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Trademark Appeal Case

称呼・観念の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900268(T2010−900268/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5330144号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5330144号商標(以下「本件商標」という。)は、「CANALEENA」の欧文字と「キャナリーナ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成21年8月3日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、平成22年2月25日に登録査定、同年6月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第110号証を提出した。

(1)引用商標

申立人が、本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、次のとおりの商標であり(以下、これらを総称するときは、単に「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。

ア 登録第4907948号商標(以下「引用商標1」という。)は、標準文字で「CANALI」の欧文字を書してなり、平成16年4月2日に登録出願され、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年11月11日に設定登録されたものである。

イ 国際登録第838447号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2004年(平成16年)4月26日に国際商標登録出願され、第3類、第9類、第14類、第18類、第24類、第25類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年7月14日に設定登録されたものである。

ウ 登録第2448071号商標(以下「引用商標3」という。)は、「CANALI」の欧文字を横書きしてなり、平成元年9月19日に登録出願され、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録されたものであるが、その後、平成15年7月16日に指定商品を第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする書換登録がされているものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、その構成から「キャナリーナ」の称呼を生じ、引用商標1及び2からは、いずれも「キャナリ」の称呼を生ずる。

本件商標と引用商標1及び2とは、「キャナリ」の称呼を共通にし、差異音は長音及び語尾音「ナ」のみで、しかもこれらは聴者に与える印象が弱い語尾に位置することから、語調・語感が極めて近似し、彼此聞き誤るおそれがある。また、両者は、語頭に位置する頭文字から第5文字までの綴りを同一にし、語尾が「I」か「EENA」かの相違であるため、外観上の印象も近似している。更に、引用商標1及び2の要部はイタリア語で「運河」等の意味合いを有するのに対し、本件商標は、特定の意味合いを有しない造語であるが、片仮名文字部分の語尾「ーナ」はイタリア語の愛称辞に相当し、自他商品識別力が極めて弱いから、当該部分から「キャナリ」の称呼及び「運河」の観念をも生じ、引用商標1及び2の要部と称呼及び観念上相紛らわしく、また、本件商標の片仮名文字部分及び欧文字部分からは、それぞれ「小さい運河」等の意味合いを有するイタリア語「canalina」を想起し得るから、引用商標1及び2の要部と観念上密接な関連性を有するといえる。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用商標3は、「CANALI」の欧文字を一連に横書きした構成からなり、アメリカ、ヨーロッパ及び日本国内で、申立人の服飾製品に使用される商標として、本件商標の出願時に需要者・取引者の間に広く認識され、現在もなお広く認識されていると認められるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所につき混同を生ずるおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記1のとおり、これを構成する欧文字及び片仮名文字の各構成文字は、いずれも外観上まとまりよく一体的に表現されており、下段の片仮名文字が上段の欧文字の読みを特定したものと無理なく理解されるものであるから、該片仮名文字に相応して「キャナリーナ」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用商標1は、前記2のとおり、「CANALI」の文字よりなるものであり、引用商標2は、別掲のとおり、黒地の四角形内中央に水色で大きく「CANALI」と表し、その下段に小さく「SPORTSWEAR」と表してなる構成からなるところ、その要部は「CANALI」の文字部分にあるものと認められるから、引用商標1及び2からは、「カナリ」又は「キャナリ」の称呼を生ずるものということができる。

そこで、まず、本件商標から生ずる「キャナリーナ」の称呼と、引用商標1及び2から生ずる「キャナリ」の称呼とを比較するに、両称呼は、「キャナリ」までの3音を共通にするとしても、後半部分の音構成において、「リ」の音の長音「ー」と「ナ」の音の有無という明らかな音構成の差異を有しており、その語調・語感も明らかに異なるものであるから、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。

次に、本件商標から生ずる「キャナリーナ」の称呼と、引用商標1及び2から生ずる「カナリ」の称呼とを比較するに、両称呼は、共通にする音の方が少なく、音構成において明らかな差異を有するものであるから、互いに明瞭に聴別し得る差異を有するものと認められる。

さらに、本件商標と引用商標1及び2の欧文字部分の外観を比較してみても、後半部分とはいえ、「EENA」と「I」という明らかな文字の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。

そして、本件商標と引用商標1及び2との観念を比較するに、申立人も述べるとおり、本件商標は特定の意味合いを有しない造語と認められるから、観念においては比較すべくもないものである。

なお、我が国において、イタリア語が広く一般に普及しているものとはいえないことから、本件商標の片仮名文字の「キャナリ」の文字部分から、「運河」の観念を想起することもないものというべきである。

そうとすれば、本件商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、引用商標3との関連で、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当する旨主張している。そこで、申立人の提出に係る甲各号証をみるに、「各種雑誌、各種全国紙」等(甲第22号証ないし甲第79号証)、1987年度ないし2005年度までの申立人の「商品総売上高一覧表」(甲第80号証)、1987年度ないし2005年度までの申立人の「広告宣伝費一覧表」(甲第81号証)等によれば、「CANALI」の文字からなる引用商標3は、申立人の業務に係る商品「高級紳士服」に使用される商標として、本件商標の出願時までには、我が国においても一定程度知られていたことは認めることができる。

しかしながら、申立人が、実際の取引において使用している「CANALI」の商標は、我が国においては、専ら「カナーリ」と表記されて使用されている事実が認められるから、このような取引の実情に鑑みれば、引用商標3の「CANALI」の商標からは「カナーリ」の称呼のみが生ずるものといわなければならない。そうとすれば、本件商標から生ずる「キャナリーナ」の称呼と実際の取引に供されている「CANALI」の商標から生ずる「カナーリ」の称呼とは、全体の音構成において明らかな差異を有しており、その語調・語感も明らかに異なるものであるから、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。また、両者が外観及び観念においても紛れるおそれのない非類似の商標であることは前記したとおりである。

してみれば、引用商標3が、申立人の業務に係る「高級紳士服」に使用され、我が国においても一定程度知られていたことは認められるとしても、本件商標と申立人が実際の取引において使用している引用商標3とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、本件商標の商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標3を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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