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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−300075(T2010−300075/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4063865号商標(以下「本件商標」という。)は、「VERITA」の欧文字と「ヴェリタ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成8年4月12日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品として、平成9年10月3日に設定登録されたものである。その後、平成19年6月26日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。

請求の理由

本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。

答弁の理由

(1)被請求人である「松尾株式会社」は、主としてタキシードやウェディングドレス等のフォーマルウェアを製造販売するものであるが、本件商標の登録後、現在に至るまで継続して、本件商標を主に商品「タキシード」及び「タキシード用洋装品」について使用している。

ア 乙第1号証及び乙第2号証の写真は、被請求人の取り扱う商品「タキシード」であり、その商品に本件商標と社会通念上同一と認められる商標「verita」が表示された織ネームが付けられている。

イ 乙第3号証及び乙第4号証の写真は、被請求人が、取引先に商品「タキシード」の紹介を行う際に、カタログやパンフレットの代わりに提供するサンプル写真で、これには、品番「JHM−00080−00」と併せて、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「verita」が表示されている。

ウ 乙第5号証及び乙第6号証は、被請求人のホームページにおいて、被請求人が展開する商品「タキシード」の主要ブランドを紹介するインターネットWebページの写しであるが、その主要ブランドの一つとして、商標「verita」を付した商品「タキシード」が紹介されている。

(2)被請求人は、本件商標を付した商品「タキシード」を主にフォーマルウェアを取り扱う結婚式場業者や貸衣装業者に継続して販売しているが、その取引の事実を証するものとして、次のアないしウの証明書を提出する。

ア 乙第7号証は、京都市北区上賀茂岩ヶ垣内町98戸田ビル1Fに所在の「有限会社トップ」より注文を受け、2009年10月28日に、本件商標を付した商品「タキシード」を同社に納品したことを示すものである。

なお、証明書中「伝票(控)」においての「松尾株式会社」の住所は本部機能を有する事務所の所在地を記載している(現在事項全部証明書(乙第10号証)における支店1)。

イ 乙第8号証は、被請求人が本件商標を付した商品「タキシード」の製作を大阪市旭区中宮5−5−11に所在する「福芳縫工所」に委託し、2009年10月20日に同社から納品されたことを示すものである。

ウ 乙第9号証は、被請求人が本件商標が記載された商品「タキシード用織ネーム」の製作を、京都市中京区新町通押小路下る中之町37番地の2に所在する「株式会社太田織ネーム」に委託し、2008年3月7日に同社から納品されたことを示すものである。

(3)まとめ

以上のとおり、被請求人である「松尾株式会社」は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件審判の取消請求にかかる指定商品中「洋服」に属する商品「タキシード」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用している。

したがって、本件商標は商標法第50条第1項の規定によって取消されるべきものではない。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証及び乙第2号証は、「タキシード」の写真であるところ、その上着の左内側の内ポケット部分には、「verita」の文字が表示された織ネームが付されている。

イ 乙第3号証及び乙第4号証は、被請求人が取引先に商品の紹介を行う際に提供するサンプル写真とされるものであり、これには、タキシードを着たモデルと共に左上端に「JHM−00080−00」と「verita」の文字の表示がされている。

ウ 乙第5号証及び乙第6号証は、被請求人のウェブページであり、「verita」の文字が表示されているほか、スーツを着たモデルの写真が掲載されている。また、「2010/04/13」の印刷日の記載がある。

エ 乙第7号証は、平成22年4月14日付けの商標権者(被請求人)宛の取引先からの証明書等であって、1枚目の証明書には、「1.添付の伝票(控)は、有限会社トップの注文により松尾株式会社から平成21年10月28日に、弊社が運営するドレスショップ『トップ ウエディング 安曇川店』が商品の納品を受けたことを示すものである。なお、同書中『品番:JHM−00080−00 BL ショートフロックコート 3P タイツキ』は『verita』の商標を付した『タキシード』を示すものである。」、「2.添付の写真1,2は、上記1に記載の『verita』の商標を付した『タキシード』(品番:JHM−00080−00)の注文に際して、貴社から提供されたサンプル写真である。」及び「3.添付の写真3ないし5は、弊社が納品を受けた商品であり、上記1に記載の納品書(控)中『品番:JHM−00080−00 BL ショートフロックコート 3P タイツキ』と示されたものである。」旨の記載がされている。

そして、添付書類には、伝票及び写真1ないし写真5が添付されている。

(ア)伝票は、「松尾株式会社 ブライダル/大阪第2」の作成に係る「(本社控)」、「処理日付 10/04/07」、「区分 売上」とする2009年10月28日付けの伝票(No.183233−1)であり、「トップ ウエディング 様」、「品番/品名」の欄に「JHM−00080−00 SL ショートフロックコート 3P タイツキ 必着 上のみ専用ネーム付き」、「数量 単位」の欄に「5着」などの記載がされており、また、「単価 金額」などの欄は黒塗りされている。

