sokuhyo

Trademark Appeal Case

「お部屋」の識別力と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900216(T2010−900216/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5317132号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5317132号商標(以下「本件商標」という。)は、「お部屋片付け隊」の文字を書してなり、平成22年2月16日に登録出願、第40類「一般廃棄物の収集・分別及び処分,産業廃棄物の収集・分別及び処分,一般廃棄物・産業廃棄物の収集及び分別に関する情報の提供,家具・事務用機器の廃棄物の処分,廃棄物の再生」を指定役務として、同年3月29日に登録査定、同年4月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標

登録第4951111号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成17年8月11日に登録出願、第40類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同18年5月12日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「オヘヤカタヅケタイ」及び「カタヅケタイ」の称呼が生じる。また、観念上は「部屋を片付ける隊員又は部隊」といった意味合いが生じる。

そして、構成中の文字「お部屋」は、本件商標の指定役務との関係で役務を提供する場所を示す語であり(甲第3号証ないし甲第14号証)、自他役務識別力を有しない。よって、本件商標の要部は、「片付け隊」となる。

―方、引用商標は、称呼上「カタヅケタイ」が生じ、観念上「かたづけを行う隊員又は部隊」といった意味合いが生じる。

したがって、本件商標と引用商標は、称呼及び観念を共通にする類似商標であり、指定役務も互いに類似するものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、申立人の商標として、東海地区(愛知県南部)において広く一般に知られているから(甲第15号証ないし甲第20号証)、これと類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、役務の出所について混同を生じるおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標は、上記1のとおり、「お部屋片付け隊」の文字からなり、該文字は「部屋を片付けたい」との日常生活での家事への意志を表す文言の語尾を「隊」の文字に語呂合わせしたものであって、「部屋を片付ける集団(部隊)」程の意味合いを認識させるものである。

そして、該構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で外観上まとまりよく一体に表され、それから生じる「オヘヤカタヅケタイ」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そうとすれば、本件商標は、「部屋を片付ける集団(部隊)」程の意味合いを有し、「オヘヤカタヅケタイ」の称呼のみを生じる、構成文字全体が不可分一体のものと認識されるとみるのが相当である。

イ 引用商標は、別掲のとおりの構成からなり、その構成中「かたづけ隊」の文字部分が独立して自他役務識別標識としての機能を果たし得るものであって、該文字に相応し「カタヅケタイ」の称呼を生じ、「片付ける集団(部隊)」程の意味合いを認識させるものである。

ウ ところで、申立人の提出に係る一般廃棄物、産業廃棄物の収集、処理などを行っている業者のウェブページ(甲第3号証ないし甲第14号証)には、業務内容に係る記述に「...お部屋の片付け...」、「・部屋・庭などの片付け...」、「お部屋からの出し入れが困難な...」、「部屋の片付け承ります」、「お部屋の片付けをしたいけど...」及び「部屋の中まで収集可能(別途作業費要)...」などの記載が認められるが、これらは部屋の掃除及び整理のごとき役務に係るものであって、該役務は本件商標の指定役務とは異なるものであるから、本件商標の指定役務に係る業者のウェブページにかかる記載があるからといって、「(お)部屋」の文字(語)が本件商標の指定役務について、荷物や不要品を回収又は処分する役務を提供する場所を示しているということにはならない。

そうとすれば、かかる記載を根拠として、本件商標の要部は「片付け隊」であるから、本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は、その根拠が適切なものとは認められないから採用することはできない。

してみれば、「お部屋片付け隊」の文字からなる本件商標は、全体が不可分一体のものであって、外観、称呼及び観念のいずれの点においても引用商標(の全体及び「かたづけ隊」の文字部分)と明らかに区別し得るものといわなければならない。

その他、本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由は見出せない。

エ 以上のとおりであるから、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

ア 申立人提出の証拠によれば、申立人のパンフレット(甲第16号証)、産業廃棄物収集運搬車両の写真(甲第19号証)及び2008(平成20)年8月24日付け中日新聞に「のびゆく南区 〜祝・南区制100周年〜」との見出しの下、他の地域企業などと共に掲載されている広告(甲第20号証)において、引用商標(社会通念上同一のものを含む。)がそれぞれに表示されている事実は認められる。

しかしながら、かかる事実と申立人提出の全証拠を総合してみても、引用商標が申立人に係る一般廃棄物・産業廃棄物の収集及び分別などについて使用されていることは認められるものの、引用商標が本件商標の出願時(及び査定時)に、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されるに至っていたとまでは認めることはできない。

イ そして、上記(1)認定のとおり、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。

ウ そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を想起、連想するものとは認められず、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、これを維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。