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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「ヒーリングの品質表示性」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第3777号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第3777号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
ヒーリングの品質表示性
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第3777号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「ヒーリングの品質表示性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、「ヒーリング」の文字と「HEALING」の文字とを上下二段にしてなり、第25類に属する願書記載のとおりの役務を指定商品として、平成8年6月12日に登録出願されたものである。

2.原査定

原査定は、「本願商標は、本願商品に係る業界においては、メーカーも『消臭』、『抗菌』に加えて、より健康指向の強い『ヒーリング繊維』に力を入れており、温泉浴や森林浴効果を体験できる素材を開発し、肩こりなどの悩みをもつ人向けに身体に優しい肌着等も多く生産、販売されていつことよりすれば、これを本願の指定商品中例えば「ヒーリング繊維を用いてなる商品」に使用するときは、単に商品の品質を誇称表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶した。

3.当審の判断

(1) 本願商標は、「ヒーリング」の文字及び「HEALING」の文字よりなるものであるところ、「HEALING」の文字は、「(傷、病気を)直すこと」の意味を表す英語である。

(2) そして、「ヒーリング」「HEALING」について紹介した記事等が、例えば次のように掲載されている。

(i)1996年1月13日付日経流通新聞の「ヒーリングバイブレーション社長喜田圭一郎氏 ヒーリング多彩に事業化」をタイトルとする記事参照。

(ii)1997年8月5日付繊研新聞(株式会社繊研新聞社(東京都中央区在))の「[記者の目・用語解説]ヒーリング素材」をタイトルとする記事参照。

(iii)1998年4月3日付繊研新聞の「日登美「ウエルドン」ヒーリング素材のホームウエアを発売」をタイトルとする記事参照。

(iv)1998年9月17日付繊研新聞の「松坂屋 ヒーリング効果のワイシャツを発売、マイナスイオン加工で」をタイトルとする記事参照。

(v)1999年2月25日付日刊工業新聞の「テラ・カーザ、アルファフレッシュ加工技術を日東防に供与。天然有機物で遠赤効果」をタイトルとする記事参照。

(vi)1999年6月2日付繊研新聞の「[広がるヒーリング市場]」をタイトルとする記事参照。

(vii)1999年9月10日付繊研新聞の「【インナーファッション】ナイトウエア市場 “いやし”商品に期待」をタイトルとする記事参照。

(viii)現代用語の基礎知識1995やimidas、知恵蔵といった用語解説書等においても「ヒーリング」を紹介する記載がある。

(ix)インターネットに掲載されている新技術情報提供サービスのホームページ(http://www.s-iri.pref.shizuoka.jp/tech/texti/te100312.htm)においても「ヒーリング繊維」を紹介する記載がある。

(3)この事情よりすれば、近年、森林浴など日常のストレスを解消するヒーリング作用への社会的関心が高まっていたところ、バブル経済崩壊後、「リラクゼーション(気晴らし)」「ヒーリング(治癒、癒し)」をキーワードにしたビジネスが脚光を浴びてきた。例えば、ストレス解消用の音楽として、人間の五感に心地よい商品(ヒーリング ミュージック)やカルチャースクールでのヒーリングに関する講座の開講等がある。そのような中で、最近の健康ブームに伴い、多くの業態から健康ビジネスへの参入が進んできている。とりわけ生活雑貨業態の分野においては、需要拡大が期待できる分野として、高齢化社会に対応した介護的機能を持つパジャマやヒーリング(心身の癒し)にスポットを当てた商品を主力に取り揃えて消費者のニーズに応える傾向にあり、ヒーリングをはじめとしたリラクゼーションを軸として集客に結びつけようとしている。

そして、心の安らぎが求められているなかで、精神面の「健康」、「快適」に焦点をおいたヒーリング繊維に関心が集められている。

このヒーリング繊維とは、マイナスイオンによるヒーリング効果を持たせた素材で、セラミックを利用した遠赤外線繊維やラドンやトロンなどの天然ミネラル鉱石を利用した微量放射線繊維等がある。

マイナスイオンは、血液の浄化作用や細胞の賦活作用、自律神経の調整作用などヒーリング効果があることが知られており、これらの繊維を使った衣料やインテリア用品を身の回りに置くことによりヒーリング効果が発揮される。例えば、天然有機物から抽出・混合した液体を繊維材料等に入れることによって、遠赤外線効果が発揮される。これはヒーリング(自己治癒)加工とも呼ばれ、この加工を施した医療やアクセサリーなどを着用すれば経穴(ツボ)を刺激し、精神をリラックスさせる。ベッドパット、パンティストッキング、サポーター、肌着などを商品化し、血行促進、疲労回復、消臭、防さびなどの効果が認められているところでもある。

(4)そうとすれば、本願商標に接する取引者・需要者は、これよりリラックス感や安らぎを与えるヒーリング(癒し)商品であると注目し、期待して取引に資する場合が、むしろ多いとみるのが相当である。

(5)してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「ヒーリング繊維を使用した商品」について使用しても、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

(6)したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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