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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900240(T2010−900240/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5323733号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

登録第5323733号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成21年11月27日に登録出願、同22年3月30日に登録査定がなされ、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同22年5月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4075520号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおり、「STEFANO RICCI」の文字を籠字風に表してなり、平成7年12月11日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同9年10月31日に設定登録されたものである。

また、申立人は、同人が1972年から「被服」等に使用している商標として「STEFANO RICCI」の文字からなる商標(以下「引用商標2」という。)を引用している。

(2)理由の要点

本件商標は、下記ア及びイにより、その登録を取り消されるべきものである。

ア 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標1に類似し、その指定商品中「被服,ガ一ター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は、引用商標1の指定商品に類似する。

イ 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、申立人がネクタイをはじめとする服飾品、被服、革製品その他のアパレル商品について使用し、世界的に周知著名な商標になっている引用商標2と相紛らわしく、商標権者が本件商標をその指定商品に使用すれば、これに接する取引者又は需要者は、当該商品が申立人とライセンス契約関係等なんらかの関係を有する者の取扱いにかかる商品であるかの如く誤って認識し、出所の混同を生じるおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)に示すとおり、右向きの仮想動物を表したと思しき図と、その下段に「FRANCO RICCI」の欧文字を配し、そのいずれをも金色で表した構成のものである。

そして、当該文字部分は、「FRANCO」と「RICCI」の文字間に空白があり、視覚上分離して看取されるものではあるけれども、同じ書体、同じ大きさで纏まり良く表されており、そのいずれかで主従の関係や軽重の差異を認めることができないものであるから、かかる構成態様において、本件商標は、「RICCI」の部分のみに相応した称呼や観念をもって取引に資されるものとすべき理由はみいだせない。また、「FRANCO RICCI」の文字に相応した「フランコリッチ」の称呼も格別冗長でなく、一気に称呼し得るものである。

したがって、本件商標は、「フランコリッチ」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じさせない標章からなるものというべきである。

一方、引用商標1は、「STEFANO RICCI」の欧文字よりなり、各構成文字は籠字風の書体で、纏まり良く構成されたものであって、その構成中「RICCI」部分のみが殊更に強く印象され記憶されて、この部分に相応した称呼や観念をもって取引に資されるものとすべき理由はみいだせない。また、構成文字全体に相応した「ステファノリッチ」の称呼も格別冗長でなく、一気に称呼し得るものである。

したがって、引用商標1は、「ステファノリッチ」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じさせない一連の造語からなるものというのが相当である。

しかして、本件商標と引用商標1とは、外観構成において明確に相違しており、外観上相紛れるおそれはない。また、その称呼「フランコリッチ」と「ステファノリッチ」においては、前半部で「フランコ」と「ステファノ」の明らかな構成音の相違があるから、これらを一連に称呼しても全体としての音感が異なり、相紛れることなく判然と区別し得るものである。さらに、両商標は、観念について比較することができないものであるから、観念上で相紛れるおそれはない。

してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1に類似する商標と判断することはできないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人提出の証拠によれば、「STEFANO RICCI」の文字からなる商標が商品(ネクタイ等)について使用をされた事実を認め得るけれども、これが「RICCI」の略称において、あるいは「リッチ」の称呼をもって需要者に認識されていると認め得る証左はみいだせない。そして、全証拠をもってしても、これらが需要者の間で広く認識されるに至っていたと認めることはできないものである。

しかして、引用商標2は、引用商標1と構成文字を同じにするものであるから、本件商標と引用商標2は、前記(1)と同様の理由で、類似する商標とはいえない上、本件商標の構成中に「RICCI」の文字部分が含まれるとしても、その一事をもって本件商標が引用商標2と関連付けて看取されるとすべき理由もみいだせないから、結局、本件商標と引用商標2は、全く別異の出所を表示するものとして看取されるといわざるを得ないものである。

してみれば、本件商標を指定商品に使用した場合、本件商標の出願時あるいは登録査定時のいずれにおいても、これに接する需要者が引用商標2を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認め難いから、商品の出所について混同を生じさせるおそれはなかったと判断されるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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