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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900040(T2010−900040/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5280757号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5280757号商標(以下「本件商標」という。)は、「WiseVU」の欧文字を標準文字で表してなり、平成20年11月19日に登録出願、第9類「自動車用電子制御装置,電気通信用サーバーコンピュータ,コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,画像処理用ソフトウェア,アプリケーション及びデータベース統合のためのコンピュータソフトウェア,コンピュータローカルエリアネットワークの管理用コンピュータソフトウェア,アクセスサーバーアプリケーションのコントロール及び管理用コンピュータソフトウェア,トランザクションのデータのアップロード・統計分析の提供・通知及び報告の作成等のトランザクション処理の分野におけるオンラインデータベースを提供するためのコンピュータソフトウェア,コンピュータシステム及びアプリケーションの開発・展開・管理のためのコンピュータソフトウェア,アプリケーションへのウェブ基盤アクセス及びウェブオペレーティングシステム又はポータルインターフェースを通じてのサービスを提供するためのコンピュータソフトウェア,自動データウェアハウジングのためのコンピュータソフトウェア,工場の生産プロセスの監視・管理・コントロールのためのコンピュータソフトウェア,グラフィカルユーザーインターフェースソフトウェア,ネットワークアクセスサーバー用オペレーティングソフトウェア,薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ,マイクロコンピューター,マイクロプロセッサ,コンピュータ用インターフェース,データ処理装置及びコンピュータ,コンピュータ端末,マイクロコントローラ,制御盤(電気用のもの),ネットワーク制御用電気通信機械器具」を指定商品として、平成21年10月15日に登録査定、同年11月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、別掲のとおりの構成よりなる標章(甲第2号証:以下「引用標章1」という。)及び商号の略称である「WYSE」の文字からなる標章(以下「引用標章2」という。)を「コンピュータ端末,コンピュータソフトウェア」に継続的に使用しており、当該標章は、日本をはじめ世界のコンピュータハードウェア・ソフトウェア関連分野の需要者間で周知・著名となっている。

なお、「引用標章1」及び「引用標章2」をまとめて表すときは、以下「引用標章」という。

(2)本件商標は、「WiseVU」の文字からなるところ、「VU」の文字部分は、いずれも大文字で書されており、「Wise」部分とは視覚上分離されるうえ、欧文字2文字は、指定商品の分野において品番として使用されることもしばしばであるから、本件商標は、「Wise」の部分に対応して「ワイズ」なる称呼も生じ得る。

一方、引用標章からも「ワイズ」なる称呼が生ずる。したがって、本件商標と引用標章は、「ワイズ」なる称呼を共通にする。

また、本件商標の指定商品中、「自動車用電子制御装置,電気通信用サーバーコンピュータ,コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア,画像処理用ソフトウェア,アプリケーション及びデータベース統合のためのコンピュータソフトウェア,コンピュータローカルエリアネットワークの管理用コンピュータソフトウェア,アクセスサーバーアプリケーションのコントロール及び管理用コンピュータソフトウェア,トランザクションのデータのアップロード・統計分析の提供・通知及び報告の作成等のトランザクション処理の分野におけるオンラインデータベースを提供するためのコンピュータソフトウェア,コンピュータシステム及びアプリケーションの開発・展開・管理のためのコンピュータソフトウェア,アプリケーションヘのウェブ基盤アクセス及びウェブオペレーティングシステム又はポータルインターフェースを通じてのサービスを提供するためのコンピュータソフトウェア,自動データウェアハウジングのためのコンピュータソフトウェア,工場の生産プロセスの監視・管理・コントロールのためのコンピュータソフトウェア,グラフィカルユーザーインターフェースソフトウェア,ネットワークアクセスサーバー用オペレーティングソフトウェア,薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ,マイクロコンピューター,マイクロプロセッサ,コンピュータ用インターフェース,データ処理装置及びコンピュータ,コンピュータ端末,マイクロコントローラ」と申立人の製造・販売にかかる商品も互いに類似する。

