Trademark Appeal Case
商標DGの称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900089(T2010−900089/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5292952号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成21年7月3日に登録出願、第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年12月11日に登録査定、平成22年1月8日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第109号証(枝番を含む。)を提出している。
1 引用商標
(1)登録第4375607号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成8年2月21日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年4月14日に設定登録、その後、平成22年3月23日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4344340号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成8年1月26日に登録出願、第25類「被服(「和服」を除く),履物,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く)」を指定商品として、平成11年12月17日に設定登録、その後、平成21年10月20日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)申立人は、別掲(4)のとおりの構成よりなる標章(甲第57号証:以下「引用商標3」という。)を、遅くとも2005年(平成17年)1月10日から、「被服,靴,バッグ,財布,ベルト,レザーグッズ,ブレスレット,その他の身飾り品,眼鏡」等の商品に使用するものである。
(4)国際登録第845608号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、2004年10月19日にイタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2005年2月10日に国際商標登録出願、第3類「Soaps; perfumery, essential oils, cosmetics, hair lotions; dentifrices.」、第9類「Spectacles; sunglasses; spectacle frames; spectacle glasses; spectacle cases; optical apparatus and instruments.」、第14類「Precious metals and their alloys and goods in precious metals or coated therewith not included in other classes; jewellery, precious stones; horological and chronometric instruments.」、第18類「Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes; animal skins and hides; trunks and suitcases; umbrellas, parasols and walking sticks; whips, harness and saddlery.」及び第25類「Clothing, footwear, headgear.」を指定商品として、平成18年1月13日に設定登録されたものである。
2 前提事実
本件商標の指定商品である被服、靴、その他のファッション関連商品においては、一般需要者は、「欧文宇『DG』は、デザイナー『Domenico Dolce』と『Stefano Gabbana』の両名のデザインに係る商品を指し示していると理解し、『DG』を単なる欧文字としてではなく、前記の意味を持つ(すなわち、商品を識別する)欧文宇として『ディージー』と称呼し記憶する」可能性が極めて大きい。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、引用商標1、引用商標2及び引用商標4との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する。
引用商標1及び引用商標2は、欧文字「D」と「G」を「&」でつないだもので、「ディーアンドジー」と称呼されるが、「ディージー」と略称されている事実が多数ある。
引用商標4は、欧文字「D」と「G」からなり、「ディージー」と称呼される。
本件商標は、欧文字「DG」部分において、「ディージー」と称呼されると共に、上記の前提事実に記載の意味に理解されるおそれが極めて大きい。
そこで、両商標が同一又は類似の商品に使用された場合、取引の実情からすると、当該両商品は、その出所において誤認混同されるおそれが十分にある。
したがって、本件商標は、引用商標1、引用商標2及び引用商標4に類似する商標であるといえるので、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は、引用商標1ないし引用商標4との関係において、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(1)引用商標1、引用商標2及び引用商標4は、被服、靴、その他のファッション関連商品においては、本件商標の出願前に、申立人(ひいては、デザイナー「ドメニコ・ドルチェ」と「ステファーノ・ガッバーナ」)の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の問に広く認識されている商標である。
本件商標は、前記3に記載のとおり、引用商標1、引用商標2及び引用商標4に類似する商標であり、かつ、引用商標1、引用商標2及び引用商標4の上記商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
(2)引用商標3は、被服、靴、その他のファッション関連商品においては、本件商標の出願前に、申立人(ひいては、デザイナー「ドメニコ・ドルチェ」と「ステファーノ・ガッバーナ」)の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標である。
取引の実情からすると、本件商標がその指定商品に使用された場合、当該商品は、引用商標3に係る商品と、その出所において誤認混同されるおそれが十分にある。したがって、本件商標は、引用商標3に類似する商標である。そして、本件商標は、引用商標3の上記商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
