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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−13709(T2010−13709/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に示すとおりの構成からなり、第9類及び第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年8月7日に登録出願,その後,指定商品については、原審における同年12月22日付け手続補正書により,第9類「電気通信機械器具,測定機械器具,自動車用ドライブレコーダー,防犯カメラ用レコーダー,防犯・防災用監視カメラ,防犯用監視カメラ用データ転送装置,インターネット又はコンピューターネットワークを通じてダウンロードされる画像,電気ブザー,盗難警報器」及び第12類「乗物用盗難防止装置(乗物用盗難警報器を含む),乗物用通信型盗難防止装置,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、登録第4458411号商標(以下『引用商標』という。)と『アイセキュリティ』の称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 引用商標

引用商標は、「isecurity」の文字を標準文字で表してなり、平成12年3月27日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置,セキュリティ及び暗号化のための電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ及びその他の記録媒体,電子応用機械器具及びその部品,パチンコ式スロットマシン」を指定商品として、平成13年3月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断

(1)本願商標と引用商標との類否について

本願商標は、別掲に示すとおり、左側に欧文字「V」をモチーフとしたと思しき赤色で描かれた図形(以下「V図形」という。)を配し、V図形の右に「varad」(構成中の「v」は、ややデザイン化されている。以下同じ。)の文字を配し、「varad」の文字中の「ad」の下に、前記文字より小さく「i−security」(構成中、最初の「i」は、頭の部分が、赤色に着色されている。以下同じ。)の文字を配してなるものである。

しかして、本願商標の構成全体をみると、「V図形」、「varad」及び「i−security」とが、同じ大きさで、横一列に描かれている等、これらの文字及び図形を常に一体的に捉えるべき事情はなく、「varad」及び「i−security」の文字部分をみても、上下に書されていることに加え、文字の大きさが異なることから、これらは、視覚上分離され看取されるものといえる。

また、「i−security」の文字部分は、最初の「i」の文字の一部が、「赤」で着色されていることから、たとえ、「V図形」及び「varad」の文字より小さく書されているとしても、看者の目を惹きやすい部分であると認められるものである。

さらに、本願商標の構成全体、あるいは、「varad」及び「i−security」の文字部分が、特定の意味合いを看取させる等、これらを常に一体不可分のものとして看取しなければならないものとはいえない。

さらにまた、本願商標の構成文字から生ずる「バラッドアイセキュリティ」の称呼はやや冗長であることから、これを常に一連に称呼しなければならない特段の事情は認められないものである。

してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標の構成中のV図形及び構成文字を常に一体不可分のものとして看取しなければならない特段の事情は認められず、自他商品の識別標識としての機能を有する構成中の図形や文字部分の一部を捉え、それを要部とし、その要部に該当する部分のみをもって、取引に資されることがあると判断するのが相当である。

そして、本願商標の構成文字中の「i−security」の文字部分は、「V図形」や「varad」の文字に比べ、小さく書されていたとしても、一部が、「赤」で着色されていることに加え、本願商標の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有さないものと認識する特段の事情は見当たらないことから、本願商標に接する取引者、需要者は、「i−security」の文字部分を本願商標の要部の一つとして認識し、「i−security」の文字部分のみに強く印象を留め、該文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

よって、本願商標は、構成文字全体に相応した「バラッドアイセキュリティ」の称呼のほか、「i−security」の文字部分に相応した「アイセキュリティ」の称呼をも生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。

他方、引用商標は、「isecurity」の文字からなるところ、その構成中の「security」の文字部分は、「安全」等を意味する良く知られた英語であるから、引用商標が同書・同大・等間隔で書されていたとしても、「i」と「security」の文字とを結合したものと看取されることから、引用商標は、「i」から「アイ」の称呼と「security」から「セキュリティ」の称呼を生じ、引用商標の構成全体として、「アイセキュリティ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。

そこで、本願商標と引用商標の類否についてみると、本願商標と引用商標とは、構成全体として外観における対比観察をした場合は相違するものであるが、本願商標の要部の一つである「i−security」の文字と引用商標「isecurity」とは、「i」の文字に次ぐ「−」が存在するか否かの相違点はあるものの「i」及び「security」の文字部分は共通にしていることから、両商標は、外観において類似する商標と判断するのが相当である。

また、本願商標の構成中の「i−security」の文字部分から生ずる「アイセキュリティ」の称呼と引用商標「isecurity」の文字から生ずる「アイセキュリティ」の称呼は同一のものである。

してみると、本願商標と引用商標とは、共に、特定の観念が生じないことから、観念については、比較できないものであるとしても、外観において類似し、かつ、「アイセキュリティ」の称呼を共通にする類似の商標であって、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであるから、本願商標をその指定商品に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(2)請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について

請求人は、「本願商標の『i−security』の文字部分は、『varad』の文字部分の文字の3割程度の大きさしかなく、『varad』の文字部分に比べて非常に小さい。また、『i−security』の文字部分は、『varad』の右下という商標全体の中で目立たない位置にある。したがって、『i−security』の文字部分は、その大きさや位置からして、看者の注意を惹くことはなく、『i−security』だけが単独で略して称呼されることはあり得ない。したがって、本願商標からは『アイセキュリティ』なる称呼は生じない。」旨主張する。

しかしながら、前記(1)で認定したとおり、「i−security」の文字部分は、「V図形」や「varad」の文字に比べ、小さく書されていたとしても、一部が、「赤」で着色されていることに加え、本願商標の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有さないものと認識する特段の事情は見当たらないことから、本願商標に接する需要者・取引者は、本願商標の構成中の「i−security」の文字部分を、本願商標の要部の一つとして認識し、「i−security」の文字部分のみに強く印象を留め、該文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

したがって、「本願商標からは『アイセキュリティ』なる称呼は生じない。」とする請求人の主張は採用することができない。

その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すことはできない。

(3)まとめ

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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