したがって、本件商標は、引用標章との関係で商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。

(3)引用標章は、商品「コンピュータ端末,コンピュータソフトウェア」の分野において、申立人を表す標章として周知・著名となっていることから、本件商標をその指定商品に使用した場合は、出所につき混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、引用標章との関係で商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本件商標について

本件商標は、「WiseVU」の欧文字を標準文字で表してなるところ、これを構成する各文字は、まとまりよく一体に表されているものであって、全体を一連のものとして看取されるものである。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「ワイズブイユー」の称呼のみを生ずるものである。

そして、その構成中の「Wise」の文字部分は、「賢い。分別のある。」の意味を有する英語であるのに対し、「VU」の文字部分からは、特定の意味を生じないものであって、本件商標は、構成全体をもって特段の意味を有するものではないから、特定の観念を生じない造語を表したものといわなければならない。

(2)引用標章について

引用標章1は、別掲のとおり、「WYSE」の文字とその下に4個の縦長四角形を表してなるところ、「WYSE」の文字部分は、図形部分とは視覚的に分離して認識し得るものである。

したがって、引用標章1の構成中の「WYSE」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。

また、引用標章1の文字部分及び引用標章2は、いずれも「WYSE」の文字からなるところ、該文字は、特定の読みをもって広く親しまれた外国語を表したものとはいえないものであって、特定の観念を生じない造語を表したものといわなければならない。

ところで、一般的に、特定の読みを持たない欧文字からなる標章の称呼を特定する場合にあっては、これに接する取引者、需要者は、自己の知り得た外国語の知識を基に、当該標章の読みを特定して称呼する場合が多いということができるところ、我が国における英語教育の状況にかんがみれば、引用標章においても自己の有する英語の知識に従って、当該文字の配列となるべく似たような文字の配列からなる単語の発音にならって、称呼を特定する場合が多いということができるものである。

してみれば、引用標章の構成中の「WY」の文字は、「Wyoming」が「ワイオミング」と発音され、「Wyndham」が「ウィンダム」と発音されることから、「ワイ」又は「ウィ」と発音され得るものである。

また、引用標章の構成中の「SE」の文字は、「base」が「ベース」、「house」が「ハウス」と発音され、「cheese」が「チーズ」、「nose」が「ノーズ」と発音されることから、「ス」又は「ズ」と発音されるものである。

そうとすると、「WYSE」の文字は、英語風に「ワイス」「ワイズ」「ウィス」「ウィズ」と読まれる場合があり得ると解され、「ワイズ」の称呼のみに特定されるとは限らないものとみるのが相当である。

(3)本件商標と引用標章との類否について

ア 外観の類否

本件商標と引用標章との外観は、大きく異なるものである。

イ 称呼の類否

本件商標から生ずる「ワイズブイユー」の称呼と引用標章から生ずる「ワイス」「ワイズ」「ウィス」「ウィズ」の各称呼を比較しても、構成音数の相違及び相違する各音の音質の差異によって、全体の音感が全く異なるものであり、これらを各々一連に称呼した場合、いずれの称呼とも相紛れることなく明確に聴別し得るものである。

ウ 観念の類否

本願商標と引用標章とは、前記のとおり、いずれからも特定の観念が生じるとはいえないから、比較することができない。

エ 小活

本願商標と引用標章とは、観念について比較できないとしても、外観は、大きく異なっている上、称呼上も類似しないものであるから、両商標には出所混同のおそれがなく、類似していない別異の商標というべきである。

(4)引用標章の周知著名性について

申立人は、引用標章を「コンピュータ端末,コンピュータソフトウェア」について使用して周知・著名になっている旨主張しているが、申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用標章1が、「シンクライアント(ハードディスクなどの記憶装置を内蔵せず、画面とキーボードなどの最小限の機能しか持たない『軽い』端末コンピュータ)分野に用いるコンピュータ端末,同コンピュータソフトウェア」に使用されていることは認められるとしても、引用標章1に係る商品の販売数量、売上高、広告宣伝の状況等、引用標章1の著名性を具体的に裏付ける証拠は、何ら提出されていないものである。

また、申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用標章2が、単独で使用されている事実はない。

そうとすると、引用標章は、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用標章を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び第15号に違反してされたものとはいえない。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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