Trademark Appeal Case
サウンドセラピーの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−20837(T2009−20837/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「サウンドセラピー」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」を指定役務として、平成19年12月26日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『音、音響』等の意味を有する『サウンド』の文字と『治療。療法。薬品や手術を用いないものをいう。』を意味する『セラピー』の文字とを結合して『サウンドセラピー』と標準文字で表してなり、構成全体として『音、音響を用いた(手段とする)治療、療法』の意味合いを容易に理解させるものであり、『サウンドセラピー』の語は、前記の意味合いで一般に使用されているから、これをその指定役務中『サウンドセラピーに関連する役務』、例えば、『サウンドセラピーのための音楽の演奏の興行の企画又は運営・音楽の演奏・ビデオの制作・施設の提供』等について使用するときは、単に役務の質(内容)、効能、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、前記第1のとおり、「サウンドセラピー」の文字からなるところ、その構成中の「サウンド」は、「音。音響。」を意味し、「セラピー」は、「治療。療法。薬品や手術を用いないものをいう。テラピー。」(いずれも広辞苑第六版)を意味する語として良く知られて語であり、これらの文字を結合したと容易に認識し得る「サウンドセラピー」の文字は、それぞれの文字の意味から、構成全体として、「音、音響を用いた治療、療法」のような意味合いを容易に認識させるものである。
そして、実際に「サウンドセラピー」の語は、心理療法や「ヒーリング(治療。特に、心の病や疲れを癒いやすこと。いやし。)」(広辞苑第六版)を目的とするコンサート活動等の場において、実際に使用されていることが、拒絶理由で示した証拠(別掲1)の他、査定で示した証拠(別掲2)や別掲3に掲げる証拠からも認められるものである。
してみれば、本願商標「サウンドセラピー」をその指定役務中「音、音響を用いた治療、療法に関連する役務」、すなわち、音、音響を用いた治療を目的とする「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」について使用するときは、本願商標に接する需要者等は、「音、音響を用いた治療を目的とする心理療法やヒーリングを目的とした役務」であることを理解するにとどまるものといえ、本願商標は、単に役務の内容、質を表示したにすぎないものであり、かつ、前記に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ない。
2 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
ア 請求人は、「本願商標は、音、音響を用いた(手段とする)治療、療法の意味合いで一般に使用されている旨を拒絶理由で述べ、『サウンドセラピー』の文字が、前記の意味合いで使用されている実情もある旨、原査定で述べ、参考として『サウンドセラピー』の語句を含む新聞記事を紹介している。確かに、新聞記事中に『サウンドセラピー』の語句が含まれているが、その記事中『サウンドセラピー』の内容は、音楽を聴くのか、単に音(例えば、波の音)を聞くのか、音楽であればジャンルは何か、等全く不明であって、その内容が明確とはいえない。してみれば、本願商標『サウンドセラピー』から生じる意味合いは、明確ではないから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。」旨主張する。
しかしながら、前記1で認定したとおり、「サウンドセラピー」は構成全体として「音、音響を用いた治療、療法」の意味合いを容易に理解させるものであり、新聞記事情報やインターネット検索情報から、「心理療法」や「ヒーリング」を目的としたコンサート等において、「サウンドセラピー」の語が使用されている事実が見受けられることからすると、「サウンドセラピー」と称するコンサートにおいて、音楽のジャンルが明確ではないとしても、需要者等は、そのコンサートが、「音、音響を用いた療法」を目的としたものであることを容易に理解するものといえ、かつ、実際に、請求人以外の者が、役務「音楽の演奏の興行の企画又は運営・音楽の演奏」について、「サウンドセラピー」の語を使用している事実があることから、本願商標を前記指定役務について、請求人に独占的に使用させることが適当ではないと認定し得るものである。
よって、請求人の上記主張は、採用することができない。
イ 請求人は、「『セラピー(テラピー)』の文字を含む過去の登録例からすれば、本願商標も登録されるべきである。」旨主張する。
しかしながら、出願された商標の登録の適否の判断は、その案件毎に行うものであり、過去の登録例等にに拘束されるべき事情はない。
さらに、該登録例等は、商標の構成態様や指定役務等において、必ずしも、本願とは事案を同じくするものといえず、該登録例等の存在のみをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切とはいえない。
よって、請求人のかかる主張も採用することができない。
ウ その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
3 まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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