」のローマ字と「クビレ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、第3類、第5類、第10類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年9月22日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同21年6月17日付け提出の手続補正書により、第3類「せっけん類,化粧品,香料類」、第5類「薬剤,医療用腕環」、第10類「家庭用電気マッサージ器」及び第21類「家庭用手動式美容ボディマッサージローラー・フェイスマッサージローラー」に補正されたものである。

2 原査定の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『KUBIRE』の欧文字と『クビレ』の片仮名文字を上下二段に書してなるものであるが、その構成中の『KUBIRE』の文字は、『くびれ』のローマ字表記であり、また、『クビレ』の文字は、『中ほどが細くせばまっていること』(広辞苑 第6版)の意味を有するものであって、その指定商品との関係において、商標全体としては、『(ウエストの)くびれ』を表すものと容易に看取されるものであり、これを本願指定商品中『痩身用化粧品,痩身用せっけん類,家庭用電気マッサージ器,身体用・顔用マッサージローラー』について使用するときは、取引者・需要者に『くびれのあるウエストを作る商品』であることを認識させるにすぎず、単に商品の品質・効能を表示するものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、「KUBIRE」のローマ字と「クビレ」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなるところ、その構成中の「KUBIRE」及び「クビレ」の文字は、「腰のくびれ」などの意味を有する「くびれ」のローマ字及び片仮名表記と認められる。

そして、別掲の「証拠調べ通知の内容」に示すとおり、本願指定商品中「化粧品,家庭用電気マッサージ器,家庭用手動式美容ボディマッサージローラー」に係わる業界では、当該ジェル化粧品を直接腹部に塗ったり、当該マッサージローラー付き商品で揉だり、当該電気マッサージ商品をおなか、腰に巻いたり、貼るなどして、直接その電気的な刺激、マッサージ振動を与えることなどによって、ウエストのシェイプアップに使用する商品が多数取引されている実情にあることが認められる。

そのうえ、その商品説明からは、「くびれ」「ウエスト」「ヒップ」「腰」「おなか」などのシェイプアップを気にかける、女性を主な需要者(対象)としていることが認められる。

ところで、近年、企業や市町村では、メタボ健診(腹囲(ウエストサイズ)の測定、健診)(「2010年版現代用語の基礎知識」)と称して内臓脂肪に着目して肥満を改善する取り組みがされているところである。

そうとすれば、本願商標をその指定商品中、前記商品に使用した場合、これに接する(くびれの)エステなどの「美容」に係る需要者と同じくする女性の需要者及びメタボなどの肥満に気をかける需要者にとっては、「くびれ」の語自体は「中ほどが他のところに比べて細くなっていること」を意味する語であるとともに、その商品の取引の実情等を考慮すれば、「『ウエスト』『腰』など胴回りのシェイプアップに使用する商品」程度の意を容易に認識するものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標は、これを本願指定商品中、上記意に照応する化粧品,家庭用電気マッサージ器,家庭用手動式美容ボディマッサージローラー・フェイスマッサージローラー等に使用した場合、取引者、需要者をして、単に商品の品質、用途を表示するものとして認識されるから、自他商品の識別標識として機能を果たしうるものということはできない。

そして、本願商標は、これを前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質、用途について誤認を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。

(2)請求人の主張

請求人は、証拠調べ通知に対して「『くびれ』は、他の言葉、説明文が付加されたり、他の言葉が組み合わされた使用例であるから、『くびれ』が『腰のくびれ』を意味する言葉として、単独で品質表示として使用されていることにはならない。本願の指定商品の分野においては、本願商標のように日本語の単語をローマ字で表すというようなことは一般的に行われていない。したがって、本願商標は、自他商品の識別力を有する商標である。請求人に独占使用を認めても、他人の自由な取引の妨げとなるおそれもない。また、本願商標が品質表示に該当しない以上、品質の誤認のおそれも生じ得ない。」旨主張している。

しかしながら、本願商標は、平易な「くびれ」の文字とその読みを同じくするローマ字表記「KUBIRE」及び片仮名文字「クビレ」であるから、普通に用いられる方法で書してなるものである。また、本願商標の指定商品との関係において、前記のとおり「くびれ」などの語は、「ウエスト」「腰」「腹」などをシェイプアップするために使用する商品に普通に採択、使用されているものであるから、他の語の付加、組み合わせなどに係わらず、「くびれ」やこれに通ずる「クビレ」「KUBIRE」などの表示から、取引者、需要者はその商品の品質、用途を容易に認識すると判断するのが相当である。また、商標法第3条第1項第3号は、取引者・需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において、必ずしも要求されないものと解すべきであると判示している(東京高裁平成12年(行ケ)第76号)ところであるから、仮に本願商標が普通に使用されている事実がないとしても、その語義、取引の実情などを考慮すれば、「腰のくびれ」を指称する語として容易に認識されるものである。

したがって、請求人の前記主張は、採用することができない。

さらに、請求人は、過去の登録例をあげて、本願商標の登録の正当性を主張しているが、登録出願に係る商標が登録されるか否かの判断は、指定商品の取引の実情を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであって、その指定商品を異にする請求人などの登録例に拘束されるものではなく、本願商標が商標登録の要件を満たすか否かの判断を左右するものではないから、この点についての請求人の主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標をその指定商品中上記意に照応する商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質(用途)を表示する語として理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。

また、本願商標は、これを前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとした本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する

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