Trademark Appeal Case
FRONTIERとFRONTERAの観念・外観
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900113(T2010−900113/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5297973号商標(以下「本件商標」という。)は、「FRONTIER」の欧文字を横書きしてなり、平成21年5月26日に登録出願、第32類及び第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年1月4日に登録査定、同年1月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人ビニヤ コンチャ イ トロ ソシエダード アノニマ(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、下記のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの商標を総称して「引用各商標」という。)。
(ア)登録第4382463号商標は、「FRONTERA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年5月20日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年5月12日に設定登録されたものである。
(イ)登録第5060779号商標は、「FRONTERA,CHILE IN A GLASS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年4月12日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年7月6日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標「FRONTIER」と引用各商標の要部「FRONTERA」とは、いずれもアルファベット8文字から構成されており、語頭の「FRONT」の文字部分を共通にするものである。そして、「FRONTERA」の語は、「FRONTIER」のスペイン語であって「国境、最先端」といった意味を有する。したがって、本件商標と引用各商標とは、外観及び観念が類似するものであり、指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、申立人の周知商標「FRONTERA」に類似する商標であって、「ワイン」と同一又は類似する商品について使用をするものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してなされたものである。
(4)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、これがその指定商品「ワイン」に使用された場合、これに接する取引者、需要者に、申立人又はこれと緊密な関係にある営業主の業務に係る商品であることを連想、想起させ、その商品の出所について誤認混同を生じさせるものであり、ひいては、本件商標の登録が申立人の周知商標の持つ顧客吸引力へのただ乗りやその希釈化を招来するものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、「FRONTIER」の語は、「国境地方、(科学などの)最前線、未開拓の分野」等を意味する英単語であり、我が国においても「フロンティア精神」等のような用い方をもって広く知られている語であり、これよりは「国境地方、(科学などの)最前線、未開拓の分野」等の観念を生ずるものということができる。
これに対して、引用各商標構成中の「FRONTERA」の語については、英和辞典や仏和辞典、独和辞典に照らしてみても、該綴り字からなる語を見出すことはできない。
この点について、申立人は、該語はスペイン語であって「国境、最先端」といった意味を有するものである旨主張している。
しかしながら、外国語の把握については、指定商品についての一般的な取引者・需要者が通常有する語学知識に従って判断されるべきところ、「ワイン」を含む申立に係る指定商品について、我が国においてスペイン語が広く用いられているとする証左もないことからみれば、「ワイン」等の指定商品についての一般的な取引者・需要者が英語や仏語と同程度にスペイン語を理解・認識しているものとは認め難いところである。
そうとすれば、引用各商標構成中の「FRONTERA」の語は、むしろ、特定の意味合いを有しない造語を表したものとみるのが相当である。
したがって、本件商標と引用各商標とは、観念において類似する商標ということはできない。
また、本件商標「FRONTIER」と引用各商標構成中の「FRONTERA」の欧文字部分の外観を比較してみても、後半部分における文字の差異とはいえ、明らかに字形の異なる「IER」と「ERA」の文字列の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、両商標の外観を見誤ることはないものといわなければならない。
更に、本件商標と引用各商標との称呼の類否についてみても、本件商標からは「フロンティア」の称呼を生ずるのに対して、引用各商標構成中の「FRONTERA」の文字部分からは、英語風の読みに従い「フロンテラ」の称呼を生ずるものと認められる。
そうとすれば、両称呼は、前半における「フロン」の3音を共通にするものの、後半部分において、「ティア」と「テラ」の音の差異を有するものであるから、この相違する2音の音質の差等により、それぞれを一連に称呼するも全体の語調・語感が異なり、充分に聴別し得るものというべきである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、観念、外観及び称呼のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人が提出する「FRONTERA」(引用各商標)の周知著名性に係る証拠は、申立人の企業パンフレット(甲第6号証)、我が国における販売代理店のウェブサイト及びニュースリリース(甲第7号証、甲第8号証)、「FRONTERA」に係る商品の店頭リーフレット・店頭POP・店頭陳列の様子を示す資料・販売促進用ビデオの画像資料(甲第9号証ないし甲第13号証)、「FRONTERA」に係る商品の評価を示すウェブサイト(甲第16号証、甲第17号証)及びワインに関するマンスリー・レポート、チリ産ワインの日本における販売実績(甲第14号証、甲第15号証)であるところ、これらの証拠によれば、「FRONTERA」(引用各商標)がワインに使用されていることは認められるにしても、例えば、我が国における「FRONTERA」についての具体的な販売実績については断片的な記述があるにすぎないから、提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、「FRONTERA」(引用各商標)が我が国の需要者の間に広く認識されるに至っていたとまで認めるには充分なものとはいえない。
そして、前記(1)のとおり、本件商標と引用各商標とは相紛れるおそれのない別異の商標というべきものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。また、本件商標をその指定商品に使用したとしても、これに接する需要者が申立人の使用する「FRONTERA」(引用各商標)を想起又は連想して、当該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはなく、引用各商標の持つ顧客吸引力へのただ乗りやその希釈化を招来するものともいえないから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。