5 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、引用商標1ないし引用商標4との関係において、商標法第4条第1項第15号に該当する。
引用商標1ないし引用商標4は、本件商標の出願前に、申立人(ひいては、デザイナー「ドメニコ・ドルチェ」と「ステファーノ・ガッバーナ」)の業務に係る商品の商標として世界的に著名なものとなっている。
そこで、上記の前提事実の下で、本件商標がその指定商品に使用された場合には、当該商品は、申立人(ひいては、デザイナー「ドメニコ・ドルチェ」と「ステファーノ・ガッバーナ」)の業務に係るものと誤認され、その出所について混同されるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
6 結論
本件商標は、上述のとおり、引用商標1、引用商標2及び引用商標4との関係では、商標法第4条第1項第11号に該当し、引用商標1ないし引用商標4との関係では、同第10号又は同第15号に該当するものであるので、同法43条の3第2項の規定によって、その登録を取り消されるべきものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲(1)のとおり、上部中央に白抜き線で描かれた「DG」の欧文字の2文字を有する西洋風「楯」の図形を表し、その左右にそれぞれ3本の線でS字及び逆S字様の図形を左右対称に配し、これらの下に、向かい合った西洋獅子風のシルエット図形を配した構成よりなるものである。
そして、本件商標は、図形と文字との組み合わせよりなるとしても、全体として西洋風の紋章を表したものであって、まとまりよく一体不可分に表されているものである。
また、欧文字の2文字は、それのみでは、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものである。
したがって、本件商標からは、特定の称呼及び観念が生じないものというのが相当である。
(2)引用商標1、引用商標2及び引用商標4について
引用商標1は、別掲(2)のとおり、「D&G」の文字を書してなり、また、引用商標2は、別掲(3)のとおり、「D&G」の文字を書してなるから、いずれの商標も「ディーアンドジー」の称呼が生ずるものであって、特定の観念が生じないものというのが相当である。
引用商標4は、別掲(5)のとおり、「D」と「G」を組み合わせたモノグラム図形よりなるものであるから、特定の称呼及び観念が生じないものというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標4との類否について
本件商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標4とは、外観が著しく相違するものであり、また、称呼及び観念においては、本件商標から特定の称呼及び観念が生じないことから、比較することができないものである。
してみれば、本件商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標4とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
(1)本件商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標4との類否について
本件商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標4とは、前記のとおり、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)本件商標と引用商標3との類否について
引用商標3は、別掲(4)のとおり、「DG」の欧文字を表してなるところ、欧文字の2文字は、一般に商品の品番、型番等を表す記号、符号として使用されるものであり、それのみでは、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といえるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たさない標章ということができるから、引用商標3からは、特定の称呼及び観念が生じないものとみるのが相当である。
本件商標と引用商標3とは、外観が著しく相違するものであり、また、称呼及び観念においては、両商標から特定の称呼及び観念が生じないことから、比較することができないものである。
してみれば、本件商標と引用商標3とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(3)引用商標1ないし引用商標4の周知著名性について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標1ないし引用商標4は、「DOLCE&GABBANA」、「ドルチェ&ガッバーナ」又は「ドルガバ」の文字とともに使用されており、引用商標1ないし引用商標4が、単独で申立人を表示するものとして使用されている例は、ほとんどない。
また、申立人が、商品「紳士靴,紳士用ベルト,婦人用バックル,運動靴,スニーカー,鞄,財布,眼鏡」に使用する「DG」のロゴは、その商品の形状によって、様々なデザインが施されて使用されているものであって、引用商標1ないし引用商標4とは、構成態様が異なるものが少なくない(甲第46号証、甲第49号証、甲第55号証、甲第75号証ないし甲第77号証、甲第79号証、甲第80号証、甲第83号証、甲第86号証)。
そして、「DG」ブランド浸透度調査報告書(甲第109号証の1及び2)は、京阪神地区(大阪心斎橋、京都四条河原、神戸三宮)及び東京地区(渋谷、新宿、吉祥寺)において、「DG」のロゴを呈示して、何を思い浮かべるか5つまで問うものであるところ、調査対象の人数が全体で318人と少ないものであり、調査対象年齢は20代から40代に限られている。また、「DG」のロゴを正確に「ドルガバ」「D&G」又は「ドルチェ&ガッバーナ」と回答した者は、37.1%にすぎないものである。
そうとすれば、申立人の提出に係る甲各号証によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標1ないし引用商標4が、申立人の業務に係る商品の商標として、我が国の取引者、需要者の間において、広く認識されていたものとは認められない。
しかも、前記のとおり、本件商標と引用商標1ないし引用商標4とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものである。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標1ないし引用商標4を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものとはいえない。
3 結び
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。