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Trademark Appeal Case

要部認定と周知商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900193(T2010−900193/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5313287号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5313287号商標(以下「本件商標」という。)は、「NEXTECO」の欧文字と「ネクストエコ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成21年9月15日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」を指定商品として、同22年2月9日に登録査定、同年4月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりであり(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。

ア 登録第2272314号商標(以下「引用商標1」という。)は、「NEXT」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年2月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録されたものであり、その後、平成14年2月13日に指定商品を、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする書換登録がされたものである。

イ 登録第2272315号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ネクスト」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和60年2月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録されたものであり、その後、平成14年4月17日に、指定商品を、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする書換登録がされたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標の構成中「ECO/エコ」の語は、「環境に配慮した、環境に優しい」等を意味する語であり、幅広い分野において使用されている語であって識別力が弱い点を考慮すれば、本件商標の要部は、「NEXT」の文字部分にあるものということができる。

他方、引用商標1は、「NEXT」の文字からなり、引用商標2は、「ネクスト」の文字からなるものであるから、本件商標と引用各商標とは、称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、互いの指定商品も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、衣料等の製造販売を業とするイギリス法人であり、1982年にイギリスで婦人服の販売を開始し、現在ではイギリス及びアイルランドに500以上の店舗並びに世界中に170以上のフランチャイズ店を有している。日本においては、提携先のゼビオ株式会社にフランチャイズ店25店舗及びオンラインショップを運営させている。 そして、商標「NEXT」を申立人が提供する商品「被服」等について市場において積極的に使用した結果、「NEXT」商標は、本件商標の出願時には既に周知・著名なものとなっていたものである(甲第4号ないし第16号証)。

してみれば、本件商標をその指定商品について使用した場合には、申立人の業務に係る商品との出所の混同を生じるおそれがあることは明白である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(4)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記1のとおり、「NEXTECO」及び「ネクストエコ」の文字からなるところ、これを構成する欧文字及び片仮名文字は、いずれも同書・同大・等間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表わされており、かつ、その構成中片仮名文字部分は、欧文字の読みを表したものと無理なく理解されるものであって、各文字より生ずる「ネクストエコ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、たとえ、その構成中「ECO」及び「エコ」の文字部分が「環境に配慮した、環境に優しい」等を意味する語であるとしても、本件商標のかかる構成においては、商品の品質等を表示するものとして、直ちに理解させるものともいい難いところであるから、むしろ、構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し、把握されるとみるのが自然であり、他に、「NEXT」及び「ネクスト」の文字部分のみが分離・抽出され、取引に供されるとみるべき格別の理由は見出せない。

そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「ネクストエコ」の称呼のみを生ずるものであって、単に「ネクスト」の称呼及び「次の」等の観念が生ずることはないものといわなければならない。

してみれば、本件商標から「ネクスト」の称呼及び「次の」等の観念をも生ずることを前提にして、そのうえで、本件商標と引用各商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用することができない。

その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は見出せない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、英国において衣料品等を製造販売するチェーン店を営む事業者であり、申立人の業務に係る商品(被服等)について「NEXT」の文字からなる商標が使用されていることを窺い知ることはできるが、提出に係る証拠は、申立人会社や株式会社ゼビオ等のホームページ、カタログ、チラシ等であり、それらの配布部数や配布地域も明らかではなく、また、我が国における商品の販売数量、売上高、広告宣伝の状況等、引用各商標の著名性を具体的に裏付ける証拠も何ら提出されていないため、申立人の提出に係る証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時及び査定時において、引用各商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

しかも、前記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、加えて、「NEXT(ネクスト)」の語は、我が国においても、「次の、今度の」等の意味を表す英語(外来語)として広く一般に理解・認識されている成語である。

そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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