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Trademark Appeal Case

類似商標の混同可能性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900202(T2010−900202/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5315877号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

登録第5315877号商標(以下「本件商標」という。)は、「TAG FIT」及び「タグフィット」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成21年11月13日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」及び第26類「テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,腕止め,織ネーム,プリントネーム,その他の衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。)」を指定商品として、平成22年3月24日に登録査定、同年4月9日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4994025号商標(以下「引用商標」という。)は、「TECHFIT」の文字を標準文字で表してなり、平成18年3月28日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年10月6日に設定登録されたものである。

(2)申立ての理由の要点

本件商標は、指定商品中、第25類の全指定商品について、下記のアあるいはイにより、その登録を取り消されるべきものである。

ア 商標法第4条第1項第11号について

本件商標からは、「タッグフィット」及び「タグフィット」の称呼が生ずるのに対し、引用商標からは、「テックフィット」及び「テクフィット」の称呼が生ずるものであるから、本件商標と引用商標をそれぞれ一連に称呼した場合は、語調語感が極めて近似し、聞き誤るおそれがあるから、両者は称呼において類似する。

また、両商標は、看者の注意を最も強く惹きつける冒頭の文字「T」と後半の3文字「FIT」を共通にするから、その外観から受ける印象が非常に似通っており、外観上も類似する。

そして、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を包含し、これらの指定商品の需要者は一般の消費者であるから、通常の需要者の注意力の程度は高いものとはいえない。よって、本件商標と引用商標がこれらの指定商品に使用された場合は、その出所について誤認混同を生じるおそれがあることが明らかである。

イ 商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、申立人及びそのグループの親会社アディダス アーゲー(以下、これらを併せて「アディダス社」という。)の製造販売に係るスポーツウェアに使用され、本件商標の登録出願時には、アディダス社の商品出所表示として需要者の間で広く認識されていた。そして、引用商標は、「運動用特殊衣服」に止まらず、アンダーシャツ、Tシャツ、トレーニングウェア、テニスウェアなどの「被服」に分類されるスポーツウェアにも幅広く使用されている。

本件商標の指定商品は、「被服」と同一又は類似のものを包含し、また、「運動用特殊衣服」とは、製造者、販売場所、使用目的、需要者の範囲が一致又は重複し、極めて関連性が強い。

上記アのとおり、本件商標は、引用商標と称呼が近似し、外観印象も似通っているから、明瞭に区別することは容易でない。

したがって、本件商標が指定商品に使用された場合、アディダス社の商品出所識別標識として広く知られている引用商標が想起連想され、申立人又はその関連会社のアディダスグループ会社の取り扱いに係る商品、あるいは、「TECHFIT」の姉妹商品であると誤信され、その出所について混同を生じさせるおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「TAG FIT」及び「タグフィット」の文字を上下二段に書してなるところ、下段の片仮名文字が上段の欧文字の読みを表しているとみることが自然なものであるから、本件商標は、これより「タグフィット」の称呼を生ずるものというのが相当であり、また、該「TAG FIT」及び「タグフィット」の文字は、いずれも何ら意味合いを有しない造語と認められるから、特定の観念を生じないものである。

他方、引用商標は、「TECHFIT」の文字よりなるところ、該構成文字に相応して「テックフィット」あるいは「テクフィット」の称呼が生ずるものであり、また、その構成文字は、何ら意味合いを有しない造語と認められるから、特定の観念を生じないものである。

しかして、本件商標と引用商標とを比較すると、全体の外観構成においては明らかに相違するものである。そして、欧文字部分を比較しても、本件商標の欧文字が1文字分のスペースによって視覚上2語からなるものと認識されるのに対し、引用商標は一連の文字として看取されるものである上、両者は、語頭の「T」と語尾部分の「FIT」の文字を共通にするが、これらに挟まれた「AG」の文字と「ECH」の文字とでは明らかに相違するから、両欧文字から受ける印象は全く異なるものであり、両商標は、時と所を異にした場合でも、外観上相紛れるおそれはないものである。

また、本件商標の称呼「タグフィット」と引用商標の称呼「テックフィット」あるいは「テクフィット」とを対比すると、前半において「タグ」と「テック」又は「テク」の音の相違があり、称呼の識別上重要な要素を占める語頭部の前記差異が、比較的簡素な称呼の音感に与える影響は決して小さいものではなく、これらを一連に称呼した場合、全体の音感、音調が明らかに異なり、相紛れるおそれはないというべきである。

さらに、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないから、観念上相紛れるおそれはない。

してみると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとは認められない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標が引用商標に類似するものと認められないことは、前記(1)のとおりである。そして、申立人提出の証拠によって、たとえ、引用商標が「運動用特殊衣服」等に使用されていることが認められるとしても、本件商標と引用商標を関連付けて見なければならない特段の理由はみいだせないから、結局、両商標は別異の出所を表すものとして看取されるといわざるを得ないものである。

してみると、商標権者が本件商標を第25類の全指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとは認められない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第25類の全指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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