(イ)「写真1ないし写真5」について、その内の写真1及び写真2は、乙第3号証及び乙第4号証の「タキシード」の商品写真と同じ写真である。写真3は、「タキシード」の商品写真である。写真4及び写真5は、乙第1号証及び乙第2号証の「タキシード」のサンプル写真と同じ写真である。

オ 乙第8号証は、平成22年4月15日付けの商標権者(被請求人)宛の取引先からの証明書等であって、1枚目の証明書には、「1.添付の納品書は、松尾株式会社から製作の委託を受け福芳縫工所が平成21年10月20日に、製作した商品を納品したことを示すものである。なお、同書中『品名:JHM−00080』は『verita』の商標を付した『タキシード』を示すものである。」、「2.添付の仕様書は、製作の委託を受けた際に、商品の使用を説明するものとして、貴社から提供されたものであり、この仕様書に基づいて製作された商品が、上記1に記載の納品書中『品名:JHM−00080』と示されている商品である。」及び「3.添付の写真1ないし3は、当社が納品した商品であり、上記1に記載の納品書中『品名:JHM−00080』と示されている商品である。」旨の記載がされている。

そして、添付書類には、納品書及び仕様書及び写真1ないし写真3が添付されている。

(ア)納品書は、「福芳(大崎)工場」の作成に係る「21年10月20日」付けの「松尾株式会社」宛の「納品書(管理)」であり、「品名」の欄に「JHM−00080」などの記載がされており、また、「単価」などの欄は黒塗りされている。

なお、「JHM−00080」の「数量」は、記載内容から「3枚」である。

(イ)仕様書は、「作成年月日 2009年08月07日」、「品名 ショートフロック 3P」、「仕様No JHM−00080−00」などの記載がある。また、右側部分には、タキシードの上着の仕立てに係る仕様等が図示されている。

(ウ)「写真1ないし写真3」については、乙第7号証の写真3ないし写真5と同じ写真である。

カ 乙第9号証は、平成22年4月16日付けの商標権者(被請求人)宛の取引先からの証明書等であって、1枚目の証明書には、「1.添付の仕入先元帳票は、松尾株式会社から株式会社太田織ネームが製作の委託を受け、平成20年3月7日に、弊社の大阪店が製作した商品『タキシード用織ネーム』を納品したことを示す仕入先元帳票である。なお、同書中『品名・規格:ベリタ 織ネーム』は『verita』の文字が記載された『タキシード用織ネーム』を示すものである。」及び「2.添付の写真1ないし3に示す『タキシード用織ネーム』は、当社が納品した商品であり、上記1に記載の仕入先元帳票中『品名・規格:ベリタ 織ネーム』と示されている商品である。」旨の記載がされている。

そして、添付書類には、仕入先元帳票及び写真1ないし写真3が添付されている。

(ア)仕入先元帳票は、「株式会社太田織ネーム大阪店」の作成に係る「松尾株式会社」宛の仕入先元帳票とするものであり、「月日」の欄に「3|7」、「品名・規格」の蘭に「ベリタ 織ネーム」、「数量」の欄に「3,000」などの記載がされており、また、「単価 金額」などの欄は黒塗りされている。

(イ)「写真1ないし写真3」について、写真1は、「verita」の文字を表示した織ネームを写した写真である。写真2及び写真3は、乙第1号証及び乙第2号証の「タキシード」のサンプル写真と同じ写真である。

(2)上記した事項を総合すれば、平成20年3月7日に「verita」の文字よりなる織ネームが株式会社太田織ネーム大阪店から商標権者に納品されており、該織ネームは、商品の品番を「JHM−00080」とする「タキシード」に付されている。そして、平成21年8月7日の「仕様書」(乙第8号証)、平成21年10月20日付け「納品書(管理)」(乙第8号証)及び平成21年10月28日付け「売上げ伝票(控)」(乙第7号証)によれば、商標権者である「松尾株式会社」は、品番を「JHM−00080」とする商品「タキシード」を「福芳(大崎)工場」(福芳縫工所)から納品されており、同社は、品番を「JHM−00080」とする商品「タキシード」を「トップ ウエディング」(有限会社トップ)に譲渡したものである。

そして、本件商標は、「VERITA」の欧文字と「ヴェリタ」の片仮名文字からなり、該「VERITA」の文字は「ヴェリタ」と称呼されるから、「ヴェリタ」の片仮名文字はその欧文字部分の読みを表したものと認められる。また、「VERITA」及び「ヴェリタ」の文字は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものである。

一方、上記「タキシード」の写真に見られる織ネームなどに表示された標章「verita」は、欧文字からなるものであって、本件商標の欧文字部分とは、その綴りを悉く同じにするものであるから、当然に両者はその称呼を同じくし、かつ、特定の意味合いを有しない造語とはいえ観念における同一性を失うものでもない。

してみれば、その使用に係る「verita」標章は、本件商標とは社会通念上同一の商標というべきである。

また、上記商標の使用に係る商品「タキシード」は、取消請求に係る指定商品中の「洋服」に属する商品であることは明らかである。

一方、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁するところがない。

以上によれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者によって、取消請求に係る指定商品中の「洋服」に包含される「タキシード」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用を立証したものということができる。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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