Trademark Appeal Case
鶏マークと食品の類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900232(T2010−900232/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5320391号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成21年8月10日に登録出願、平成22年3月16日に登録査定がなされ、第29類「愛知県内で孵化・育成・処理・加工された名古屋コーチンの鶏肉,愛知県内で孵化・育成された名古屋コーチン成鶏より産卵された卵,愛知県産名古屋コーチンを使用した鶏肉製品,愛知県産名古屋コーチンの鶏肉又は卵を主材料とする惣菜,愛知県産名古屋コーチンの卵を使用した卵豆腐,愛知県産名古屋コーチンの卵を使用した加工卵,愛知県産名古屋コーチンの鶏肉・鶏がら又は卵を使用したカレー・シチュー又はスープのもと,愛知県産名古屋コーチンの鶏肉を使用した炊き込みご飯の具」及び第30類「愛知県産名古屋コーチンの鶏肉又は卵を使用した菓子及びパン,愛知県産名古屋コーチンの鶏肉・鶏がら又は卵を使用したドレッシング・マヨネーズソース・焼肉のたれ・めんつゆ,愛知県産名古屋コーチン用の焼肉のたれ,愛知県産名古屋コーチンの鶏肉又は卵を使用したアイスクリームのもと,愛知県産名古屋コーチンの鶏肉又は卵を使用した穀物の加工品,愛知県産名古屋コーチンの鶏肉又は卵を使用したぎょうざ・サンドイッチ・しゅうまい・すし・肉まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・べんとう・ホットドッグ・ミートパイ・ラビオリ,愛知県産名古屋コーチンの鶏肉又は卵を使用した即席菓子のもと」を指定商品として、同年4月30日に設定登録されたものである。
2 本件登録異議申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
(1)引用商標
ア 登録第3173895号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成5年7月19日に登録出願、第29類「食用油脂」を指定商品として、平成8年7月31日に設定登録、その後、平成18年5月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
イ 国際登録第758835号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成12(2000)年12月12日にポルトガル国においてしたパリ条約第4条による優先権を主張して、平成13(2001)年5月11日に国際登録出願、第29類「Olive oil, edible oils and fats.」を指定商品として、平成14年2月22日に設定登録がなされたものである。
ウ 国際登録第864721号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成17(2005)年3月15日にフランス国おいてしたパリ条約第4条による優先権を主張して、同年9月6日に国際登録出願、第29類「Olive oil,edible oils and fats.」を指定商品として、平成20年2月8日に設定登録がなされたものである。
以下、これらを一括して「引用商標」という。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、鶏を大きくほぼ写実的に描いてなるものである。したがって、本件商標が「鶏」マークととらえられることは明らかである。一方、引用商標はいずれも写実的に描かれた鶏と「GALLO」の文字からなると認められる。「GALLO」は「鶏」を意味するものであり(甲5)、日本の平均的需要者はそれを理解している(甲6)。本件商標及び引用商標が「鶏」マークととらえられる以上、両者は類似する。
また、引用商標の指定商品と本件商標の指定商品とは、ともに食品であって、往々にして製造者を共通にし、また、共に食料品店で販売されるものであり、スーパーマーケットでも陳列の棚が隣り合うなど同じ場所で販売されるものである。したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、類似するものと考えられる。
それ故、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
引用商標が使用された「食用油脂、オーリブ油、食酢」等が古くから日本で販売されてきている。申立人は、当該事実を示すためにインボイスの写しを提出する(甲7)。その結果、引用商標は本件商標が出願された2009年8月頃には、周知、著名なものとなっていた。それ故、本件商標は商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(4)加えて、本件商標がその指定商品に使用された場合には、当該商品は、申立人ないしは同人と人的又は資本的に関係のある者の業務にかかるものであるとその出所の混同を生じるは、必定である。
(5)以上述べたことから明らかなように、本件商標は商標法第43条の2第1項第1号によって取り消されるべきものでる。
3 当審の判断
(1)申立人が主張する申立ての理由は、定かではないが、申立ての全趣旨に照らして、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号該当性についてのものであると解し、以下、判断する。
(2)本件商標は、別掲(1)に示したとおり、若草色に塗りつぶしたほぼ正方形内上部に「自家受精」を意味する「純系」の文字と鶏の品種名「名古屋コーチン」の文字とその右下に矩形輪郭を施した「愛知県産」の各文字を朱色で配し、下段には、黒色で「名古屋コーチン普及協会」の文字を横書きし、その右側に末尾の文字「会」に一部架かるように「名古屋コーチン普及協会会長の印」の朱色の角印の陰影があり、中央には、白抜きした円内に右を向いた大小二羽の「名古屋コーチン」の特徴を有する鶏の図形が配されてなるものである。
他方、引用商標は、いずれも月桂冠様の円輪郭内に左向きに立っている一羽の鶏の図形を基本構成とし、引用商標1は、該鶏の上部に「“GALLO”」の文字、及び、該輪郭の下部に輪郭付きの「VICTOR GUEDES」の文字を配してなり、引用商標2は、該輪郭の下部に輪郭付きの「“GALLO”」の文字を配してなり、引用商標3は、円輪郭月桂冠の付け根の部分に横書きの「GALLO」の文字を配してなるものである。
しかして、本件商標の鶏の図形部分は、その上の「名古屋コーチン」の文字、及び、その文字の右側の矩形輪郭内の「愛知県産」の文字と相まって、「名古屋コーチン」を認識させるものであり、かつ、その指定商品との関係においては、商品の原材料、品質を表すにすぎないものと認められ、自他商品の識別機能を果たし得ないものというべきであるから、これよりは、比較すべき称呼及び観念は、生じないものというべきである。
そうとすると、本件商標の鶏の図形部分を、「鶏」のマークと認識されるとし、本願商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するとする申立人の主張は採用できない。
そして、本件商標と引用商標とは外観上も明らかに区別し得るものであり、その他、本件商標と引用商標を類似とすべき特段の事情は見いだせない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
そうとすれば、指定商品の抵触関係について論じるまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)前記(2)の認定のとおり、本件商標と引用商標とは、商標において類似しないばかりでなく、提出に係るただの2回のインボイス(甲7)のみにおいては、その売上数量等を把握できず、引用商標が需要者の間に広く認識されているとまでは認めることができない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)前記(2)及び(3)の認定のとおり、本件商標と引用商標とは、何ら相紛れるおそれのない、別異の商標であるばかりでなく、引用商標が需要者の間に広く認識されているとまでは認めることができないから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできないところである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。
(5)以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項の規定に違反して登録されたものということができず、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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